表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/61

森の中の救出劇2

リリーナ・レギンは瞬きをした。



「……えっ?」



目を開けると先程までいた男は目の前からいなくなったいた。



「大丈夫ですか?」



目を白黒させていると、近くに別の男、いや、青年が立っていた。

少年は少し長い黒髪にすらりとした身長で、奇妙な服を着ていた。

リリーナは反射的に答える。



「はい。あの、あなたは……?」



「僕は大和 光と言います。無事でよかった。無事……といっていいですかね……?」



リリーナは口ごもる青年を不思議に思いつつ、青年の視線が自分の胸元を泳いでいるのを見てはっと今の自分の格好を思い出した。


リリーナは頬に血がのぼるのを感じた。

自分と年の近い青年に、決して小さくない2つの果実を隠すものなく見せてしまった。

リリーナはこういうことに耐性はなかった。


さっと胸元を隠し、しかしさも気にしていないかのように振る舞う。



「大和 光さん、ここは危険です!はやくお逃げください!!」



リリーナには青年が強くは見えなかった。

武器も持っておらず、このままでは一緒に殺されてしまうと思った。


しかし、目の前の青年は先程の奇跡の景色に少し恥じらいつつ場違いなことを言った。



「大丈夫です。それよりも、あなたの名前を教えて下さい。」



「なにを行っているのですか!?この光景が見えないのですか?はやく逃げないと、やつらが正気を取り戻します。やつらがあっけにとられているうちに、はやく逃げるのです!」



焦る様子のない青年に、リリーナは必死に伝える。

関係のない青年を巻き込んでしまった申し訳なさが、王女としてのプライドがそうさせた。


しかし、目の前の青年は焦った様子もなく、そして力強く言った。



「大丈夫です。ぼくはあなたを助けます。安心してください。」



「……なにをっ」



目を見て、力強く言ったその言葉に、リリーナは戸惑った。

しかし、続く言葉は賊によって遮られた。



「おい、ガキ!てめぇなにしてくれてんだ!!なめたまねしやがって!!」



光を殺そうとしていた男が言いながら、こっちに近付いてきた。

リリーナは慌てるが、目の前の青年は焦る様子もなく、言った。



「おっと、先にあっちを片付けましょうか。お名前は後で教えて下さい。」



「……待ってっ!」



リリーナは青年をとめるが、

青年は賊の方へと向きなおった。




リリーナは、屈強には見えない青年の背中を見つめた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ