第十二話 手紙(4)
私は…君に会いに行くはずたった…
…初めて書いたヘタな詩を持って、あの駅で電車をまっていた…
辛い思い出でしかなかった、この駅もいつもとは違う景色に見えた。
これからは素敵な思い出がたくさんできるかなぁ…そんな事を考えてたら、早く君に逢いたくなった。
その時だった…
私の目の前を行き交う人達…その人込みの中からあの人の姿が…
もう私には関係の無い人だ…
私はあの人から視線を逸して、反対側に歩きだした。
それでもあの人は、私の腕を強く掴み、私を強引に駅の外に連れ出した…
私は必死にあの人から逃れようとした…でも無理だった…
駅の外にはあの人の仲間がいて、私は近くの路地に引きずり込まれ、三人の男に囲まれた…
最初は何も言わなかった…
ただ他の仲間と私を見ていた…見下したような視線で…
怖くて逃げ出したかったけど、今日で終わりにしたかったの…彼との関係を。だから私はもう一度、彼に別れたい意思を伝えた…
すると彼は急に険しい表情になり、私に向かって話だした…
「お前、何か勘違いしてない!?
嫌いになったとか、別れたいとかの問題じゃねぇよ!
お前は俺の物なの!俺の私物なの!お前の気持ちなんか関係ねぇよ!
どうせお前は俺がいないと駄目なんだよ!そーだろ!?」
私ってこの程度の女として扱われてたんだって思い知らされた…
自分に負けそうだったけど、君の事を想うとがんばれたよ。
だから私は何度でも言った、別れたい、終わりにしたいって叫び続けた…
「お前、うるせいよ!
どうせ他の男でも好きになったんだろ!?
そっちでも二番目か!?
なんでも良いけどさぁ…
お前なんてどっちでも良いけどさぁ…
なんかムカつくんだよね…
別れてやっても良いけどさぁ…お前の幸せは認めねぇ(笑)
条件付きだな(笑)
そうだな…俺と別れた後…その男には二度と近付くな!もし近付いたら、お前、殺すぞ!
ん〜…違うなぁ…
お前みたいな女は平気で自分を犠牲に出来るもんなぁ!?
辞めた!お前は殺さない(笑)
もし近付いたら、その男、殺しに行くわ!
お前の大切な人をな(笑)これは脅しじゃないよ、俺は本気で殺しに行くからな(笑)
じゃあなぁ!馬鹿女」
あの人は本当に危ない人だから…私はどうなっても良いけど…君を犠牲にはできない。
私が君の前から姿を消せば、全てが終わるから…君は私を助けてくれた…辛いだけの毎日から…そして笑顔をくれた…
だから今度は私が守ってあげる(笑)
今までありがとう」