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ロックゴーレムを討伐するそうです

僕の今の攻撃手段は、鉄のショートソード、風魔法、水魔法、土魔法、火魔法だ。

火魔法は使ったことがないし、やっぱり周りに木があるので、除外する。

鉄のショートソードではこのモンスターは倒せないだろうからこれもダメだ。

やっぱり風魔法で切ることができたら一番楽だよな。


そんなことを考えていると、ロックゴーレムが左の拳を振り上げた。

(やばい!)


ズドォォォン!!!


僕はロックゴーレムの右側に飛んで拳を避けた。

今度は充分遠くに飛んだため、木の枝などが飛んでこない。

ロックゴーレムは攻撃力は高いが、動きは遅いようだ。

まだ拳を振り下ろした姿勢から立ち直れていない。

(今だ!)


ビシュッ!!!


僕の風魔法がロックゴーレムに当たった。


(嘘でしょ…)

攻撃が当たったところに少しだけ跡が残っているけど、それだけだ。

確かに軽く放った風魔法だから、切断できるとまでは思ってなかったけど、ここまでダメージがないのは想定外だ。

(どうしよう、思ったより硬い…)


攻撃が通らずショックを受けていた僕にゴーレムが右拳を振り下ろしてきた。

直前で僕は気付いたが、反応が遅れてしまった!


ズドォォォン!!!


(辛うじて直撃は避けたけど、土などで前が見えない、このままだとマズ…)


ガンッ!!!


ゴーレムの左拳が僕を横から殴った。


「ッ!!!」


しばらく転がった僕は木にぶつかり、停止した。



(痛い痛い痛い!!!)

高い防御力のおかげで、致命傷は負ってはいないが、腕や足がとても痛い。

ゴーレムの直撃を食らった右腕と、無理に踏ん張った足は多分折れている。

服はところどころ破れ、見えている素肌からは血が流れている。

他の人がこんな姿で倒れていたら死んでいる可能性もある、と思うくらいボロボロだ。


治療魔法で治ってくれればいいが…

使ったことはないが、僕のスキルなんだから使えるはずだ。

どの程度治るかはわからないが、足の骨折だけは治ってほしい、動けなくてまたあれをくらうのはごめんだ。

いくら僕でもあれを何回もくらいつづけたら死ぬかもしれない。


「ヒール!!」


だんだん痛みが引いていく。見えていた傷もふさがった。

肘を曲げ伸ばししたり、立って屈伸をしても痛みはない。

よかった、ちゃんと使えたみたいだ。

服は破れたままだが、それは仕方ない。

一応、服は持っているのでロックゴーレムを倒した後に着替えれば問題ない。


怪我が治り、落ち着いてくると、怒りがこみ上げてきた。

(ロックゴーレムめ、よくもあんな攻撃をくらわせてくれたな。

もう手加減しない!)

まぁ自分もロックゴーレムを狩ろうとしてたし、お互い様なのは分かっているのだが、腹が立つものは腹が立つ。

それに一応、ロックゴーレムを倒す方法も考えてある。



僕はロックゴーレムのいるところ走ってまで戻った。

ロックゴーレムは僕を倒したと思っているのか他のモンスターを叩き潰している。

ロックゴーレムは何がしたいんだろう、食べるわけでもないのに、モンスターを倒している。

まぁ僕には関係ないか、あのロックゴーレムを倒すだけだ。


僕が考えたロックゴーレムの討伐方法は結局、風魔法だ。

今までは本気で風魔法を放ってしまうと、この辺りの森が消滅してしまうので、かなり手加減していた。


僕が本気で放った風魔法で切れないものはほとんどないように思える。

あったとしてもそれこそ世界最硬の物質とかだろう。

それもレベルが上がれば切れるようになるとは思うけど。

なので、本気の風魔法ならあのロックゴーレムくらいなら切れると思う。


問題は本気の風魔法を放ったら周りに被害が出ることだ。

だけど、その対策はもう考えてある。


僕は地面に両手を手をついた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


ロックゴーレムと僕を囲むように四方に土魔法で壁を作り出した。


突然現れた壁に驚き、ロックゴーレムは必死に殴りつけている。

無駄だよ、体感で僕の魔力の三分の一くらい使った壁だから他のモンスターに壊されることは絶対にない。

そして、ロックゴーレムが慌てている今のうちに倒してしまおう。



「ウィンド!!!」

僕は手のひらをロックゴーレムの方に向けて叫んだ。

最近は慣れてきて、無詠唱でも使えるようになったのだが、詠唱した方が威力が上がる。

普通のモンスターは無詠唱の威力でも全然倒せる程度なのだが、このゴーレムだけは手加減をしてあげない。


魔力を放出するのを止めた。

僕が作り出した壁を壊さない程度に威力を調節しておかないとね。


「よいしょっ!!」


ビュンッ!!!


僕がこの場に似合わない、少し間抜けな声と共に放った風魔法はロックゴーレムを切断し、後ろの壁に衝突して、消滅した。

真っ二つになったゴーレムは灰となった。


(ふぅ、疲れたぁ…)

魔力が三分の一くらいしか残っていない。

腹が立ったとはいえ、魔力を使いすぎた、おそらくあの半分程度の威力でもゴーレムを倒すことはできたと思う。


僕はロックゴーレムの魔石を回収した。

周りを見てみても、ドロップ品はなかった。どうやら強いモンスターは必ずドロップ品を落とすというわけではないらしい。

苦労したゴーレムからドロップ品が落ちない、というのはすごく損した気分だけど、仕方ない。


僕は予備の私服に着替え、壁を解除した。

戦闘用の動きやすい服は一着しか持っていない。

周りを見ると、ところどころ地面が凹んでいる。

(あんな怪力に叩かれてよく生きてるな、僕…)

目に見える範囲の地面は平地に戻しておいた。


よし、帰るか。


しばらく、走っていると、明らかに自分のスピードが上がっている。

ここまで変化がわかるのは初めてだ。

(帰ったらレベルを確認してみよう。)

すいません、もしかしたら明日投稿できないかもしれません。

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