第一話(二人の日常)
はじめまして
「小説を読もう」で素敵な作品に触れ私も何か書きたいと思い
「小説家になろう」で投稿してみました。
初投稿、初連載で未熟な点も多々あると思いますが、
少しでも楽しんでいただければ幸いです。
うちのクラスにはちょっと変わった2人組がいる。
「僕はね、いつ異世界に召喚されてもいいように持っているなら、服・下着・水・塩・食料・種・テント・ナイフかな!!」
教室の一番後ろの真ん中にある席の前で立ち、眼を輝かせながら両手を拳にして元気よく言ったのは、
ボクっ子娘の森永さん。
「衣食住を揃えたな。まずは衣…服、下着はまあ何着かあれば便利だが荷物が多い。最悪同じ服一つで使い回せないか?そして、亜熱帯ならいいが極寒地帯に飛ばされたらと考えると防寒服も必要だと思うんだが、常に着ておくか」
右の手で耳にかかった眼鏡のフレームを持ち上げ、
左の手で話している内容を素早くノートにまとめながら淡々と話す佐久間君。
「ちょっと僕は下着の使い回し嫌だよ!もし洗える場所がなかったらどうするのさ。人間は進化もしくは劣化してるから毛が少ないんだよ。デリケートゾーン守るのにも暑さ寒さ守るのにもやっぱりもっと下着は欲しいよ。でも…防寒服はいれたほうがいいかな」
大きな声で反発した森永さんだが、ちょっ…まってくれ。
森永さん女の子が下着とか毛とかそんなことを教室の後ろの席とはいえ大きな声で話してはいけないぞ。
隣の隣の隣の席に居る俺に丸ぎこえだ…。
「仕方ない下着の替えと防寒服は持っておくか」
って佐久間君流さないで、注意してくれ…!!
そして、君も女の子と話す話題に下着とか臆面もなく言わないでくれ。
「よぉし次は食ね。水、塩、食料、後ね僕的に種が欲しい」
ああ次の話になってしまった。水、塩、食糧は分かるがなぜに種?
「種か…栽培するのにある程度時間がかかるが将来性を考えてみると良いな。収納もしやすく良いな」
ニヤリとしながら佐久間君は嬉しそうな顔で言った。
「ふふ…♪そしてね。どんな種が良いかなって考えたら、稲・大豆・野菜各種がいいな。日本人は米だよね。
僕もお米大好きだよ。異世界に行って日本食食べれなかったら絶対恋しいはず。大豆があれば味噌、納豆は勿論もやし、枝豆、豆腐、きな粉になるお得な食材だね!」
嬉しそうに頬を染めつつ言う森永さんは可愛い。
森永さんは明るめの茶色い髪で長さは肩にかかりそうでかからないくらい、
くるんと内巻きになっていて目はぱっちり二重。
瞳の色は綺麗な琥珀色で吸い込まれそう。
肌は白く唇は桜色。
背は…俺の肩よりはあるから160いくかいかないかくらいかな。
そしてスタイルは細過ぎなくちょうどよい感じだ。
抱きしめたら柔らかそうとかセクハラまがいなことを考えてしまった。
反省しつつも男は狼なんですと言い訳。
「まあ異世界に行って栽培出来るか分からないが。空気・水・土…人間が住める空間であるなら大丈夫だろう」
森永さんの可愛さを見た後佐久間君を見ると可愛くないと思う。
いや男が可愛くても仕方ないが。
佐久間君は精悍とした顔立ちだ。整っていて眼鏡が似合う切れ長な目。
背も高い、きっと180はあるだろう。男として羨ましい。
「そうだね。一番の脅威は敵になりうる人間でも野生動物でもモンスターでもない。 まず酸素がないと…せっかく異世界にいけても即死亡なんて嫌すぎる…!?」
何か2人の容姿について意識を飛ばしていたら森永さんが青ざめている。
「酸素ボンベを持っていたとしてまわりに助けもなし、すぐ地球に戻るかも分からないのに持つのはどうか悩むな…」
そう言って本当にウーッとか言って悩みだした、
俺と席を2つ挟んだ隣の席の佐久間君。
「ボンベは必要か…!それか諦めるか、いやぁー諦めたくない!死にたくないよ生きたい僕…!」
っと何か重たい話っぽく語りだしたけどちょっと、
いや、かなりずれてるけど涙目で可愛い森永さん。
この長々とした放課後の会話、今日だけ特別にしているのじゃなくて毎日です。
2人の日常なんです。