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第十三話

…ありがとうって何だよ!?…

まだ何もしてないよ…

何もしてあげられなかった…


この手紙で終わりなのか!?違うよな!?


俺があんな男に殺される訳がないだろ!


何でだよ…


俺の事なんて守らなくて良いよ…


たまには自分の事も考えろよ!人の心配ばかり考えやがって…俺達はこれからだったのに…

一緒にバンド演るんじゃなかったのかよ!?



笑えないよ…俺の関係のない場所で勝手に話が進んでるよ…


どうしたら良いんだろう!?今更、真也にも会わせる顔がない…どうすれば良い!?


あの子か!?あのキーボードが出来るって言ってた…



俺は慌てて部屋に戻り、必死に探した…あの小さなメモを!



そのメモには真也の住所と一緒にあの子の名前と住所も書いてあった…

上原涼子…



俺は直ぐに会いに行く事にした…かなり迷ったが、アパートの数ある表札の中から「上原涼子」の名前を探し出した。


部屋を訪ねてみたが、どうやら留守らしい…他に方法はない…俺はアパートの駐車場で彼女を待つ事にした。




どれ位の時間が過ぎただろう…

「…俊一君!? 」


俺は言葉に詰まった…でも彼女に聞くしかなかった…



長い沈黙が続いたが彼女は話出した…

「俊一君…亜矢からの手紙、読んだんだね…

亜矢はバイトも辞めたよ…

きっと真也君にも迷惑掛けたくなかったんだと思う、亜矢が好きだったあの人は、本当にヤバイ人だったから…


俊一君…もう遅いよ…


亜矢はもうあの部屋には居ないよ…行き先は私にも解らない…多分、この街にはもういないと思う…」



俺は走り出した!



「俊一君!待って!

亜矢から渡してほしいって頼まれた物があるの!

俊一君!! 」


頭の中が真っ白になった…ただ走った…あの子の家まで…




……あの子の部屋には何もなかった…


俺は間に合わなかった…


なんだか俺の思い出も一緒に消えてしまいそうだった…


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