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第34話「二度ある事は……」

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『うっわぁ! たらふく食ったぁ~』

『もう! さすがに食べられないでございます』


 ランチを開始して、1時間後……

 ダンとスオメタルの動きが止まっていた。

 椅子に座ったまま動かない。

 

 また、ふたりともお腹をさすり、息が荒い。

 そう満腹状態なのである。


 いつもは食後に楽しむ紅茶も、お腹いっぱいで全く飲めない。

 恐る恐るダンはテーブルの上を見た。


 レモン付き塩焼き、香草焼き、フライ、唐揚げ、ムニエル、そしてスープ。

 テーブルの上には、食べきれなかった鱒料理が、まだまだたくさん並んでいた。


 ダンは頭を抱え、叫ぶ。

 深い自戒の念を込めて。


「う~! 失敗したぁ~! 調子に乗って、料理作り過ぎたし、食べ過ぎた~。でも! まだ残ってるぞぉ~」


 しかし、このような時、女子は動じない。

 更に、悪魔と激戦を繰り広げたスオメタルはより打たれ強いのだ。


 無敵のオリハルコンとミスリル合金の超ボディだけでなく、

 心も硬度ナンバーワンの、ダイヤモンドハートなのである。


「いえ、マスター! 全然構いません、残った分は未調理分も含め、夕食に回しますゆえ。逆に夜が大いに楽しみでございます!」


「うわ! もしかして夜も鱒料理?」


「はい! 当然でございます! スオメタルは今、食の喜びに満ちあふれているでございます。マスターが作ってくれた鱒料理は至高の幸せを与えてくれるでございます」


 スオメタルがきっぱりと言い放った、その時。

 外で狼の咆哮が轟いた。


 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


 これは……

 人狼の咆哮である。

 という事は……


「おいおい、聞いた事のある声だぞ。魔法障壁のそばまで来て騒いでいるようだ」

「マスター、あいつでございます。人狼のアルパッドでございますよ」


 スオメタルが咆哮の主を認識すれば、またも咆哮が響く。

 

 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


「ああ、そうだ、アルパッドだ」

「あいつぅ! 性懲りもなく来たでございますかぁ! 二度ならずこれで三度目でございます。しつこさナンバーワン! ストーカーのクソワン公でございます!」


 スオメタルが小さな拳を振り上げると同時に、またもまたも咆哮が!


 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


「一体、何の用だろう? ああ、そうか……以前会った時、渡すと約束した鱒でも取りに来たのか」

「でもマスターは、自宅までは教えてないはずでございます。やっぱり、あいつは超が付くストーカーでございますね」


 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


 ふたりが話している間も、アルパッドは何度も吠えまくる。

 まるで、居留守をとがめる押し売りのようであった。


 魔法障壁があるから、敷地内へは入って来れない。

 

 しばらく放置し、スルーして、アルパッドが諦めて帰る事を期待したが……

 どうやら望み薄である。


 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


「何だよ、何度も何度もしつけ~な! でもあの咆哮は何て言ってるんだ。興奮しすぎててよく念話が聞こえん。お願いしま~すみたいな波動は感じるが」

「ぬぬぬ! 相当うるさいでございますね。ウチの他に住居はありませんが、完全に近所迷惑でございます」


 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


「う~ん、困ったな」

「……ええっと、念話で直接話すのが絶対に嫌なので、今、翻訳機を稼働しました。たのも~っと言ってるでございます」


 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


「たのも~って……何か、すっご~く嫌な予感がするな」

「スオメタルも激し~く同意……で、ございます」


 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


 相変わらずアルパッドの咆哮は続いていた。

 ダンがこぼすように、ひどくしつこい。


 騒音に閉口しているのは、ダンとスオメタルだけではなかった。

 

 念話で、怒声、金切り声が聞こえて来る。

 殆どが男であるが、時おり少女の声も混ざっていた。

 どうやらスパルトイ達とタバサのようである。

 結構スラングが入っていた。


 言葉の汚さはさておき……

 セリフの意味としては、「うるさい!」「黙れ!」「帰れ!」等々、呼びかけているらしい。


 しかし、やはり効果はなかった。

 またまたアルパッドの咆哮が轟いたのである。


 わおおおおおおおおん!

 わおおおおおおおおん!


 だが……

 このまま放置もしていられない。

 ダンとスオメタルは、苦笑しながら城の外へ出たのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。


※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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