3/5話『先生のお部屋()は寸止め地獄!?』
バイトの帰り道。裏道から男女が言い争っている声を耳にした俺は、様子を見に向かうことにした。
そこはラブホ街へ繋がる道で、俺は滅多に行くことは無いのだが……
「あの声って、もしかして……」
視線を向けた先には、ある意味で予想通りの光景が広がっていた。
淡いピンクの肩出しニットはやわらかく肌に張り付き、うっすらと汗ばんだ肌に湿り気が宿っている。
濃紺のデニムミニスカートは短すぎて、ちょっとした仕草で中身が見えそうだ。胸元は大胆に開き、豊かな胸が今にも服からこぼれ落ちそうで
ヒールでふらふらしながらも毅然とした表情でチャラい男たちに絡まれている女性——間違いなく、俺の担任・山田先生だった。
「ねぇ、少しぐらいいいじゃん、あのホテルで朝まで楽しもうよ?」
「だから……そういうつもりじゃないって言ってるでしょ」
困惑しつつも毅然とした態度を崩さない先生。しかし男たちは引く様子もない。
やっぱりトラブルのようだ。
意を決して、俺は割って入った。
「すみません、姉がご迷惑をおかけしました!」
咄嗟にそう言いながら先生の腕を取り、その場から引っ張り出した。細くて柔らかな腕はほのかに温かく、お酒と甘い香水が混じった大人の匂いがふわりと香った。
先生は驚いた顔をしたが、すぐに潤んだ瞳で「ありがとう……」と微笑んだ。
普段の地味な白衣姿の“地味子先生”からは到底想像もできないほど、大胆で魅力的な姿。そしてそのギャップが、俺の心臓を容赦なく叩きにくる。
「ごめんね、翔太くん……迷惑かけちゃった」
「ちょっ、酒臭っ!?」
「えへへ。仕事帰りにちょっとバーで飲んでたら、クソ男に捕まっちゃって……」
ふわりとお酒と甘い香水の匂いを漂わせながら、先生はほんのり照れた声でそう言った。
あんなに毅然としてチャラ男を撃退していたのに、今は顔を赤らめ、潤んだ瞳で俺を見上げてくるなんてズルすぎるだろ。
その視線にドキリとして、喉が乾くのを感じた。さらに、彼女が唇を無意識に舐める仕草に理性が揺らぐ。
「い、いえ! 大丈夫ですから。タクシー呼びますね!」
スマホで慌ててアプリを開き、タクシーを手配する俺。先生はふらふらと俺に寄りかかり、華奢な肩が触れるたび心臓が跳ねた。
横断歩道を渡る時も「ちゃんとつかまっててください」と手を握れば、指先がほんのり熱くて柔らかく、ほんのり香水と肌の香りが混ざり合って漂ってくる。
タクシーに乗り込むと、先生は窓にもたれかかり、うつむき加減で上目遣いに俺を見る。その頬は紅潮し、胸元が微かに上下している。
その無防備な横顔に目を奪われていると、不意に「翔太くんは……優しいね……」と小さく呟かれ、思わず息を飲む。
「ほら、着きましたよ先生……」
「んんー、ありがとぉ」
先生宅に到着すると、そこは意外にも可愛らしい雰囲気で溢れていた。
淡いピンクと白を基調にしたリビング。ソファにはふわふわのクッション、ぬいぐるみが並べられていて、部屋中に甘く優しいフローラルな香りが満ちている。
間接照明が柔らかい光を灯し、まるで夢の中に迷い込んだような空間だった。
「足、大丈夫? せっかくだから休んでいって?」
「あ、いえ俺はここで――」
「いいから遠慮しないで? ほら、お茶でも淹れるから……あっ!」
玄関でヒールを脱ぐ時にバランスを崩し、よろめいた先生が俺に抱きついてきた。
細い腕と柔らかな胸の感触に、脳内が一瞬真っ白に飛ぶ。しかも近づいた時、柔らかな肌の湿り気までも感じ取れてしまう。
「こ、これは危険だ……!」
先生はケラケラと笑って「酔っちゃうと、ちょっとドジになっちゃうんだよね」と言いながら、リビングへふわりと歩いていく。その後ろ姿からは無意識の色気が漂い、スカートのすそが少しだけ持ち上がりそうな仕草に息を呑む。
「翔太くん、ちょっとだけ待っててね。なにか作ってあげる」
「い、いえ! そんな、気を使わなくても!」
「ふふ、大丈夫。作りたくてやってるんだもん」
淡いピンクの肩出しニットから伸びる白い腕。デニムミニスカートの裾からはすらりと伸びた生足。エプロンを結ぶと、腰のラインがより強調され、思わず息を呑む。
素足でキッチンに立つ先生の足先がちらりと見え、その細さと柔らかそうな肌に視線が釘付けになってしまう。
「普段の先生からは想像できない……」
先生は鼻歌混じりにキッチンで料理を始めた。
フライパンから立ち上る香ばしい匂いと、甘いフローラルな香りが部屋中を満たしていく。
俺は完全に落ち着かなくなって、ソファの上で姿勢を正したり崩したり、無意味にスマホをいじっては落ち着かない。
「はい、できたよ」
先生が笑顔でオムライスのお皿を差し出してくれた。
お礼を言って受け取る。
見るからにふわふわ、でトロトロだ。
「い、いただきます?」
「ふふっ。どうぞ~」
普段なら両手を上げて喜ぶ、俺の好きなメニューなんだけど……。
「翔太くんって、本当に優しいね」
「そ、そうですか?」
「うん。だってここまで誘われたら普通、我慢できなくなって襲っちゃうでしょ?」
美味しいオムライスを堪能していると、気づけば先生が隣に座り込み、俺の肩に頭を乗せてきた。熱を持った頬が腕に触れて、その柔らかさと体温がダイレクトに伝わってくる。
さらに、無意識なのか胸元が俺の腕に触れそうになり、そのたびに全身が硬直した。
『なんでそんなに無防備なんですか!』
内心で叫びながらも、動けない俺。
「ねぇ……先生としてじゃなく、オフの私と付き合ってみる?」
耳元で囁かれ、体がびくりと跳ねた。振り返った瞬間、先生の顔がすぐそこにあって——目が合った時、一瞬だけ見せた寂しそうな笑みに、思わず胸が締め付けられた。
「もう少しだけ……こうしていたいな」
その囁きは、あまりにも甘く、切なく、誘惑的だった。
「もしかしてキスとか……したら困る?」
先生が悪戯っぽい笑みを浮かべながら、ゆっくりと顔を近づけてきた。甘いフローラルな香りに加え、ほんのり漂うお酒の匂いが混ざり合い、頭がクラクラする。
目の前に迫る艶やかな唇——あと数センチ。
『やばい、心臓が爆発する……!』
全身が硬直し、喉がゴクリと鳴る音さえ聞こえてしまいそう。熱っぽい吐息が混じる空気に包まれ、呼吸すら忘れてしまう中で、ついにその瞬間が訪れる……と思った、その時——
「……なんてね♪」
ふっと先生は唇を引いて、柔らかく笑った。その表情は無邪気さと小悪魔っぽさが絶妙に混ざり合い、思わずズルいと叫びたくなる。
「でも……こういう瞬間って、ちょっと楽しいでしょ?」
そう言いながらも、その笑みの奥にほんの少しだけ寂しさが滲んでいるように見えた。その瞬間、ほんのり汗ばんだ首筋や、肌に浮かぶかすかな湿り気が光を反射して妖艶に映る。
玄関先まで見送りに来てくれた先生は、最後に俺の額にそっとキスを落とした。彼女の柔らかな唇がほんの一瞬触れた感触が、今も焼き付いて離れない。
「今日はここまで。また次回に取っておくね♡」
その一言が、俺の理性の限界を一気に超えさせそうになる。
「翔太くん……秘密を守れる人、好きだよ」
耳元で囁かれた声は、甘く優しいのに、どこか寂しさを帯びていて、胸を締め付けられた。
玄関を出た瞬間、俺は心の中で絶叫した。
玄関を出た瞬間、俺は心の中で絶叫した。
『し、死ぬかと思った……!!』
無事に解放されて本当に良かった。
っていうかあの場で手を出さなかった自分の理性を褒めてあげたい。
「ふぅ。さっさと帰ろう……」
奇跡的に自分の家と先生の家はそこまで離れていなかった。
歩いて帰れる距離だけど、念のために地図アプリで確認しながら帰ろ――え?
「な、なんじゃこりゃ!?」
スマホを取り出そうとバッグに手を突っ込み、出てきたのは、黒のレースがついたブラジャーだった。
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倫理観がバグってるエロいお姉さん、いいですよね。
リアルだとモラルの関係でできないけれど、ラノベだからこそ。
でも大人になってみると案外、職場でエッチなことをしているイケナイ人っているんですよね。
もしかすると、貴方の学校でも……