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鬼人達の宴蒼第三章 黒い池

今日はせっかくあの三人が出るのにパッとしませんでした。

何て事でしょう!

誤字、脱字があったらすみません。

朝になり、雫が目を覚ますと結花からメールがあった。

今日の学校帰りに友達と鬼が二人来るらしい。

興味が半分、不安半分である。

(やっぱりいかつい感じ?怖い?)

いつも通り学校に行く準備が終わるとインターフォンが鳴る。

「おはよう。雫。」

「おはよう。雫。」

「おはよう。行ってきます。」

「…行ってらっしゃい。」

今日の要と透は笑顔だった。たぶん雫もだろう(母から、顔見えへんからさ。

雫の母は三人がまたいつもと違う事に気がつく。

(…なんか、あの三人、まろやかになったん?要君の堅物すぎる感じも、透君のおどおども、雫の教育番組のお姉さんみたいなのも全部ないんやけど。ない先に何があるん…。)

暫く考える。

(…愛?んー!そーはならんやろ!たぶん!仲良しな友達位やな!)

母は両手をブンブン振りながら思った。


「今日は中村さんの友達と鬼の人が二人来るって連絡あったね。」

「確か、鬼の人二人供友達の恋人になったから旅行に来てるって言ってなかったっけ?」

「…大丈夫かな?僕、ちょっと不安。」

「…気まずくならないといいね?」

朝から不安な空気が流れる。むしろ、二人も恋人作る女性ってどんなだろうか。不安しかない。



昼休みになると要に用があると言う少年がクラスにやってきた。

「あっ。昨日の先輩に苛められていた子じゃない?」

バタバタ人が集まる。

「先輩に結構なお金使わされたって?返して貰えたのか?」

「…はい。ありがとうございます。」

「マジ?良かったじゃん?」

「今度は気を付けるんだぞ。」

要が言うと少年は帰っていった。

「要。やるじゃん。見直した。」

「うん。悪くない。」

要が嬉しそうにする姿を見ていると雫は微妙な気持ちになった。

(…嬉しい事だけど、要、大人になっちゃったな。)



約束の時間になり、恐る恐る外に行くと以前結花が見せた写真のように黒髪長髪の女性と背が高い茶髪の男性と黒髪の男性がいた。

「…あっ!来た来た!黒澤さん!こっちこっち!久しぶり!あれから何かあった?」

「火葬場で炎の鬼がいたので鎮めましたよ。…ちょっと妖怪が山火事起こそうとしていて大変でしたけど。」

「…貴方達の逢う妖怪は厄介みたいね?…初めまして。市村翼です。結花と同じ大学なの。」

「俺は五十嵐護。翼や結花と同じ美術大学に行っている土の鬼だよ。」

「…俺は火爪勇吹。火の鬼でアルバイトしながら装身具制作技能士目指してるよ。」

「あ…私、工芸学志望です。…黒澤雫です。」

「二瀬要です。水の鬼です。」

「二瀬透です。風の鬼で、美術大学志望です。」

「まあ、学校の前で話すと目立つかな。ちょっと移動しながら話そうか。例の池の事が気になったから、何か知っていたら聞きたいかな。」

「…私はちょっと分かんないかな。要や透は?」

「…昔、時々池の水が溢れるって聞いた事があります。」

「…僕も、でも、原因が分からないって。そんなにたくさんじゃないから気にしていなかったみたいだけど。」

「…そういうのはあるのね。」

「…翼は何か分かった?」

「…うん。あの池ね。たぶんものスゴく深いみたい。で、例の黒いオーラ。ほとんどこの辺りにあるよ。」

翼の言葉に全員が固まる。

「…夢の事、覚えている?池から水が溢れて、洪水になったの。あの時に湧き出た黒いオーラがどうも土の中に溜まってるみたいなの。だからあっちこっちで鬼が出たりするみたい。」

「…翼。よくそこまで分かったな。俺、全然分からなかった。」

「…たぶん、これ、鬼の感知だと分からないと思う。だから、余計分かるんだけど、池の底のオーラは九火の狐より強いからとんでもないのが封印されているんだと思う。」

そこまで言うと翼は雫をみた。

「…推測だけど、言っちゃう。菫さんが男に池に突き飛ばされたのは、恐らく、池の奥の何かの封印を破る為、生け贄にされたのよ。

今度は雫さんの番なのよ。鬼の力を全部解放したら、池の主と戦わないといけないのかもね。時が来たら、連絡して欲しい。」

「…分かりました。…大丈夫かな?」

「私の時はいろんな善鬼に助けて貰ったからね。また頼んでみる。ただ、強いのがものスゴく分かるからね。…じゃあ連絡登録しようか?」

皆で電話の連絡登録を終わった時だった。

ゴボッと音がして薄暗くなった。雫が顔をあげると目の前には電話を持った勇吹と護しかいなかった。

「…え。ほ、他の四人は、どこ?」

「…っ!結花!翼!」

「要君!透君!」

回りにいないと思ったがよく見ると壁に鏡があり、奥に翼、結花、要、透がいた。

「…皆鏡の中にいるみたい!」

「いる空間が違うんだろうな。」

(皆、私の声、聞こえる?とりあえず奥まで行きましょう。)

頭の中に翼の声が響いた。

「…すごっ。翼さん、こんな事も出来るの?」

「翼は特別だよ。いろいろあったからね。…さてと、鬼化するね。」

勇吹と護はズボンだけの鬼の姿になった。

奥に行くと馬に乗った人間の土偶らしきものと一つ目に三本指の人型の泥がいた。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

「…勇吹!行くぞっ!」

「おうよっ!」

二人は刀を振るが相手はそこそこ硬いらしくてあんまり怯んでいなかった。

(ちょっと、苦戦してない?いつも私が術でバーンってしていたからなぁ。)

勇吹が泥の妖怪から距離を離した瞬間に雫は水流をぶつけて倒した。

「五十嵐さん。離れて。」

護が土偶から離れると雫は水の塊で土偶を包むと爆発させて粉々にした。

「…うん。やっぱり、術使う方が早く終わる。不意打ち以外は私が倒すから大丈夫ですよ?」

雫が鏡の方をみると要は泥の妖怪を水の術で倒しており、土偶は透が戦いながら結花や翼が術で倒していた。

「…うん。向こうも大丈夫みたい。行きましょうか?」

雫はゆっくり歩いていった。

「…黒澤さん。強いね。」

「攻撃の術はいろいろ使えるみたいだから。相手が早くなければ大体当たります。」

次の部屋にも敵が何匹かいた。

雫は早めに倒して、鏡の奥の敵にも水の塊で包んで爆発させて倒した。



奥まで行くと真ん中の鏡は無くなり、四人と合流した。

「やっと合流出来ましたね。一本道だったから良かったけど。」

真ん中にはやはり鬼がいた。顔に模様をつけた鬼だ。

挿絵(By みてみん)

「…あいつは大地(だいち)だな。」

「…え?知っているのか?」

「逢う鬼は皆昔の知り合いなんです。」

勇吹に要と透が言った。

雫は早速水流を大地に向かって放つが全く当たっている感覚がしなかった。

「嘘!あれ、偽ものじゃない!本物はどこ!」

「雫さん!左側から鬼が歩いて来てるから気をつけて!今場の蜃気楼消すから!」

翼が風の術を使うと大地が何もない空間から現れた。

雫が水の術を使うと大地から黒いオーラが抜けたが砂が辺りを飛ぶと当たらなくなった。

「また消えた。今度は右側。もう一度蜃気楼を消すね。」

また現れた大地を雫が水流をぶつけると今度は激しい砂嵐を起こした。

「…っ!攻撃させないように守りに固めたみたいね!」

「大丈夫。やります。」

雫は一呼吸置くと大量の水が大地の地面から吹き上げた。



水がなくなると大地は元に戻っていた。

挿絵(By みてみん)

「…菫…姉さん?」

「…私は雫。鬼になった貴方たちを元に戻す為に、戦ってる。」

「…そうか。迷惑かけたな。あぁ、こんな力があれば菫姉さんを守れたかもしれないのに…。」

「…菫さんが、どこにいるか、分かる?」

大地は暫く考えた後に言った。

「…俺を黒い闇に連れて行った手が、姉さんの手みたいだった。」

「…やっぱり。池の底に菫さんがいるかもしれない。」

翼は頭を下げて言った。

「…雫さん。菫姉さんを、助けてあげて。」

「…うん。」

雫が言うと大地は真剣な顔をしながら消えて茶色の石が落ちた。

「土の石ね。」

「まだ、三個。先は長いです。」

周りがゆっくり元に戻っていった。



「さてと、そろそろ私達は帰るね?大丈夫?」

「大丈夫。明日は月読夫婦来るよ。」

心配する翼とは違い、結花が言った。

「え?結花、月読夫婦呼んだのかよ?」

「明日仕事ないからいいよーって。だから、お願いしちゃった。」

「…月読先生は善鬼の師匠みたいなものだし、大丈夫だろ。」

「あっ!せっかくだから宿まで護連れて行って!」

結花は普通に護の背に乗っていた。翼の姿は見えない。まあ大人の人の背にのる姿など人には見られたくないだろう。

「…じゃ、じゃあまたね。中村さん。」

「はーい。」

護と勇吹がかけていく気がした。



その帰り道、要と透は鬼のままだった。

「雫。今日はさ、鬼で一緒にいられなかったから、俺の背中触って欲しい。」

「僕も、荷物持つから背中触って。」

「うん。…二人供、背中触って貰うの好きなの?」

「…うん。」

「好き。」

二人の背中は筋肉で硬くなっていた。やがて、二人に挟まれていると少し体が熱くなった。

(男の人って体温高いのかな?なんだか熱くなってきちゃった。)

雫の家の前につくと二人は元に戻った。

「もう少しゆっくりいたかったな?」

「うん。物足りないや。雫。まあ明日続きしようね。」


要と透は手を振って帰ったが、雫だけぼーっとそのまま立っていた。

護や吹の善鬼化もいいなと思っていましたが、無しで終わりました。

仕方ない。

但し、要君や透君がちょっと大胆になりましたね。このノリで毎回お願いします。(こら

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