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第38話「わけありと変わり身①」

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 二軒目の店以降……

 ダンとスオメタルが買物で行く店、行く店が、『勇者の噂』で持ち切りだった。


 魔王を倒した事と、不可解な追放で、人々は勇者ダンに大いに注目していた。

 噂は良いモノ、悪いモノ様々、多種多様であった。

 

 最初はいろいろと念入りに、用心深く探りを入れていたのだが……

 あまりにも多い!

 なので、ダン達はいちいち反応する事をやめた。

 考える事もやめた。

 

 いろいろざっくりと聞いたが……

 ありもしない『幻の財産』を狙う盗賊らしき存在以外は、

 大至急で対応する必要がない。


 全ての噂をスオメタルの魔導回路に記憶させた。

 なので、帰宅してからじっくり精査、分析する事を決めたのである。


 さてさて!

 買物も終わり、今日のランチも終了。

 ランチは……

 ダンの提案通り、露店のハシゴだった。

 いわゆる食べ歩きである。


 市場にはたくさんの露店が毎日威勢の良い声で、食欲をあおるよう、

 巧みに言葉を投げかけて来る。


 王都の人々は、五感に訴える様々な刺激に釣られ、

 つい手を伸ばしてしまうのだ。

 

 串焼き肉、揚げ肉、ミートパイ、パテ、ラグーなど……

 食欲旺盛なダンとスオメタルは、目移りしてあれもこれもと、

 い~っぱい食べてしまった。

 

 最後に果実を絞ったジュースを飲むと、

 珍しくデザートが食べられなかったほどである。


『わぁお! 凄く、美味しかったでございます!』


『だな!』


『買い物もめぼしいものは、無事購入出来ましたし、全くのノープロブレムでございます』


『うん、良かった、良かった』


 美味しいものをたくさん食べ、スオメタルは機嫌がすこぶる良い。

 ダンも「うんうん」と気分よく頷いていた。


 しかし、ここでスオメタルが何故か『ジト目』となる。

 疑いの眼差しかもしれない。


『でも……』


『え? ええっ? で、でもって! な、何?』


『珍しくマスター、ゴミ集積場やリサイクルショップへ行かないと思ったら……』


『お、お、思ったら、な、何?』


 いきなりの突っ込み。

 やはりダンの行動は、しっかりとチェックされていた。


 ダンの顔を凝視するスオメタル……


『あれ? マスターが発する魔力の波動が大いに乱れているでございます』


『え? み、乱れてる? そ、そ、そうかな?』


『はい、見た目もきょどっているでございますよ、マスター。それにだらだらだらと……滝のように、マスターの額に汗が流れ、完全に動揺しているのが、凄~く怪しいでございます!』


『う~……そ、そ、そ、そ、そうかなぁ?』


『ですが、う~ん。とりたてて今日の行動に不審な点はございませんし……』


『ないない、ないな~い! ふ、不審皆無、怪しくな~い!』


『その慌てぶり……非常に怪しいでございますねぇ……たとえば、スプーンいっぱいあるのに、金物屋さんで、何故にたくさん買ったでございます?』


『い、い、いや! ほ、ほら! あ、新しいスプーンを使いたいと思ってさ。ほ、ほら、美味い食事を摂る際、き、気分がリフレッシュするだろ?』


『いえ! 今あるものは、まだまだ使えるでございます。むむむ……何故か、金属フックとかもいろいろと、い~っぱい買ったでございますよね?』


 スオメタルは「ぐいぐい」迫って来る。

 ダンの滝汗も、だらだらだらと止まらない。


 こうなったら……

 ダンはスオメタルと、約束するしかない。

 それしか収拾がつかない。


『城に帰ったら分かるって! スオメタルも絶対喜ぶって! 保証する!』


『ふうむ。スオメタルが喜ぶ? 保証する……でございますか? じゃあマスターを信じるでございます』


 そんなこんなで、念話のやりとりが盛り上がっているうちに、

 ふたりは、冒険者ギルド王都支部へ到着した。

 

 時間は午後0時30分過ぎ。

 業務カウンターは多分昼休み。

 だが、午後1時の業務開始とともに並ぶつもりだ。


 正門の守衛に挨拶し、しれっと1階フロアに入るダンとスオメタル。

 当然だが……

 完全に擬態しているから、正体がバレる気配はない。


 と、その時。


「あ~!! 久々にぃ! わけありクラン来た~!! やった~!!」


 ダンとスオメタルの姿を見つけ、ひとりの女性職員が絶叫すると、

 脱兎の如く、駆け寄って来た。


『はあ? わけありクラン?』


『私達の事みたいですが、どういう意味でございますかね、マスター』


 ダンとスオメタルが首を傾げていると、 

 ふたりの傍らに立った女性職員は、身を乗り出し、ぐいぐい迫って来る。


「待ってたよぉ! 私の事、憶えてるよね!」


「はあ、何となく」

「確か、冒険者ギルド王都支部、特別渉外担当のネリーさんでございましたか?」


「そうよ! 特別渉外担当のネリーでっす! 久しぶりだから聞くわね。ええっと貴方達は、ルウさんとツェツィリアさんよね?」


 ネリーはダンとスオメタルの『偽名』を口にした。

 ここは当然、肯定するしかない。


「はあ、そうです」

「その通りでございますが、何用でございますか?」


「じゃあ、こっち来て! 早く!」


 ギルドの職員ネリーは……

 別人の冒険者に擬態したダンとスオメタルをもどかしそうに促し、

 業務カウンターへ連れて行ったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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