第46話「鱒料理パートⅡ」
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『頼むよ~、俺を! 勇者様の嫁にしてくれ~! 交尾OKだあ!』
人狼女王ヴィオラは何と!
不肖の弟? アルパッドがやらかした付きまとい行為の償いをしたいと、
悲劇のヒロイン病にかかり、ある種の人身御供を申し出て来た。
否、押しかけ女房就任を迫って来たのだ!
こんなお願い、当然答えは決まっていた。
『却下! 交尾ノーサンキュー!』
『当たり前でございます! マスターの妻はこのスオメタルたったひとりでございます!』
ダンとスオメタルはきっぱりと断った!
……はずだった。
はずだったのだが……
『おっはよ~ございま~す!』
翌日から……
女王ヴィオラを筆頭に、人狼3バカ兄弟? 第一王子リュカン、第二王子のトロプス、そして許された第三王子アルパッド。
更に更に!
人狼の一族郎党350頭余が、勇者タウンへ日参するようになってしまったのだ。
『一生仕えると、コイツに押しで言い負かされた』
『一生 奉仕すると、コイツに押しで説得されてしまったでございます』
『は~ははははは! 勇者様のお嫁になるのは一旦諦めても! 我等人狼族、押しの強さとしつこさは魔族ナンバーワ~ン!! 一度狙った獲物は絶対逃しませ~ん! さりげなくダジャレ言ったけど、わっかりますぅ?』
『全く分からんぞ、人狼女子! 俺は獲物か!』
『姉弟揃って、ウルトラ超ストーカーワン公一族でございます』
それどころか!
ヴィオラがうやうやしく一礼した相手が居た。
『宰相タバサ様もご機嫌麗しゅう』
『ははははは! 言葉遣いは改まったようだな! 勇者様に対し、気品ある女王が、俺ではいかん! がさつな物言いは人狼族の気品を損なうぞ』
『はは~早速、言葉遣いを改めましてございますぅ~』
『うむ、人狼族よ、我が家臣となったからには、この敷地の建物や設備を自由に使って良いぞ』
『はは~っ』
いつの間にか……
タバサとヴィオラが意気投合していた。
その上、タバサは勝手に『宰相』を名乗っている事まで判明したのだ。
ここまで暴走すると、かねてからダンが考えていた魔法が行使される。
『タバサ、お前何、勝手にウチの使用許可出してんだ。緊急発動! 葬送魔法禁呪、亡霊お仕置き!』
『ぎゃ~! 実体がない私を、何でげんこで頭ぐりぐり出来るの~!?』
『お~、マスター。それスオメタルが習ってない魔法でございます』
『うん、あまりにもくだらない魔法だから封印してた。でもコイツが居るから、行使決定!』
『スオメタルもぜひ習得したいでございます。おいたをしたら、タバサに容赦なくお仕置きさく裂』
『ようし、追加で見本だ~! おらおらおら~!』
『ぎゃ~! ダン様ぁ、ぐりぐりやめて~、もしゃもしゃ、やめて~、折角セットした髪が乱れる~!』
『御意! この魔法は痛くはないですが、タバサへの精神的ダメージが抜群でございますね』
『ぎゃ~、体罰反対! 暴力追放!』
こうして……
ダンとスオメタルの住まいは一気に、にぎやかになったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
数日後……
『うっふふふぅ~。大漁でございま~す』
スオメタルの機嫌は完全に直っていた。
ダンとスパルトイに抜け駆けされた鱒釣りに、この日連れて行って貰ったからだ。
ちなみに今回もスパルトイ軍団は同行している。
ダンは一応人狼族も、釣行へ誘った。
だが、生意気にも釣りが面倒だと断って来ている。
何と、「食べる時だけ参加だ」とヴィオラがのたまい、
ダンとスオメタルから、魔法できつ~くお仕置きされていた。
『マスター』
『何だい?』
『まさか使用済みのスプーンにこのような二次使用方があったとは! スオメタルは全然考えていなかったでございます』
スオメタルはダンが加工した『スプーン』をしげしげと眺めていた。
どうやら餌を付けずに釣るルアー釣りを気に入ったようである。
好感度アップのポイントが稼げたので、ダンは胸を張っている。
『だろ! 褒めてくれて良いぜ。ジャンク屋ばんざ~い!』
だが、喜ぶダンに対して、しっかりとスオメタルから釘が刺される。
『……とは言っても! やはり不要なゴミ集めはNGでございます』
『りょ、了解!』
という事で、今日は大漁。
釣り上げた鱒を使ったバーベキュー大会が開催される事となった。
調理をするのはダンではある。
だが、火種要員として魔法亡霊少女タバサが参加し、
食事が出来ない不満を解消させていた。
給仕役は、釣った鱒の行く末をわくわくして見守るスパルトイ軍団である。
但しバーベキューといっても焼くだけでなく、様々な調理方法が使用された。
『まずは王道。串に刺した鱒を用意。たき火の周りの地面に突き刺し、遠火で焼く。直接火にかざさなくても焼けるんだぞ』
ダンは手際よく、作業し、鱒はどんどん焼けて行く。
『お~、これはマスターの仰る通り、王道的な焼き方でございます』
『よっし! 次は、反射板料理だ』
『反射板料理? この丸太を半分に割った板を使うでございますか』
『おお、そうだ。鱒を2枚に開く。軽く塩を振り、身を内側にして、木で作った串でこの板に打ち付け、遠火で焼く。香りの良い木を使うと更に美味い』
こちらも木に打ち付けた鱒を遠火で焼く方法である。
『な、成る程! 普通の焼き魚とはひと味違うでございます』
『もうひとつ! これは焼く以外の方法。事前に香味野菜・香草、ワインやビネガーでブイヨンを作る。大型の鍋にブイヨンを入れ、鱒の切り身、野菜等を投入する』
『ほうほう。具材をブイヨンへ入れるでございますか?』
『おう! で、次に高温で焼いた小石数個を鍋へ入れる』
スオメタルが見守る中、鍋の水は派手な音をたて、
あっという間に沸騰してしまった。
『こうやると、急激に沸騰したお湯が、素材を調理してくれるんだ。本当はじっくり煮込む方が良いんだが、こういうのもたまには良いだろ』
『わお! 凄く面白いでございます!』
『で、頃合いを見て、素材が煮えたら、食べると!』
『ええっと……レッツチャレンジ……激うっま!』
恐る恐る……
茹でた鱒を口にし、スオメタルは笑顔となる。
ちなみに……
これらの料理は人狼族もご相伴にあずかった。
最近は、タバサの入れ知恵「働かざるもの食うべからず」で、
彼等は周辺のパトロールを行うとともに、
狩った獲物をダンへ献上するようになっていたからだ。
ダンの料理が鱒が食べられると聞き、
鱒が好物の人狼族が大喜びしたのは言うまでもない。
ちなみに人狼族に振る舞われた料理は……
彼等向けのみ、全てが塩抜きで調理されていた。
肉食動物は、狩った草食動物の肉や血から適度な塩分を摂取すると、
ダンが認識していたからである。
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最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《連載再開しました!》
「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」
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