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水魔法を習得するようです

宿に帰った僕はお風呂に入った後、晩御飯を食べていた。


「ジュンちゃんが戻ってきてくれて安心したわ、それで、今日はどれくらい狩ったの?」

宿の女将さんであるレイアさんは僕が帰ってくるとホッとした表情を浮かべてそう言った。


「それはあまり言えないです…」

僕が今日狩った量はやっぱり異常だったみたいだからあんまり言いたくはない。

アレクさんの時は普通かも、とも思っていたし、換金してもらわなければいけないからどっちみち仕方なかった。


「そう、まぁまだ昨日冒険者になったばっかりなんでしょ?だったら狩れなかったからって落ち込むことないわよ。

ベテランの冒険者でも調子が悪い時はあまり狩れないこともあるみたいよ?」


そう言って励ましてくれる。

騙しているようで罪悪感が…

ホントはいっぱい狩れました、ごめんなさい。心の中で謝っておく。



「美味しかったです、ごちそうさまでした。」

「ジュンちゃん、明日からのご飯はどうするの?」


そうだ、オーク肉を渡そうと思ってたんだ。

さっきの会話で今日はあんまり狩れなかったことになってしまったから渡しにくいな。


「明日からもお願いしたいんですけど…」

「ん?どうしたの?」

「えーと、調理して欲しい食材があるんですけど、ここじゃ出せないので、食料庫に連れていってもらえますか?」

「ここじゃ出せないの?わかったわ、ついてきて。」

そう言ってレイアさんは歩き出した。




「今から出しますけど、驚かないでくださいね。」

そう言っても驚くとは思うけど、何も言わないで出すよりはマジだ。


「よくわからないけど、わかったわ。」


僕は大量のオーク肉をアイテムボックスから出した。


「これ、オーク肉よね。ジュンちゃん今日は狩れなかったんじゃなかったの?」

「ごめんなさい、答えにくいので、あまり聞かないでもらえますか。」

「こちらこそごめんなさいね、冒険者にあれこれ聞くのはマナー違反ね。

それでこれはいくらで売ってもらえるのかしら?」


「これからの食事代はこれで足りますか?」

「充分すぎるわよ」

「じゃあ食事代にしといてください。」

「わかったわ、食事代だけじゃなくて、宿泊費を足したらちょうどいいくらいだと思うけど…」

「宿泊費はもう払ってるので大丈夫ですよ。」


私もお金に余裕があるわけではないけど、それほど苦労してるわけでもない。


「じゃあ部屋に帰りますね、おやすみなさい。」

「ありがとうね、おやすみ。」





翌日の朝御飯にはオーク肉が入っていた。

朝から肉を食べるのは少々キツかったが、美味しかった。



ランクを上げるのが当面の目標だ。

そのためには自分と同ランク以上の依頼を30件達成したらいいらしい。しかし受注できるのは自分のランクとそのランクの1つ上と1つ下だけらしい。

自分の実力では到底達成できないような依頼を受けたら危険だし、自分の実力よりはるかに下のクエストを独占でもしたら初心者の冒険者が育たなくなってしまうとのこと。


なので冒険者ギルドで初心者の森でランクGの討伐系の依頼をあるだけ受注しようとしたが、オークとウルフの依頼書は説明された通りだったが、ゴブリン討伐だけは少し違った。


「この依頼書は剥がさずに貼ったままにしておいてください。」

と書かれていた。


なんでもゴブリンは数が多く、他のモンスターより被害が大きいため、見つけたら討伐をしてもらうためだとか。


それにしても昨日のステータスのことといい、僕が冒険者になった時に担当していたあの受付嬢はかなり説明してないことがありそうだな…。


まぁこの件は僕にとってはありがたい。

なにしろオークやウルフは上限があるけど、ゴブリンはどれだけ狩っても依頼を達成できるからね。


今日は一日中モンスターを狩る予定だ。

昼ご飯はアイテムボックスに入れてある。

こないだ気付いたんだけど、僕のアイテムボックスには時間停止の機能があるみたいで、入れておいた食料はできたてのまま取り出せる。




軽く走って森に向かうと、10分くらいで到着した。

よくわからないけど、時速80kmくらいは出ていたと思う。

そんな速度で走ってもまだ本気ではないし、ほとんど息が乱れていない。

やっぱりこの体は反則だな…。

まぁ自重する気は一切ないけどね。


まず依頼を受注した分だけウルフとオークを狩り、その後はひたすらゴブリンだけを狩ろうと思っている。

ゴブリンなら数も多そうだし、繁殖力も強そうだから僕がどれだけ狩っても大丈夫だろう。

他のモンスターを本気で狩り尽くすと、他の初心者の冒険者が育たなくなるかもしれない。

それは僕としても避けたいからね。


森に入るとすぐにウルフが4匹ほど見つかった。

幸先がいい。

4匹全てを気付かれることなく、軽い風魔法1発で倒した。

もう奥の木々をなぎ倒すようなことはしない。

完全に風魔法はマスターできたと思う。


次は水魔法でも使ってみようかな。




ウルフの次に出会ったのはゴブリンだった。

数は6匹

ちょうどいい、水魔法を使ってみるか。

まずは風魔法で5匹を倒して、1匹だけ残す。

残った1匹は僕の声に反応して、こちらに向かってくる。


水魔法が風魔法と同じ感覚で使えるものだとしたら、6匹いても戦力的には全く問題ないとは思うが、あの気持ち悪いゴブリンが6匹同時にこちらに走ってくるのを想像すると、とても冷静に対処できる気がしない。


水魔法はやっぱり「ウォーター〇〇」だよね。


「ウォーター!」

手のひらから魔力が抜け、水が出てくる。

この呪文で間違いないようだ。


(水魔法の方が風魔法よりわかりやすいな、こっちを先に試しておけばよかった。)


そう思いながら水を出すのを止め、槍状にし、圧縮する。

水槍が長さ1mくらいまで圧縮した。

元の3分の1くらいの大きさになった。

ここまで小さくなるのか、まだ圧縮して威力を上げることはできそうだが、これでもオーバーキルだろう。


ズドォォォン!!


…案の定、後ろの木々までなぎ倒してしまった。

ゴブリンに関しては魔石ごと消えてしまっただろう、跡形もない。

これの威力調整は最初に出す水の量と、水の圧縮によってできそうだ。


最初に風魔法で倒した5匹の魔石を回収して、森の奥へと進んだ。




それからしばらくして僕は水魔法もマスターしていた。

もはやモンスター討伐は作業と化している。

依頼の分のオークとウルフの討伐が終わり、

ひたすらゴブリンを倒し続けること数時間、倒したゴブリンの数は優に300匹を超えている。

多分ランクFになるのには充分だ。

今日はもう帰ろう。


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