最終話
あれから俺は、あの子のギターを持って、夜の街で演奏をしている…いつか君に会えそうなが気がしたから…
涼子は好きになった男を追い掛けて行き、この街にはもういないらしい…恋に生きるって決めたんだろう(笑)意外と情熱的な女だった…
真也とは会ってない…ただ怪我は治り、あいつの右手もそれなりに動くようになったみたいだ…今はバンドのメンバー探しに必死で、きっと新しい毎日を模索してるんだろう…
相変わらず俺は無職の冴えないバンドマン(笑)まあ他にメンバーもいないし、当分、バンドを組むつもりはないから、ただの弾き語りだ…
そう言えばあのカセットテープ…
誰が歌ってるのかは分からないけど、最近よく聞いてるんだ…
たしか曲名が「夏の憂鬱」だったと思う…
結局、君に会う事は出来なかった…あの夏も二度と戻ってこない…
お互いに愛し合っていたのに、俺達は駄目だった…助ける事も出来なかった…君を見送る事も出来なかった…
いつか…真也と君と俺の三人で、またバンドの話でもしたいな…
最近、思うんだ…
こんな俺でも…この先、真面目に就職して、誰かと恋をして…結婚して、素敵な家庭なんかを築いたりするのかなぁって(笑)まぁ未来の事なんてまだ解らないけど……いつか俺が年老いて、死ぬ瞬間が近付いた時には君の事を思い出すだろう…
だから精一杯、今を生きる事にした…何処かで偶然、君と出会っても胸を張れるように…
私の妄想とも言える、素人の小説も完結を迎える事が出来ました。数少ない読者の皆様、最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました、また感想など頂ければ幸いです。
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