裸の動物たち
ぼくらは皆んな、
裸で生まれてきた。
成長すると、
高価な物を身に纏う。
高ければ高いほど、
凄い人や立派な人に見える。
裸で生まれた事を忘れていく…
家に帰ると裸になる、
それが本当の姿なのに。
人が集まる場所へゆく…
裸の人など見当たらない。
そこに居るのは、
清楚に見える人ばかり。
価値観を見せ合う場所の様、
ココはまるで人間園。
人が人を見物する場所、
裸を隠して装う場所。
動物園の動物たち、
皆んな裸で生まれてきた。
成長しても裸のまま…
そのままで生きている。
人に見られて笑われて、
裸のままで居るだけなのに。
自然の中の動物たち、
皆んな裸で生まれてきた。
成長しても裸のまま…
心は自然で強くなる。
これらの動物たちを、
人間園へ連れて行こう。
指をさして笑うだろう、いや…
笑うどころか興味が無い。
装う価値観の人間たち、
つまらない動物たち。
裸の心を持つ動物、
人間もその時は素直になる。
泣いて叫んで吠える時、
裸の気持ちはホントの姿。
ぼくらは皆んな、
裸のままで生きたい筈なのに…