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第45話「人狼姉登場!」

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 ここは勇者タウンにあるアパート、タバサの部屋。

 ドライに言えば……

 彼女は自由気ままに彷徨う亡霊なので、本来個室は必要ない。


 しかし……

 私だって!

 プライベート空間が欲しい!

 そんな希望が出た。

 結果、アパートに部屋が提供された次第である。


 さてさて!

 その個室では、先ほどまでマンツーマンでタバサの魔法個人授業が行われていた。

 教師役はスオメタルであり、そこへダンがスパルトイ達と意気揚々と帰宅したのだ。


 その際、ダンがつい「大漁だ!」と釣果を自慢した。

 なので、湖へのルアー釣行が発覚。

 スオメタルが大いに怒っているという状況なのである。


 怒りの波動が部屋に満ち、周囲に冷え冷えとした空気が漂う。


『マスター、どういう事でございますか? スパルトイ達と魔境の自然を楽しみながら、普通に! あくまでも普通に! ハイキングする企画ではなかったのでございますか?』


『い、いや……ちょっと予定を変更した』


『はあ? ちょっと? 予定を変更? ちょっとではございません。全く違う企画ではございませぬか!』


『ああ、だいぶ内容が変わったな……』


『そうでございますよ! 先日、湖でデートした際、再訪する時はスオメタルも必ず一緒だと、指切りげんまんで固く約束したでございますよね』


 腕組みをし、仁王立ちするスオメタル。

 その迫力は半端ない。


 対して、ダンはうっかり忘れていたとも言えず、ひたすら謝るしかない。


『ごめん! 本当にごめんなさい』


『湖へ赴き、新たな方法で釣りを楽しむ! そう先に仰って頂ければ、変人亡霊少女など放っておいたのでございますよ』


 これは夫婦げんか……かもしれない。

 スルーして流せば良いのに、部外者のタバサが抗議する。


『こらぁ、変人言うなぁ!』


『ふん! 変人な奴ほど違うと言うでございます。スオメタルは、感じたままその通りを、シンプルに申し上げているだけでございますゆえ』


『私は変人じゃな~いっ』


 スオメタル対タバサへ、戦いの場が移りそうになった。


 ダンが慌ててスオメタルをなだめる。


『まあまあまあ、せっかくの大漁なんだ。俺がいっぱい鱒料理作る! だから許してくれ! この前釣った鱒は無くなっていたし、これからは絶対スオメタルを連れてくから!』


 平身低頭のダンを見て、ようやくスオメタルの怒りが収まって行く。


『仕方ありませぬ。今回だけは特別に許してあげるでございます。次回からはスオメタルの置いてきぼりは特大ペナルティ発生でございますよ』


『りょ、了解!』


 勇者の癖に情けない!

 そう映ったに違いない。

 ここでまた、タバサが余計なひと言。


『はん、魔王を倒した勇者賢者と威張っていても、完全にかかあ天下でっすねぇ』


『はあ? 何か言ったか、変人亡霊少女!』


『言ってませ~ん』


『シャラップ! しっかり、かかあ天下と聞こえているでございます! 変人亡霊少女には、もう二度と魔法を教授致しませぬ。後は永久に自習でございます』


『え~!』


 スオメタル非情の決断に対し、

 タバサが再び抗議の叫びをあげた瞬間。


 わおおおおおん!

 わおおおおおん!

 わおおおおおん!


 物悲しい犬の遠吠えが三度聞こえたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ダンとスオメタルは声のした方へ走っている。


『何か、既視感デジャヴュがあるんだけど』


『それは間違っておりませぬ。今聞こえたのは、人狼族の悲鳴でございますゆえ』


『やっぱりか! でも気配は3体だぞ』


『超ストーカーのクソワン公アルパッドは、マスターの魔法で永久出禁に致しました。だから私達の領域エリアへ入れるわけないでございます。多分違う人狼族でございますね』


 とまた、部外者のタバサが「ちゃっかり」後方を飛んでいた。

 野次馬根性丸出しである。


『ね~ね~今のなに~?』


 図々しいタバサに、眉をひそめたスオメタルがきっぱりと言い放つ。


『変人亡霊少女には関係ないでございます。しつこいとお前も、今流行の追放処分にするでございますよ!』


『くっそ! そんな事したら、絶対仕返しして、ざまぁしてやるう~』


 ダンとスオメタル、そして野次馬のタバサが駆けつけると……

 そこは屋外。

 ちょうど魔法障壁の境界線。


 先ほどダンと一緒に戻って来たスパルトイ軍団が武器を持ち、

 はりめぐらされた魔法障壁の内側から、威嚇のポーズをとっていた。


 もしやと思い、ダンとスオメタルが見やれば、

 半狼半人の姿をした人狼族3体が座り込み、怯えたように頭を抱えている。


 周囲に敵らしきもの含めて他者の気配はない。


 ダンはスパルトイ達を制すと、魔法障壁を解除した。

 ゆっくりと人狼3体に近付いて行く。


 一番先頭で頭を抱え震えている人狼は……

 メス……否、女子のようであった。

 

 仕方なくダンが声をかける。


『おい、どうした人狼女子』


 すると人狼女子は少し顔をあげ、上目遣いにダンを見る。


『弟達の話と! 全然、違うじゃねぇかあ!』


『弟達? 話が違う?』


『お前が勇者様だろ!』


『元だ! 引退した元勇者だ』


『どっちでも良い! おい、勇者様! 俺は気持ちわりぃお化けが大の苦手なんだぁ! あんたは凄く強い崇高な賢者様だって話がよぉ、実はおぞましい死霊術師ネクロマンサーだったなんてぇ! ほんっとうに残念だぁぁ!!』


『はあ? 俺がおぞましい死霊術師?』


『だって、何だ? この不死者アンデッドの骨ヤローどもは! それに妙な変態亡霊まで居やがるぞ!』


 どこの誰にでもいじられるタバサ。

 むきになり、拳を振り上げる。


『おい、こらメス狼! 私は妙な変態亡霊違うだろ!』


 しかしタバサの抗議は、またも虚しくスルーされる。


『もうやけくそだ! 初志貫徹! 勇者様が死霊術師でも、骨ヤローが居ても、変態ゴースト居ても仕方がねぇ! 俺は人狼族王家の長姉、王女ヴィオラだぁ! こいつは弟の第一王子リュカン、第二王子のトロプスだ!』


『おいおい、お前達の素性は分かったけど、3人揃って、俺に何の用だ』


『分からんのか!』


『さっぱり分からん』


『それでも勇者か! 嘆かわしい! 俺が新女王になるにあたり、弟の第三王子アルパッド付きまといの詫びに来たのだっ! す、筋を通したいのだっ!』


『わ、詫び? 筋を通す?』


『おう! 謝るから、もう許してくれ! 魔法結界を解いてやってくれ! 弟アルパッドは大好きな勇者様に嫌われ、悩みに悩んでいるのだぁ!』


『めんどくさい奴らだ』


『何だと?』


『もう詫びとか良いって。結界解除も考えてやるから、アルパッドへそう言え』


『おお! あ、ありがたい! だ、だから!』


『だから?』


 と、ダンが聞き直せば、

 それまで黙って聞いていたスオメタルまで、何故か聞き直す。


『だから何でございます?』


『弟がやらかしたつぐないとして勇者様の嫁になる! 俺を! 勇者様の嫁にしてくれぇ~!』


『『え~!』』


 弟が弟なら、姉も姉……

 身内がやらかした行為の詫びをしたいと言いながら……

 全く同じ、意味不明な押しかけ嫁をせがむ人狼女王、

 姉のヴィオラなのであった。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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お持ちのスマホでお気軽に読めますのでいかがでしょう。


最後に、連載中である

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も何卒宜しくお願い致します。

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