第35話「断る×8」
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ここは勇者タウンの外れ……
魔法障壁越しに制止するスパルトイ軍団をタバサを完全スルー。
大声でわめくよう咆哮していた押しかけアルパッドであったが……
呆れ顔のダンとスオメタルが来たのを見て、やっと咆哮をやめた。
そしてダン達を含め、全員の前で『人化』する。
いわゆる人狼の人化である。
アルパッドの身体のシルエットがぼやけて行く。
初めてアルパッドに会った時は、半狼半人の姿だったから、
彼は3形態を使い分けられるという事となる。
あっという間に人化が終わったアルパッドは……
15,6歳の短髪でたくましい黒髪の少年の姿となった。
ダンに、ほんの少しだけ似ていないわけでもない。
そして何と!
アルパッドはダン達へ向かい、魔法障壁ごしに土下座した。
さすがにダンとスオメタルは駆け寄った。
人化しても、アルパッドとの会話は念話である。
ちなみに魔法障壁は、物理魔法とも弾くが、
念話だけは通る仕様となっていた。
『おいおい、どうした?』
『こいつ、またも無理やり、ストーカーでございますか?』
しかしアルパッドは無言で、土下座したままである。
『…………』
当然、ダンとスオメタルは焦れて来る。
『黙ってたら、どうしたいのか分からんぞ』
『さっさと用件、言うでございます』
しかし、何故かアルパッドは無言のままだ。
『…………』
『勘弁してくれよ』
『……いい加減にしないと、ぶち殺すでございます』
再三の通告を無視された、
ダン達が切れそうになった瞬間。
『兄者達から叱られ、メシ抜きにされて、ぺこぺこに腹減ったんす~~!! 何でも良いから、食わせてください~』
絶叫したアルパッドはまるで蛙のようにべったりと、
四肢を伸ばし、見えない魔法障壁にしがみついたのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
アルパッドは相当空腹だったらしい。
魔法障壁を解除し、敷地内で農業用の作業台に食器を並べ、
ダンとスオメタルが食べきれなかった『鱒ランチ』の残りをぱくついていた。
ちなみに犬族に塩分は禁物なので、魔法で完全に塩抜きをしていた。
『激うっま!』
アルパッドのコメントを聞いたダンが苦笑する。
『おい、スオメタル。あいつ、お前と同じ感性持ってるぞ』
しかし固く腕組みをしたスオメタルは、冷たい目でダンをにらんだ。
『……はあ? 何か、おっしゃいましたでございますか、マスター』
『い、いえ! 何でもありません!』
そう、スオメタルは超が付く不機嫌なのである。
食べ物の恨みは怖い!
スオメタルが「夕食の楽しみに!」と決めていた、鱒料理の残りを、
いきなり押しかけたアルパッドが『横取りする形』となったからだ。
最初ダンはアルパッドを城内へ入れようとした。
城の大広間でメシを食わそうとしたのだ。
しかしスオメタルの超が付く炎のような猛反対で、現在の状況となった。
やがて……
鱒料理を食べ終わったアルパッドは満足そうにため息を吐いた。
そしてダンとスオメタルへ深く礼をすると、またまた土下座。
衝撃の言葉を発したのだ。
『勇者ダン様! スオメタル様! おふたりは凄い!』
『はあ』
『……何でしょう? メシ食ったらさっさと帰って頂きたいでございますけど!』
『貴方様方が、魔王デスヘルガイザー様を瞬殺した救世の勇者様、そして、ともに戦った美貌の従士様とは露知らず、失礼を致しましたあ~っ! ひらにひらに、ご容赦を~っ!!』
『良いって、そんなん、もう帰ってくれよ。メシをたっぷり食わせただろう』
『ストーカーワン公! 速攻ゴーホームでございます!! いきなり押しかけた上、飯食わせろなんて! もうウチには出入り禁止でございます!』
しかしアルパッドは、ダンとスオメタルを華麗にスルー。
一方的に言い放つ。
『さすがは勇者様と、従士様。不死者どもを従え、何もないこの地に素敵な街まで造り上げてしまうとは! 感動致しましたっ!』
『はあ……』
『感動? だから、何をどうしたいのでございますか』
『お聞きくださいっ! この人狼第三王子アルパッド! おふたりに一生忠実に仕えまぁす!! そして、ででで、弟子にもしてくださぁ~い!! 鍛えて強くしてくださ~い!!』
『はあ!? 一生仕える? 弟子? 鍛えて強くしろ?』
『コイツ、ただ飯喰らった上、何寝言、言ってるんでございますかっ!』
アルパッドからの、想定外の懇願に戸惑うダン達。
しかし、すぐに答えは出た。
次のひと言が、アルパッドの墓穴を掘ったのである。
『ダン様! スオメタル様! ぜ、ぜひ! ご自宅の城に住み込みでっ!!』
『だめ! 俺達の城に住み込み断る! そんなんOKしたら、俺がスオメタルに殺される!』
『絶対断る! 断る! 断る! 断る! 断る! 断る! 断る~~~!!』
『え~~!!!』
落胆の絶叫がこだました。
住み込みで、家臣としてダン達へ仕える、そして弟子になりたい!
アルパッドの切ない願いはあっさり却下されたのである。
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一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
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最後に、連載中である
「帰る故郷はスローライフな異世界!レベル99のふるさと勇者」《連載再開しました!》
「絶縁した幼馴染! 追放された導き継ぐ者ディーノの不思議な冒険譚」
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