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第43話「スパルトイ達の楽しみ①」

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 アルバイトのわけあり案件『ガーゴイル討伐』を難なく完遂。

 転移魔法で王都へ行き、冒険者ギルドを訪問。

 担当のネリーから、報奨金の金貨800枚を受け取ったダンとスオメタル。

 

 再び転移魔法を発動。

 無事、勇者タウンの自宅へ戻って来た。

 帰り際、「また宜しく!」と大喜びのネリーから念を押されたのは言うまでもない。


 さてさて、数日後……

 ダンとスオメタルは別行動を取る事にした。

 

 このところ、勇者タウンの整備、生活資材、食料備蓄、農作業等も順調であり、

 日頃、頑張ってくれているタバサとスパルトイ達へ報いようと考えたのである。

 

 かといって、相手は不死者アンデッド

 人間のように金品の褒美を与えてもよろこばない。

 飲食でもてなす事も不可能である。

 却って、虚しく感じてしまう懸念もある。


 どうしようか?

 何をすれば、一番歓んでくれるのか?


 いろいろと考えた末……

 スオメタルは半人前のタバサへ魔法の教授をする事にした。

 まだまだ未熟なタバサが最も喜ぶのは魔法の習得であるという結論に達したのだ。

 タバサは水属性の魔法使いであり、同じ魔法を得意とするスオメタルは師匠には適任である。


 一方、ダンは思うところがあり、周辺の視察を兼ね、スパルトイ達を連れ、外出した。

 

 ダンを先頭に、魔境の森をぞろぞろと歩く総勢50余のスパルトイ軍団。

 はたから見れば……

 数多のスケルトンを従える高位の死霊術師ネクロマンサーと見えなくもない。


 移住して来たダンが獣道を整備したりはしたが……

 相変わらず魔境は手付かずの大自然に満ち溢れている。

 

 美しい景色を見て、スパルトイリーダーが話しかけて来る。


『成る程、素晴らしい土地ですな。魔境と呼ばれるこの地のこの辺りは、ダン様がお治めになる広大な領土なのですね』


 スパルトイの言葉を聞き、ダンは苦笑。

 首を横に振った。


『いや、この土地が俺の領土は違うって。元々魔境は誰の物でもなかった。魔物や普通の獣が自由に暮らしていた。突如、魔王デスヘルガイザーが現れ、勝手に魔族の国を創ったんだよ』


『成る程』 


『うん、その魔王を俺とスオメタルが倒したので、今、魔境は空白地帯。なので俺が隠遁いんとん生活をしているんだ』


『隠遁とは! 俗世間を逃れ、隠れ住む事ではありませんか。魔王を倒した偉大なるダン様が何故こそこそと暮らすのですか?』


『いや、こそこそってわけじゃないけど、勇者ってのもいろいろ面倒でな』


 ダンは相変わらず苦笑していた。

 スパルトイリーダーはダンの顔付きを見て、それとなく察したようである。


『勇者が面倒……何となく分かります』


『うん、理解して貰えて何よりさ。王宮での暮らしは殺伐としていた。だからのんびり暮らしてスローライフな人生を全うしたいと思った。すっぱり勇者を引退して、ここへ移り住んだんだ』 


 ダンの言葉に反応したのは、別のスパルトイであった。


『リーダー、私にはダン様の仰っている事が分かります。過酷でもあるこの大自然に抱かれ、わずらわしい社会と離れ、悠々自適に暮らすとお考えなのですね』


『そうそう、わずらわしい社会は、もうノーサンキューさ』


 ダンはひどく顔をしかめる。

 美しい外見と裏腹に醜い心を持つ王女アンジェリーヌと、その家臣どもの顔が浮かんだからである。

 人の本質を見抜こうとせず、愚かな固定概念で蔑む愚かな奴らの顔が……

 

 そんな最低の者達とは関わりたくない。

 こちらまで、心がすさんでしまうとつくづく実感する。

 

 ダンの心を読み取ったようにまた別のスパルトイが言う。


『はい、先日のように必要がある時だけ、街へ出る。……えせニートの引きこもり、いえ、良き暮らしではありませんか。ダン様にはスオメタル様という素敵な想い人もいらっしゃるし』


 不死者アンデッドのスパルトイとは思えない、人間の如き共感ビーム。

 ダンは思わず感嘆する。


『おお、それそれ! 途中何か、微妙な表現があったけど……お前達、基本的には良い事言うじゃないか』


 そんなこんなで、ダンとスパルトイ達は談笑しながら、いろいろと探索し、

 遂に湖まで来た。

 先日、スオメタルとデートし、楽しんだ場所である。

 相変わらず風光明媚だ。


 スパルトイリーダーは再び景色を称賛する。

 先ほど同様、前世の人間だった頃のように反応していた。


『おお、ダン様。ここは特に素晴らしい場所ですな。心が洗われるようですぞ』


『おお、お前達にも、この大自然の美しさが分かるのか!』


『はい!』 


『よっし、今日はお前達に、この場所で人生の楽しみを与えたいと思ってさ』


『人生の楽しみ? この場所で、ですか?』


『いえす! この湖で、だ。その為にお前達を連れて来た』


 怪訝そうに聞き直すスパルトイリーダーに対し……

 ダンは「そうだ」と穏やかに微笑んだのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

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