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鬼人達の宴蒼 第二章 日常の変化

今回はタイトル通りでね、まあ鬼になれたら日常と違う事をしたくなるのが男子なのです。

神通力フルパワーしたくなるやんな?

誤字、脱字があったらすみません。

前日に鬼と初めて戦い、疲れた要は食事や入浴を早めに済ませて宿題を終えたらすぐに寝た。


次の日になり、着替える時に自分の体つきが変わっている事に気がつく。

昨日は普通の平らな腹部が腹筋が割れた体になっていた。

「…これは、クラスの皆にバレないようにしないといけません。」

要は恥ずかしそうにしていた。

挿絵(By みてみん)

学校に行く準備を済ませると透の家に向かった。

透の家に行き、玄関のインターフォンを鳴らすと透が出てきた。

「おはよう。透。忘れ物は無いか?」

「大丈夫…かな?」

「じゃあ雫の家に行こうか。」

二人は雫の家に向かった。玄関のインターフォンを鳴らすと雫が出た。


「おはようございます。」

「おはようございます。」

「おはようございます!いってきまーす!」

「…うん?行ってらっしゃい。」


雫は気がついてないが雫の母親だけは違和感を感じた。

「…今日の透君。…なんあれ?いつもと違うやん?要君もちょっと違う気がした。どしたん?あれ?雫が帰ったら聞いてみよ。」


「昨日は大変だったね?これからもあんな感じかな?」

「ん…ちょっと困りますが…。」

要の様子がおかしい。

「…どうかしたの?」

「…ちょっと…体つきが変わってます。透は?」

「うん?筋肉マンになってた。」

挿絵(By みてみん)


「え?そうなの?」

「うん。家帰って着替えたら気がついたよ。鬼の時みたいに腹筋ぼこぼこだった。」

「あれは…クラスの人に見られたらまずいです。」

「そうなの?私はよく分かんない?」

「運動部の人より筋肉ついてたよ。…僕も気をつけなきゃ。」


三人は話ながら学校に着いた。ただ、その日はすぐに透が普段と違うと皆が気がついた。

授業で先生に指名されるとおどおどする透が普通に話せていた。

実はやらかしたのは透だけではなかった。

昼休みに要が外で誰かと一緒にいた。

それから暫く時間が過ぎてから教室に戻ってきた。

「お帰り。要。…さっきの男の子、誰?」

「一年生で、二年生の先輩から無理矢理自分のお金で購買部から食べ物を買うように脅されていたので、やめるように言ってきた。」

「え?要、よくそんなの分かったな?」

クラスの男子が話に入る。

「…ま…まあ、様子がおかしかったからな。後、流石に毎月一万円位出させるのは酷すぎだからな。」

「それ、ヤバくない?」

近くの女子も話に入る。

「…だから、出させたお金は返すように言った。明日、返して貰えたらこのクラスに来るように言ってある。」

「…んー。そんなに上手くいく?先生に…。当てにならない先生ばかりかー。」

「いや、手応えはあった。おかしい言い方だけどな。」

そう要が言った後に雫を見ると目が赤くなっていた。

(雫。聞こえるか?俺、人の心の中が分かるみたいだ。後、こうして話せるのは確認した。後暗示も試した。雫は怖がるかもしれないが、今日あった一年生は大分追い詰められていて、見過ごせなかった。すまない。)

要は雫に頭を下げた。

「いや!大丈夫だから頭下げないでよ!」

雫が慌てて言うので周りから目線が来る。

「…なんか、要が心配かけてごめんね、みたいに頭下げたからさ。」

「…まあ、この学校、ちょっとガラ悪いやついるからねー。生徒減るよ?マジで。うちら、もうすぐ卒業するけど。」

雫はなんとかごまかした。ちょっと、心臓に悪い。焦って心臓がバクバクいった。

(ごまかした?大丈夫?もーっ!超ヤバかった!)

(…ご、ごめん。)

雫が顔を膨らませて怒るので、要は落ち込んだ。

授業が終わって、三人は高校を出た。

「…昨日はいきなり雰囲気が変わったけど、今日は大丈夫かな?」

周辺を見回すと離れた場所で青い炎が上がってみえた。

「もしかして、あそこに何かあるんじゃないかな?」

「火葬場じゃないかな。…また幽霊出たら、私、ちょっと怖いかな。」

「ここから離れているから、鬼化してみようかな。」

要が鬼化するとまたズボンだけの姿になった。

「周りの人はいなくなったよな?」

「じゃあ、僕も鬼化する。」

透も鬼化した。

「…あっ!僕、たぶん雫の荷物を異空間に保管出来るかも。」

雫の背中や手荷物がいきなり消えて、雫は体が軽くなった。

「わっ!無くなった!これ、便利じゃない?」

「鬼の力、楽しいね。」

透は嬉しそうに言った。

「雫、俺の背に乗って?」

要に言われて雫は背に乗った。要の鬼の手は結構大きく感じた。

「…うん?全然重さを感じない。」

「でも、これ、素足触られるから恥ずかしいね。…中村さん達ってズボンだったんじゃない?」

その言葉に要の顔が一気に真っ赤になる。

「…っ!そうだよなっ!雫!大丈夫か!?」

「うん、まあ、我慢?今度は何かズボン持ってくるね。」

「…へへっ、じゃあ走ってみようか?」

二人は勢いよく走った。かなり速い。

「これ、自転車以上に速いんだけど!ってか、車より速くない!?」

「ちょっと、速度落とすね?」

「これだと50メートル走でスゴい記録出るね。」

走りながら要と透は普通に話せている。体力が人間と全然違った。


火葬場の入り口に着くと青い壁が出来ていた。中に入るとまた青い空間に変わるのだろう。

「…雫、入って良い?」

「うん。」

雫に言われて要と透は青い空間の中に入った。流石に入り口には怪異はなかった。

「…青い炎、炎の妖怪が出るのかな?…こんな水みたいな所に?」

そう思いながら歩くと早速妖怪らしきものが現れた。

挿絵(By みてみん)

「…ぶらり()。鳥型の妖怪で人面鳥みたいだ。」

「背中が燃えてるね?やっぱり、ここの鬼は炎かな。」

「どうする?雫。戦うの?」

透が聞くとぶらり火は『ギェーッ!』と声をあげる。威嚇で間違いないだろう。

「私がやってみる。間に合わなかったり、倒せなかったらお願い。」

雫がぶらり火に掌を向けるとバシバシと水の刃で切りつけた。

「…たぶん、ここで倒さないと後から来ると思う。」

「…意外と雫、強いよね。ぶらり火、塵になったよ。」

「だって、要や透と違って普通だもんっ!」

「でも、怪我しないようにね。僕、たぶん体が人間よりは頑丈だと思う。」


暫く歩くと燃えている老婆の頭に遭遇する。

挿絵(By みてみん)


(うば)()だね。燃えてる老婆の頭浮いている妖怪だね。何する気だろ?」

姥が火はこちらを見るとニイッと笑って手前にあった草むらに向かって火の玉を放った。当然、草むらは燃えた。

「ちょっと!山で火遊びとかやめてよ!」

雫は草むらと姥が火に向かって水流を放って火を消した。

「これ!早くしないと山火事になるんじゃない!ここ!」

「あわわっ…」

「ちょっと急ごう。近くに民家もあるからね。」


三人が慌てて火葬場に行くと広場にやはり鬼がいた。

挿絵(By みてみん)

「あれは彩夏(あやな)だな。」

「私…分かんないかな。透は知ってるの?」

「うん。菫姉様に甘えていた子で普段は大人しい子。」

彩夏は赤色の長髪の女の鬼だった。顔には真っ赤な模様で出ており、赤い目をしていた。

「女の子だけど、普通に強そうなんだけど!」

彩夏は雫が目を合わせると彷徨をあげて四人を囲むように周辺に大きな火柱が立った。

「…くっ!俺の水の術で消してみる!」

要が火柱に水流を放つがかき消されていた。

「ちょっと!もしかして、あの子火を使うけど、水無効じゃない!?」

雫が彩夏に水流を放つが黒いオーラが抜けなかった。

「あ…暑い!風で火柱消せないかな!?」

透が目を閉じて竜巻を発生させると少しずつ小さくなった。

「…!この人!弱点は風!」

彩夏は大分雫の近くまで近づいていた。

「要。離れていてよ。さっさと終わらせるから。」

彩夏と雫の距離は1メートルも無い。要は心配で冷や汗が出る。雫は掌を向けて彩夏を高めに吹き飛ばした。

「…まだまだ。上から、下から風の衝撃が何度も打ち付ける感じ。」

彩夏の体全身に衝撃波が打ち付けられた。ある程度の衝撃を受けると彩夏から周辺に向かって赤い光が広がった。


彩夏は元の人間の姿になっており、泣いていた。そこに雫が近づいた。

「…菫…姉様?」

彩夏もやはり雫を菫と思っている。

「彩夏さん。私は雫。今はあなたがいた時代よりずっと未来で、菫さんはもういないの。」

「…そうなの?」

「…菫さんがいなくなったのは寂しかったよね。でも、悲しみすぎて、あなたは鬼になってしまった。鬼になった姿を菫さんが見たら、悲しむよね。…だから、ちょっとずつ笑えるように頑張ろう?」

雫の言葉で彩夏は昔の事を思い出す。

転んで擦り傷ができて泣いて菫の元に行った時に菫は彩夏に傷薬を塗った。

「彩夏。痛かったね?…彩夏が泣いてると、姉様、悲しくなるから、早く元気になろうね…。」


「…うん。ありがとう。雫姉様。」

彩夏は消えかかる寸前に笑っていた。そして、赤色の石が落ちた。

挿絵(By みてみん)


「…これで、二人目ね。ありがとう、要、透。」



空の色は戻ってきたが、少し暗くなってきた。

「帰りは僕が雫を背負ってみたいー。」

「えー。…あんまりスピード出しすぎないでね?」

帰りは透が雫を背負って雫の家前まで連れていった。

その表情は嬉しそうだった。

「…あっ、もう雫の家に着いちゃった。つまんないの。」

「いいじゃないか。俺はあんまり背負ってなかったぞ。」

「そんなに楽しかったの?」

『うん。』

二人は同時に言った。

「…んー。なんか、背負わせて悪いなって思っちゃうんだけど。」

「そんな事ないよ。もっと頼って欲しい。」

「僕も。雫の為にいろいろやりたい。」

「…うん。じゃあ、また明日ね。」

雫は二人に言うと家の中に入った。


夕食の時間、ふと雫の母が口を開く。

「…朝、透君と要君の話し方ちょっと違った気がしたけど、何かあったの?特に透君。今日はハッキリしていたけど。」

「うん?体を鍛えたから…かな?」

「え?透君、体、鍛えてるの?じゃあ、要君も?」

「うん?」

「え?家でトレーニングしてるの?そんなに変わる?」

「結構体つき変わったみたい。…よくわかんないけど。」

「…ふーん。」

雫は普通に話している。母だけが察していた。

(うちの雫、鈍感なん?それ、雫の気を引く為に鍛えているんちゃうか?普通せんやろ。あの透君が胸張れるなら余程やん?)

雫は夕食を食べると片付けて自室に戻った。


(今日はまたいろいろあったかな。要も透も雰囲気が変わった気がする。…ちょっとカッコ良くなった?昔、幼稚園で二人共変わっていたんだよね。要も透も絵本が好き。私が読んでいたんだよね。)

彩夏の『雫姉様』の言葉を思い出すと心に引っ掛かる。

「私は…要や透より背も低いし、鬼になれない。『お姉さん』はもう卒業かも。」

一人っ子なので今まで要や透の姉の気分だった。

だから、今の気分は複雑だった。

朱に比べるとちょっと要も透も控えめな気がする。まあそれは仕方ないんかな?

次回はもう少し攻めましょう。



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