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第九話(お別れ会)

ついに帰る前日となった。


2ヶ月間ずっと一緒に過ごしてそして友達になれた。

みんな優しくして…凄く凄く優しくて…寂しい。


寂しいな…。


特にリーダーと奥さんとはずっと行動共にしてたから離れがたい。


家族に会いたい。


友達に会いたい。


けど、リーダー達にはもう会えないかもしれない。



最後の夜はお別れ会をしてくれた。

みんなで夜空を眺め食べて飲んで歌って踊った。

ちなみに歌は実質一人で歌わされました。


発声しないから手を繋がないとみんなの歌を聴くことは出来ない。

第三者視点だと俺のソロという事に。


最初は渋ったのだが…


(クボークボーうたってー)


(歌ってー)


(てー)


(うた・うた・ききたい)


と小さな子供に手を握られキラキラとした瞳で見られたら、

しかも4人から一斉にされたら歌わざる得ないだろう。


一応、悪あがきでリーダーと奥さんに助けを求めると。


(久保の歌か、最初は偶然聞いたな)


(そうですね野菜を切るの頼んでしばらくして様子をみにいった)


(コロッケという食べ物の歌で確かキャベツはどうしたと言ってたな)


「いや、ジャガイモぽっいの切ってたからつい」


(そして指切って血まみれになったな)


(ドジっ子か…って呟いてましたわねー)


「いや、ぶつかるは転けるは食べ物こぼして終いには包丁で手を切るまでしたらもう…って地味に落ち込んでしまい」


(クボーだいじょーぶ!わすれものはないないだよ)


「うん、せめて忘れ物はしない様に頑張ったよ」


(だっめーわたしたちまちがえてたーむぅ)


(まちかえたー)


「あっいやごめんねー」


(あてて、あてて)


(あてたら、うたわないでよろしー)


最近は大分見分けれてるし、うん、今なら分かる。


「リボンをつけてる子がミサンガのミサちゃん」


当たった!嬉しそうにしてる。


「バンダナの子がリボンちゃん」


それにしても、ほとんど日替わりでリボンとか交換してるな。

気に入ってくれているみたいで嬉しいけどみんなの物って感じで個人では持たないんだな。

それで最初の見分けが苦労したのもいい思い出だ。


「スカーフをつけてるのがバンダナのバン君」


ここまできたら大丈夫。


「リボンをつけているのはスカーフのカー君」




((((あたりー))))




よっし!


(では私達は?)


リーダーと奥さんが並び同じ笑顔でこちらを見つめる。


「今、手を掴んでるのがリーダーでリーダーと手を繋げているのが奥さん」


自信満々に言うと


(違います)


にっこりとそう言われた。

最近はほぼ間違えなかったけど、間違えたらものすごく怒るのに…


「いやでも今回は…」


(クボ外れー)


(うたわないとーとー)


「えっー嘘だ間違えてなっ」


(歌聞きたいー)


(うた・うた♪)


(間違えたなら素直に歌わないとな…ないといけないわ…久保君)


「リーダー今言い間違えて」


(はいはい、久保さん気にしないで…気にするな久保)


「奥さんも無理に真似しない!」


(仕方ない歌え久保)


「開きなおった」


(うた・うた・おうた)


(ききたいな~)


そんな感じで歌いました。


この日、子供達は特別に夜遅くまで起きてて良いと言われていたけど段々船を漕ぎ出した。

それでも頑張ってずっと腕に引っ付いてて、可愛いな~とか思っていると。


(かわいい!やったかわいい~)


(うれし~やった~ねむい)


(もっとひっつく~の~にょ…にゅ~~)


(やっねないねないねっ…ねっ…むにゅ)


「もう寝たほうがいいよ」


((((やっ)))))


「でも眠そうだよ」


(やっあすかえる)


(さみしい)


(さみしい)


(まだぎゅってする)


ぐずりだし涙目になっていて、俺も泣きそうだ。

けど子供って可愛い。

寂しいけど可愛くてきゅんとしたぞ。


限界まで頑張って朝起きるまでみんなの手を離さないということで、

折り合いをつけた。


(寝たのですね)


(久保さん本当に懐かれましたね)


(最初はみんな恐々としていたのに不思議ですね)


今度は大人組みが一人一人来てくれた。


(ここからは私達に構ってくださいね)


そして、明け方までずっーと話し込んだ。

気さくで優しくて、本当にいい人ばかりでやっぱり何度も思うけど、寂しい。


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