身体能力がハンパないらしいです
モンスターと戦います。
サーニャさん達にお礼を言って、宿に向かった。
毎度のことながらすれ違う人に一番安全な宿の場所を聞いた。
僕が宿についた時には辺りは暗くなっていた。
もう泊まれる部屋がないかもしれない。
もしそうなったら、さすがに今からまた宿を探すことはできないからサーニャさんにお世話になるかもしれない。
そんなことを考えながら入ると
「いらっしゃいませ!」
10歳くらいの女の子が出迎えてくれた。
ここの宿の娘さんかな?
まだ少し緊張している感じでかわいらしい。
「今から泊まれる?」
「はい、1泊銅貨75枚の部屋から銀貨3枚の部屋まであり、現在1泊銀貨1枚の部屋しか空いてませんがそこでもいいですか?」
「うん、そこでいいよ、とりあえず今日から7日間泊まらせてもらえる?」
「お食事はどうされますか?朝御飯が銅貨10枚で、晩御飯が銅貨15枚となります。」
「とりあえず明日の朝御飯と晩御飯だけお願い。」
僕はそう言うと銀貨7枚と銅貨25枚を渡した。
もしご飯があまり美味しくなかったら7日間それを食べるのはもったいないからね。
それとまだお金はあるけど、明日からしっかり働かないとまずいかな。
冒険者がどれくらい儲かるのかわからないけど、普通に暮らすのには問題ないはず。
「それと、この宿お風呂ってある?」
「ありますよ。案内しましょうか?」
「じゃあお願い。」
そう言ってお風呂に案内してもらった。
案内してもらったお風呂はサーニャさんの家のお風呂より広かった。
まぁ考えてみれば当たり前か。
僕はそのまま風呂に入り、部屋に行くとそのまま布団に入る。
ちなみに僕の持ち物はアイテムボックスの中に入っているので、整理する必要はない。
やっぱりこのスキル便利だな。
僕は明日のことを考えながら眠りに落ちた…。
翌朝私は窓から指してくる朝日によって目を覚ました。
どうやら昨日の夜にすぐに寝てしまったからカーテンを閉め忘れたみたいだ。
鏡を見たら髪がボサボサだ。
さすがにこれじゃ恥ずかしいので少し整えてから朝御飯にしよう。
髪を整えた後、僕は食堂へ向かった。
女の子ってめんどくさいね、前の体では寝癖がついても水をつけたらすぐに直ったけど、かなり時間がかかってしまった。
食堂に入ると、昨日の女の子の母親らしき人に料理をもらった。
食堂にあまり人はいない。
僕は朝御飯を食べながら料理をくれた人に話しかけた。
「昨日、受付をしてくれた女の子はあなたの娘さんですか?」
「そうね、まだ少し固いところはあるけど、しっかり働いてくれる私の自慢の娘よ。」
「そうですね、あの年なのにすごくしっかりしていてすごいですね。」
「見たところあなたもそんなに変わらないでしょう?
これからどうするつもり?」
「今日は森に行ってモンスターを倒してこようかと。」
「え、その歳で冒険者なの?珍しいわね。わかってると思うけど、無理はしないでね。
宿を予約したまま帰ってこない冒険者もたまにいてね、お金は前払いでもらってるから部屋はそのままにしとかなきゃいけないのよ。
もしかしたら帰ってくるかもしれないからね。
でもだいたいは帰ってこないの。
数回しか会ったことのない冒険者でも悲しくてね。
あなたみたいな娘とそう歳の違わない小さい女の子が戻ってこないのは嫌なの。
だから絶対に戻ってきてね。」
「大丈夫ですよ、そんなに無茶をするつもりはありませんから」
「ならいいわ、気を付けてね。」
「ごちそうさまでした、御飯美味しかったです。」
「ふふ、ありがとう。」
そんな会話をしてから僕は森に向かった。
今日は僕がどれくらい戦えるか試すだけのつもりだから依頼は受けていない。
どのモンスターを倒せるか把握してから依頼を受ける方がいいと思ったからだ。
街の出入口を出てしばらくすると1匹のゴブリンを見つけた。
まだ森には入ってないはずだが、まぁ多少のモンスターはいるか。
昨日買った武器と防具は既に装備している。
僕は走ってゴブリンに近づこうとした…
ビュン!!!
…え?
地面を蹴ると僕の体はゴブリンの横を通り越していた。
ゴブリンはいきなりのことに驚いているが、僕に全く反応できていなかった。
(え〜っと、僕の身体能力がとんでもないってことでいいのかな?)
ザクッ!
落ち着いてゴブリンに近づき喉をショートソードで突いた。
するとゴブリンは灰みたいに崩れ落ち、親指くらいの石みたいな物が残った。
解析眼で見てみると
<コブリンの魔石>
と表示された。
(これが魔石か。
ドロップ品は落ちなかったな。ゴブリンにドロップ品はないのか、それとも運が悪いだけだったのか…)
森に到着する間に3匹のゴブリンと1匹のオークと遭遇した。
4匹とも魔石は落としたが、ゴブリンは3匹ともドロップ品を落とさなかった。
これはゴブリンからドロップはないと考えた方がよさそうだ。
オークのドロップ品はオークの肉だった。
オークの肉は食べたくないな。
ちなみにオークも一撃で倒せた。
(ゴブリンとオークくらいなら誰でも一撃で倒せるのか?
もしそうだとしても最初のゴブリンと会った時のあの脚力はやっぱり異常だよな。
もしかするとアイテムボックスや解析眼よりこの体の方が神様からのお詫びだったりして…)
と考えながら森の中にはいって行った。
作者はまだ学生なので、平日はちょっと書く時間を確保するのが難しいかもしれません。
もしここまで続けて見てくださってる方がいましたら、数日間更新がなくてもやめたわけではないので、これからもお付き合いください。
次話は10月3日㈪の夜24時頃に出そうかなと思っています。
もしよろしければ読みにきてください。