詩集4編
『まっかな保冷瓶』
ゆきいろみちに
まっかな保冷瓶落ちてた
あたし、それ、目にして
ひび入ってるって思ったの
銀世界のなかで赤い保冷瓶は、めに強く飛び込んできたけど
きっと、ひび入ってるって思ったの
まっかな保冷瓶蹴りたい衝動のなかで
あたし、ぽっかりひとり
ねぇ、どうして、ひび入ってるって思ったのかな
**
『とても薄っぺらい』
とても薄っぺらいものを見ている気がする
夢の国に居るみたいだ
どこに居ても夢の国なのか
ひどく薄っぺらい
**
『青い溶岩』
そらは、ひらく
青い溶岩は、どろりと溶ける
私は、見開いた目で、それを見つめる
風が囁く
鳥は鳴く
私は、ただ項垂れて
**
『赤く焼けたさかな』
さかなは、やけている
あかくあかく溶岩のようにやけている
さかなは今にも焼き付いてしまいそうだ
こおるよりはよいでしょう
天はさけぶ
鳥はなく
赤いさかなは、ただただ焼き付く様を
自らの身体が燃えつくさまを
ただただ確認している
さかなは、わらいたい
さかなは、ただただわらいたいのだ
焼き付く様を確認しながら
さかなは燃えつきるそのときまで
ただただわらいたいのだと
**
『赤』
赤が追いかけてくる
私、足早に逃げる
不思議とかなしむ
ふとみやると
赤は、傷だらけで
私は、後悔で青に染まる
この作品の中の一つ、『赤く焼けたさかな』の、挿絵は、檸檬 絵郎 様から、頂いた、ファンアートです。とても、可愛らしい、そして、優しくも、力強く、あかるくわらおうとする 赤いさかな に、
私は、とても、心を奪われました。
彼が、とてもひたむきな眼差しをしている気がして。大好きな、赤いさかな です。
こちらの作品に挿絵として掲載してよいと、檸檬 絵郎様から許可を頂けたときは、本当に、凄く嬉しく、
有難い気持ちになりました。
素敵な作品を、本当に、有難う御座いました。
2018 3/8 22:22
藤 菊