第十一話 手紙(3)
その数日後…
あの人からの電話が鳴りだした…私の中ではもう過去の恋だった…
だって私は二番目の女だし、あの人には私なんて必要の無い女だって分かってた!それに今の私には君がいてくれたから。
だから私はあの人に別れを告げた…あの人は納得してくれなかった…きっと自分が待たされるのは嫌いで、都合の良い女をいつまでも束縛したいんだろうなって思った…
それからもあの人からの電話は鳴り続けた…
…私って結局、待ってるだけの恋が好きなのかなぁ…違うよね…そんな悲しい恋しか出来なくなってたんだよね…私は君と出会った!だから私は変わるんだ!
でも、待つのは得意だったから(笑)
今までも、ずっと待たされる恋をして来た…君と会えないのも普通だって思ってた…
でも君は…
会いに来てくれた…
ギターを持って会いに来てくれた。
私にとっては初めての経験だったの、好きになった人が会いに来てくれるなんて…だから私、自分でもどうしたら良いのか分からなくなって…「なんで来てくれなかったの!?」って言っちゃったんだよ(笑)
私の弾き始めたギターを聴きながら、君は苦笑いしてた…あれでも頑張ってたんだよ(笑)
私からギターを取り上げて、君は教えてくれたよね…バンドを始める為の道標を。
辛いだけの毎日が、少しずつ変わってきた…
時間があれば詩を書いたり、バンドのメンバーを探したりしてた。でも、バンドやってる人を探すのって難しいよね。結局、私の友達とバイト先の真也君しか見つからなかった…
それでも二人を紹介しようって思った、メンバーはまだ足りないけど…
とりあえずは君に会えるから…
メンバーが四人になった…ライブハウスに集まり、私と君のバンドが動き出すんだって思った…
でもダメだった…ごめんね…あのライブハウスには行けなかった…