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第40話「情報屋と会う元勇者」

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 午後2時30分過ぎ……

 ダンとスオメタルは無事?依頼を受諾、冒険者ギルドを後にしていた。

 例によって、ふたりは歩きながら念話で言葉を交わしている。


『ネリーさんって、変わり身も早いけど押しも凄く強いなぁ』


『御意でございます。ディベートの達人でもございますよ。わけあり案件が溜まりに溜まっている! 完遂可能なのは、貴方達しか居ない! お断り不可! とか無理やり押し切られてしまいましたゆえ』


『だな! まあ、……そこそこの報奨金に惹かれたのも事実だけど」』


『その通りでございます。頂戴出来る報酬、金貨800枚は、さほど大金ではございませぬが、まずまずでございますゆえ』


『なんかさ、俺達いつの間にか、未解決案件専門の冒険者みたいにされてたんだな』


『御意でございます』


『ええっと、ネリーさんから頼まれた依頼は王都近郊、約100年前に廃棄された古城でのガーゴイル退治か』


『はい、マスターと一緒に現自宅を探索し、ノーライフキングを倒したケースとほぼ同じでございますね。今回の依頼主は城を買い取ったキングスレー商会でございますよ』


『今までに50組のクランを含め、のべ200人以上の冒険者が失敗してるって言ってたな』


『御意でございます。先ほど私の魔導回路に記憶させたコメントによると、誰もが、ぎゃ~! いきなり石像が動くぅ! 武器も刃こぼれするし、魔法もきかない! もうイヤだ~と、真っ青になって逃げて帰ったそうでございますよ』


『それって多分……魔王軍にも居た、ゴーレム系の奴だろう。放っておけばその城を買い取った商会以外に実害はない。だから、けちな王国は兵を出さない……というわけだ』


『御意でございます。打ち捨てられた廃城を安く買い取り、リフォーム工事して……』


『うんうん』


『高級別荘に仕上げ、王都の貴族か、金持ち辺りへ売りに出す予定のキングスレー商会が困りに困って、報奨金を冒険者ギルドへ頼んだというのが実情なのでしょう』


『だな! それと、自宅の探索同様、城内に残っているモノは自由にお持ち帰りOKとか、一見太っ腹だけどなあ……』


『いえいえ、今回の場合も太っ腹は全く違います。何故ならば、廃棄されてから100年以上経ってるでございますよ。ウチの城と同様、散々持ち出しされて、どうせ何も残っていないという意味と同意でございます。とりあえず言うだけはタダという典型でございますね』


『だな! 万が一お宝があれば、超が付くラッキーだけど……まあ、からっぽだろうな』


『マスター!』


『おう』


『念の為、もう一度申し上げるでございます!』


『な、何? もう一度?』


『ガラクタは不要。ゴミになるだけでございます。一切認めませぬ!  拾っての持ち帰りは絶対に不可でございます』


『おっとぉ! やっぱビシッと言って来たか。厳しい……』


『何か仰いましたか?』


『い、いや、何も……りょ、了解! まあ、依頼の方は、ネリーさんから説明は充分受けて、メモも取ったし』


『私の魔導回路にもバッチリ記憶致しましたでございます』


『よっし! 万全だな! 指示書と地図も貰った。この後、情報屋に会ったら、今日の王都の用事はお終い。帰宅して、依頼を受けた古城には明日向かおう』


『了解でございます。……で、マスター』


『おう!』


『冒険者ギルドから、ず~っと男がふたりつけて来るでございます。捕まえて痛い目あわせてゲロさせるでございますか?』 


 スオメタルの言う通り……

 冒険者風の男ふたりが、100mくらい後をつかず離れずついて来ていた。

 はっきりとした尾行である。


『いや、もう約束の時間まであまりない。俺が奴らの心を読み、素性だけは確認しておく』


『御意でございます……スオメタルも奴らの人相風体、魔導回路に記憶したでございます。後で絶対捕まえてゲロさせるでございます』


『だな! 俺達がつけられて、情報屋のヤサがあいつらにバレないよう、適当な場所でまくぞ。しれっと転移しよう』


『ではその角を曲がった場所で一気にダッシュ、即座に転移。入った先の路地には人の気配がありませぬゆえ』


『おう! じゃあ、カウントダウン、3、2、1、ゼロ! ダッシュ!』


 ダンとスオメタルはいきなり駆けだした。

 慌てて、尾行している男ふたりも追いかける。


 ダン達は鋭角に曲がり、小さな路地へ入った。

 男達も速度を上げ、路地へと入った。


「あ!」


「くそ! 逃げられた! あいつら、ウチのクランへスカウトしようと思ったのに」


 男達は悔しそうにうめいた。

 そう、路地には誰も居なかった。

 ダン達の姿は煙のように消えていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 午後3時……

 ダンとスオメタルが訪ねた『情報屋』の家は、

 一見何の変哲もない民家であった。


 周囲に人影はない。

 おもむろに、ダンは近付いて扉をノックする。


 扉の向こうに気配が生じ、何か言葉をかけて来た。

 どうやら合言葉らしい。


 ダンが慣れた様子で、短く言葉を返すと扉がゆっくり開いた。

 

 扉が開いた向こう側には、

 こざっぱりした身なりをした若い男がひとり立っていた。

 まだ10代で、少年と言って良いかもしれない。


 少年は立っているダンとスオメタルを認め、さっと一瞥すると、

 あごをしゃくり「中へ入れ」と指示した。


 先頭に立った少年はダンとスオメタルを一番奥の部屋へ案内した。

 この部屋に家の主、情報屋が居るようだ。

 扉をノックする。


「ジャン様、連れて参りました」


「よし! 入れ」


 ダンとスオメタルが促され、部屋へ入ると、書斎のような趣きの部屋である。

 両側の壁が書架となっており、新旧様々な書物が置かれていた。

 地図関係が多いようだ。


「おい、お前は下がって良いぞ」


「は!」


 案内した少年は良く指導されているらしく、礼儀正しい物腰で頭を下げ、退出していった。


 ジャンと呼ばれた男も若い。

 20代半ばという感じだろうか。

 重厚な机には、数枚の書類が置かれていた。

 何か調べ物をしていたようだ。 


 椅子に沈めた痩躯の身体を漆黒のブリオーに包み、

 妖しく光る金茶色の瞳をダン達へ向けていた。

 

 いきなり、ジャンは念話で話しかけて来る。


『ふっ、来たか、ダン。時間通りだ』


 ジャンは擬態しているルウの本名を口にした。

 対して、ダンも全く驚かない。


『ああ、約束通りぴったしに来たぜ、ジャン』


 ふたりの若い男は、見つめ合うと、互いに「ふっ」と苦笑したのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


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