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第41話「妖精猫の王」

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 ダンとスオメタルは王都の情報屋ジャンの家……

 隠れ家に居た。


 ダンと邂逅し、従士として戦って来たスオメタルだが、ジャンとは初対面だ。


 当然ながら、ダンは紹介する事にした。


「ジャンは初めてだったな。この子はスオメタル、俺のパートナーだ」


「ほう、パートナーか」


 ジャンはシルバープラチナ髪の美少女を一瞥いちべつすると、わずかに微笑んだ。


 しかし、スオメタルは即座に「びっ!」と手を挙げた。

 きっぱりと言い放つ。


「マスター、パートナーは全然違うでございます。スオメタルはマスターの想い人! 且つ愛する妻、でございますよ」


 スオメタルは己の立ち位置と名称をはっきりしたいタイプらしい。


 いずれスオメタルが妻になるのは……

 お互いに認め合う厳然たる事実。

 なので、ダンも反論する気はなかった。


「お、おう! だったな、訂正する。俺の想い人で愛する妻のスオメタルだ」


 はっきり言い切ったダンの言葉を聞き、スオメタルは大いに満足したようだ。

 改めて自ら、名乗る。


「初めまして、ジャン殿。ダン・シリウスの妻スオメタルでございます」


 堂々、きっぱり言い切るスオメタルに、ジャンは気圧されたように噛んでしまう。


「あ、あ、ああ……俺はファザーガットのジャンだ」


「……成る程。ファザーガットとは、単なる妖精猫ケット・シーではない。妖精猫の王……でございますね」


 スオメタルの言う通り、ファザーガットとは、

 妖精猫ケット・シーの王を指す呼称だ。


 補足しておくと……

 妖精猫ケット・シーとは、人語を喋り、二本足で歩く猫である。


 文字通り、種族は妖精族。

 変身を得意とする者も居る。

 外見は一般的な猫と殆ど変わらないので、識別しにくい。


「ふっ、良く知ってるな。まあ宜しく頼まあ、スオメタルちゃん」


 ジャンは少し話すと馴れ馴れしく、否、フレンドリーになるらしい。


「妖精族の事は、これまでいろいろ学びましたでございます」


「へぇ、そうかい」


「念の為、ひと言申し上げます」


「何だい、スオメタルちゃん」


「……貴方の言う《ちゃん》の呼称は微妙ではございます。が、一応、良しと致しましょう。……ジャン殿、こちらこそ宜しくお願い致します」


 ちょっとだけ、引っ掛かりはあったが……

 あいさつは無事済んだ。

 と、なれば早々に用事も済ますのが賢明である。


「よっし、ジャン。お互い時間がないだろうから、早速頼む」


 ダンはジャンに対し、世界各地に点在するガルドルドの遺跡調査を依頼していた。

 ドヴェルグのオルヴォ程深い付き合いではないので、スオメタルの真の身体の事を伝えてはいない。


「うし! お前から依頼のあったガルドルド遺跡が新たに3か所発見された」


「……朗報だな」


 新たな遺跡は、まだダンとスオメタルのチェックが入っていない場所だ。

 探し物が見つかる可能性が多少は上がる。


 と、ここでジャンが衝撃の発言を。


「それとだな、補足しておくと……1か所は魔導工学の研究所だそうだ」


「……了解」


 しかし、ダンは努めて冷静さを保つ。

 厳しい訓練を経て、このような場合に魔力が乱れないように心の均衡を保つ事が出来た。


 しかしスオメタルの波動に驚きの感情が見られたようだ。

そんな些細な変化もジャンは見逃さなかった。


「……スオメタルちゃんの波動に一瞬乱れがあったが、魔導工学の研究所に何かあるのか?」


「そうか……特にないが」


「…………」


 ジャンは余計な追及をして来なかった。


 ダンもスオメタルも表情を変えず、もう魔力に変化はない。

 ジャンは机の引き出しを開けると、

 3枚の地図と報告書をセットにし、ズラリと並べた。


「まあ、良い。これが地図と報告書だ」


「ありがたい、いつも仕事が速いな」


「当たり前だ。それが売りだからな」


「助かる! これが金だ。ちょっと色を付けた、金貨500枚だ」


 未発見の遺跡1か所につき、金貨150枚が約束した金額である。

 但しダンは、今後の事も考え、若干金額を上乗せしていた。


「毎度! お前が紳士的な奴で良かったよ。俺の心を読めるお前がちゃんと金を払って情報を買う。邪悪な奴ならそうはいかん」


「いやいや、オベロン様との兼ね合いもあるし、無茶は出来んよ」


「ふっ、そのオベロン様、そしてティターニア様の住まう妖精の国アヴァロンを、ダン、お前が魔王軍侵攻の危機から救ってくれた」


「ああ、魔王軍討伐の成り行き上な」


「成り行きでも何でも良い。お前は妖精族全員の大が付く恩人だ。オベロン様からは何かあれば、全面協力するように言われてる。本来は金も受け取れんくらいだ」


 ダンはドヴェルグ族だけでなく、妖精族も救ったらしい。

 しかし、いつもの通り、功をひけらかす様子はなかった。


「ふっ、それはそれ、これはこれだよ」


「じゃあ、サービスで教えてやるぜ」


「サービス?」


「ダンお前のいろいろな噂が飛び交ってる。ヤバイ噂もある。お前から金をちょろまかそうとかな」


「ああ、聞いた。他にもギルドが動いてるとか、バイトに雇いたいとか、いろいろあるみたいだな」


「ああ、たくさんある」


 ジャンは、先ほど商店主達が話していた内容の更に詳しい情報を教えてくれた。

 こちらもスオメタルの魔導回路に記憶されたのは言うまでもない。


「いろいろありがとさん。……ところで、ここから直で自宅へ転移し、帰って構わないか?」


 ダンが転移魔法の「直帰」可否を尋ねると、

 またまたジャンから意外な発言が。


「ああ、構わん! そうだ、今度お前の家へ遊びに行っても良いか? ウチの娘がお前に憧れててな。念話で連絡するから、宜しくな」


「おいおい、構わんが、魔境は、この街と違って、な~んも無いぞ」


「何も無い? ふっ、そんな事はない。俺達猫族は犬コロほどではないが、相当鼻が利く。お前とスオメタルちゃんの身体から、美味そうな肉と魚の匂いがする」


 よく見るとジャンは鼻を「ひくひく」させていた。

 鼻が利くのは本当らしい。


 ここでスオメタルがフォロー。


「ああ、ジャン殿が嗅ぎ分けたのは魔境の鳥と鱒でございます。この前いろいろ料理、作ったでございますから」


「お~! 魔境の鳥に鱒か! そりゃ、美味そうだ!」


「丸々太った野生の鳥と鱒でございます。スオメタルは生まれて初めて鱒を食べましたが、即マイフェイバリットの端に加えました。超美味しいでございますよ」


「即マイフェィバリットで超美味しいか! ははははは、スオメタルちゃん、最高だな!」


 話は盛り上がり、若干予定の時間は過ぎたが……

 ダンとスオメタルは満足して、情報屋ジャンの隠れ家から引き揚げたのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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