ハードボイルド刑事は今日も美女を救う〜なんでだ!全然持てねぇじゃねぇかこんちくしょう〜
途中まで本当につまらないですが最後まで読んでいただけると意味がわかると思います。
トレンチコートにサングラスをした男は、西日が鋭く差す薄暗い部屋の中で窓の外を眺めていた。
彼の目には夕日に向かって黒煙を吐き出しながら風を切る、蒸気機関車がぼんやりと映っていた。
男は口に加えていたレイリー散乱によりほのかに紫の色をした煙をくねらせる少し曲がったタバコを吸い込むと、その目に映る蒸気機関車の黒煙とは真逆のミー散乱によって真っ白になった煙をゆっくりと吐き出した。
「先輩、今日はもうお帰りですか?こないだの事故の件で手伝って頂きたいのですが…」
男はひょうきんな顔をした、自分よりいくらか若い後輩の顔を一瞥し答えた。
「俺が真面目に仕事するときはな、刑事辞めるときだよ。」
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「あいつがどんな男かって?」
男の馴染みの店の店主は、ニヤリと笑いながら答えた。
「奴は正真正銘のハードボイルドさ。」
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馴染みの店で男はグラスを煽っていた。
「マスター、おかわり」
「あいよ」
「この一月の間で何か変わったことはないか?」
「すまねぇな、それなりの情報はこの店になら集まると思うが、生憎特にねぇと思うがな。」
「だが、オメェさんは変わらねぇな。」
男は何も言わず、新しく注がれた芳醇な香りのそれを一気に飲み干し、熱く燃える食道の余韻を少しの間楽しんでいた。そして、金をカウンターに置くと「釣りはいらない」と、ボソリとつぶやきコートを翻して店から出ていった。
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鉄板で舗装された道をカツカツと音を立てながら、一人の男が歩いていた。
「キャーーーーー」
唐突に女の叫喚が響き渡る。
男は、すぐ様その声の聞こえた裏路地に飛び込んだ。
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ナイフを持ち、いやらしい表情を浮かべた二人の男と赤いステンカラーコートを着たブロンドの髪の女が立っていた。
「おいおい、こんなとこで何やってんだい姉ちゃん?暇なんだよ、楽しいこと付き合ってくれねぇか?ふへへ」
男のうち一人がいやらしい顔のままそんなことを言った。
「待ちな」
静かに男の声が響いた。そして、
パンッ
乾いた銃声が響き、この街のエネルギーである蒸気を輸送する配管から高温の蒸気が噴き出す。
「次はお前の頭から真っ赤な蒸気が噴き出すぜ。」
「何だてめぇ、かまうもんかやっちまえ!」
男は何も言わず引き金を引いた
ーーーーパンッ。
しばらくしたあと女は消え、まだ白い蒸気を吐き出し続ける配管と
ーーーー血みどろの光景が残っていた。
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「うううっ」
男はかろうじて残っていた意識の中曲がったタバコに火をつけた。
「刑事もやめ時だな」
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男が放った弾丸は別の配管に穴を開け白い蒸気を吐き出させていた。
ボコッドスッゲシゲシッ
そしてそのまま二人の男にリンチされていた。
女はその隙きに逃げ出しており、二人の男達もしばらくして男の反応がなくなると飽きたのか立ち去っていった。
ーーーーこうして男は今日も美女を救った。
その努力が報われることはないが。
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「あいつがどんな男かって?」
男の馴染みの店の店主は、ニヤリと笑いながら答えた。
「奴は正真正銘のハードボイルドさ。」
「しっかりとのぼせあがっているんだよ。ハードボイルドぶってる自分によぉ。」
「あいつが変わったのは1ヶ月前からだぁ。突然似合わねぇサングラスとトレンチコート着はじめてよぉ。」
「「今日から俺は刑事だ。」とか言い出すんだぜぇ。あいつ交通安全課なのによぉ!」
「極めつけは、あれだ!いつもの。突然定食屋のうちで言い出すんだぜぇ?うちは毎日料理ちげぇっつうの!なんだって聞いたらちっちぇ声で「ほうじ茶」だってよぉ。あいつ酒飲めねぇから!最高に傑作だろ!」
「彼女に振られたのから立ち直ったら刑事辞めるんじゃねぇの?そしたら、まずは働かねぇあいつの尻拭いさせられてる後輩に一杯奢らせなきゃな。ほうじ茶をさぁ!」
正直にいいます。筆者はハードボイルドな作品を読んだことはありません。
ヘミングウェイもロジャーもハメットも、ゴルゴ13すらも…
ファンの皆様には申し訳ありません。足を向けて寝られません!(ちなみに筆者はいつも北に足向けて寝てます。)
お怒りの感想で埋まらないことを祈って末尾とさせていただきます。
真面目な連載作品もありますのでご興味ございましたらご一読頂けますと幸いです。