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第一歩目(始)

「……と、言うことで翔様、貴方には異世界へ転生して頂くのですがまず、貴方の能力値の確認と武器、通称”宝具”の贈呈を行いますね。」


「俺の能力値と”宝具”の贈呈…ですね!!」


「はい。まずは、能力値の確認と行きましょうか。ここで言う能力値というのはこれから翔様に行ってもらう新しい異世界での能力値……貴方達の世界風に言うと”ゲームのステータス”の、ようなものですね。」


「なるほど…分かりやすい解説ありがとうございます。それで、どうすればいいですか?」


「はい、この水晶に手をかざしてください。」


そう言うと何も無かったはずの俺の目の前にテーブルと女神様が指してるであろう水晶玉が現れた。


「おお……これに手をかざせば俺のステータスが…!!」


(さぁ、一体俺の異世界でのステータスはどのくらいなんだ!!まぁ、異世界転生って訳だし?普通に考えて魔力最強!!とかめっちゃ幸運!!とかそんな感じだろ。さてさて…)


そんなことを考えつつ水晶に手をかざすと水晶が黄金の光を放ち始めた。


「さぁ、俺のステータスよ…出てこい!!」


「こ、これは…!私も今までに見たことの無い程の光……!!」


すると、水晶から光が消え代わりに空中に文字が浮かび始めた。


「えっと…ミヤハラ ショウ…」


そこには、俺の名前とパワー、魔力、スピード、耐久、幸運の5つの能力値が記されていた。


「パワー……SS!?」


「これは……凄いじゃないですか!やはり、私の目に狂いは無かった……!」


「やっぱ、SSって凄いんですか?」


「はい!能力値はFからSSまでで区分されてます、翔様はその中でも最大のランクなんです!!」


「おお…!ほ、他はどうなんだ!」


「えっと…魔力は……魔力もSSですか!?」


「マジで!?俺、異世界転生超大当たりなのか!?」


「……えっ……これ…」


「……女神…様?絶句してるってことは…まさか……他の値は全部F…とか…?」


そう、普通何かが飛び抜けて良いと何かも飛び抜けて悪いものだ。それが世界の真理ってもんだろう。



…そう、思っていたのだが…


「い、いえ……むしろ、ぎゃく……です…」


「へ?逆?」


「残りのスピード、耐久、幸運……どれも………SSなんです……」


「は?」



「はああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」



そう、俺の異世界転生はこの辺りから狂い始めたのだ。


普通、この手のものは大抵3パターンに分かれるだろう。


その1

何かが飛び抜けて良いパターン


その2

全部普通パターン


その3

全部低いパターン(特殊スキル持ち)


の、3つだろう。

なのにだ。

俺が引いたのはどれでも無い



「全部最強パターン」



無双系ゲームでもこんなことしないわ、面白くないもの。そりゃ、女神様も慌ててるわ。


「ち、ちょっと待ってくださいね翔様。きっと…こ、これは何かの間違いです!!水晶が上手く機能してないとか……そう、それです!!1回今のは忘れて、もう1回お願いします…!」


「は、はい…」


さて、やり直した結果は…



「「か、変わってない……」」



最強だった。


「他の水晶でやりましょう!!きっとこの水晶がおかしいんです!!」


そう言うと目の前から水晶玉が消え、また違うものが現れた。


「今度こそ…今度こそ上手くいくはずです!もう1回お願いします!!」


「はぁ…」


さてさて、水晶玉を変えてやってみた結果は…?



「「また、一緒だ……」」



でした。


「ちょっ、ちょっとお待ちください?上の者に確認しますので……」


そう言うと女神様はポケットからスマホのようなものを取りだしどこかへと電話をかけ始めた。


「……あ、もしもし…転生課日本担当のシーナですけども…能力値水晶のことで…はい……」


(転生課って……会社かよ…

それより、一体どうゆう事だ?俺あまりにも強すぎんか?いや、水晶が壊れてるのかもしれないけどさ…)


「…はい…はい……ありがとうございます…では、失礼します………お待たせしました翔様。ええと…結論から言いますと……」


「言いますと…?」


「どうやら、水晶の誤作動は確認されてないそうなのでこの能力値が正しい翔様の能力値だ、そうです…」


「……ええっと、能力値正しいと…俺がめちゃくちゃ強いってこと…ですか?」


「そうなります……」



「「……………」」



そう、水晶の方は正常だった。

異常なのは俺のステータスの方だったようだ。


「…ま、まぁ、能力値が低いよりはいいじゃないですか!強い分には越したことないと思いますし!」


「で、ですよね!俺もそう思います!それに、どんなに強くても魔王に必ず勝てるという訳では無いですもんね!?」


「そ、そうですよ!魔王側もいきなり来た冒険者に勝たれても困りますもんね!?物語成り立たないですもんね!?」


とまぁ、こんな感じで俺のステータスは決定した。一応、女神様に聞いたのだがこっちに転生できる人は限られておりそれも、ある一定以上の能力値を持っている人間のみ転生が許されてるらしい。そのため、俺の能力値が人並み外れてることはおかしなことでは無いのだが……まぁ、これはやりすぎだよな。


「それでは、気を取り直して……翔様、貴方に異世界のことについて少し説明したいと思います。」


「あ、はい。よろしくお願いします。」



「では…。貴方がこれから転生する異世界の人類は先程も述べました通り魔王軍による進行を受けております。

そこで、貴方達「転生者」に我ら神より恩恵を受け魔王軍の進行の阻止、そして撃破を行って頂きます。

今現在、その世界には6つの大国が存在しどの大国も魔王軍との戦争状態にあります。

貴方にはその6つの国を救って頂きたい!

とても、困難な道のりではあるのは重々承知です…ですが!貴方達の活躍にこの世界の命運が懸かっています!!

決して諦めることなく魔王軍撃破に力を注いでください!!」


「はい!!」


(さぁ、来たぞ!!これから、この宮原 翔の伝説が始まるんだ!!)


「…良い返事ですね……それでは、この剣をお取りください。」


そこに現れたのは言葉にしがたい何色でもない両刃剣だった。


「こちらが私たちから貴方に贈る”宝具”です。ですが、今のままでは武器としては機能しません。この宝具はその持ち手によって形を変えるのです。今は剣の形をしていますが弓や槍、杖や銃にも形を変えます。

さぁ…宮原 翔様……いえ、勇者ショウ様。

この宝具を受け取りください。」


「はい……この宝具と共に魔王軍を打ち倒すことを誓います!!」


そう言って俺はその宝具に手を伸ばした。

指先が触れた瞬間、宝具は眩い光を放ち形を変えて行った。



「うわっ!?」



そして、俺の手の中には先程の両刃剣ではなく1冊の本があった。



「これが……俺の宝具__」



「…それでは、ショウ様。

異世界への門を開きます。

貴方の旅路に幸福のあらんことを…」


女神様がそう口にすると今まで広がっていた草原の中に大きな扉が現れた。


「…では、行ってきます女神様!!」


「いってらっしゃい……お気をつけて…」


そう言って俺はその扉を開き異世界へと踏み出した。


そう、ここまでが俺の物語のプロローグ。



…………ここまでは、良かったのだ…





つづく










2話目になりますね。

ここまでが彼の言うとおりプロローグ。

ここから先がいざ、冒険スタート…のはずです。

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