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エンペラートレントの種のドロップ方法

 エンペラートレントを伐り続けた。

 エンペラートレント木材がいっぱい集まってきた。

 変異種の素材もあるので、これだけでもパペットや武器の素材として十分使えそうだ。

 ただ、目的のエンペラートレントの種は見つからない。

 そういえば、エルダートレントを倒したときも種は一度も手に入らなかった。

 種のドロップ率はかなり低いのだろうか?

 俺の幸運値の高さを持ってしてもドロップしないのは不自然だ。

 そう思って、つい苦笑しそうになるも、配信されているのを思い出してなんとか堪える。


 昔は自分の運の良さを呪ったものだけど、いまは自分の幸運値に頼ってるなんて不思議なもんだな。


「少し休憩にするか」

「そうね。枠登録している配信時間もそろそろ終わりだしね」


[もう終わり?]

[今日も凄かった。エンペラートレントの素材、買い取り価格凄そう]

[そこまでの素材だと加工できる人間がいないから買い取り不可のはず]

[売れないなら一個欲しい。オブジェとして飾りたい。一万円までなら出す]

[買い取り不可ってマ?]

[ダンジョン素材の個人間の売買は禁止だぞ。買い取り不可素材と言ってもオークションに流れたら絶対一万円じゃ買えない]

[お疲れ様でした。皆さん、無事帰ってきてください。地上に戻るまでがダンジョン探索です]

[やば、米炊くん忘れてた。お疲れ様でした]


 配信が終了した。

 宣言通り休憩をする。


「姫、過去にトレント系の種のドロップ報告はあるんだよな?」

「あるわよ。ちょっと待ってね」


 姫が役目を終えたばかりの配信クリスタルを使う。

 どうやらオフィスで配信のサポートをしていた明石さんと連絡を取っているらしい。


「過去にトレント狩りのブームがあったの。トレントの木材で作ったボウガンの矢なら丈夫で魔物にも効果があるということで買い取り価格がとても高かったのよね」


 そういえば、ミルクの最初の武器がボウガンだったけど、その値段がべらぼうに高かったな。

 矢三十本込みで五百万円とかだったっけ?

 しかも、後から聞いた話だと矢の値段が一本十万円くらいするらしい。

 トレント木材の大きさを考えると、木材一個で百本くらいの矢が作れるから、一千万円か。

 また、加工賃や販売手数料などがあるから、素材の買い取り価格はもっと安いと思うけど。


「そういえば、ボウガンってトレントの矢は売ってるけど、エルダートレントの矢とか売っていませんよね」

「低レベルの魔物ならトレントの矢で十分で、エルダートレントの矢が必要になってくるのは二十階層くらいになるけど、そのあたりの魔物になると普通のボウガンだとまず当たらない敵が多いし、ボウガンに頼らないと戦えない人はそこまで深い階層に行かないからだよ」


 アヤメが疑問をぶつけ、ミルクが答える。

 さすが元ボウガン使いだけあって詳しいな。

 ボウガンの矢の速度は秒速50メートルにも満たないらしい。

 拳銃の弾速は秒速300メートル以上あるから、六分の一にも満たない。

 毛〇蘭お姉ちゃんでなくても避けられる。

 それでもかなり速いように思うが、二十階層級の魔物なら後ろから気付かれないように射ないと、動きの遅い魔物じゃない限り絶対に避けられる。

 あくまでボウガンは魔物に近付いて戦うのが怖い初心者用の武器ってことだ。

 浅い階層でしか使わないのなら、エルダートレントの矢までいったら……確か、こういうのを役不足って言うんだっけか?

 それに、加工できる職人も少ないだろうし。


「で、大量に魔物を狩ったときにトレントの種がドロップされたのか」


 まぁ、どれだけドロップ確率が低くても母数が多ければ一個や二個ドロップするか。

 自分で聞いてみてなんだが、とても王道な方法だな。


「違うのよ。大量にトレントが狩られたときはトレントの種が一個も出なかったんだけど、トレントの出現数が減って、それに比例するように探索者の数が落ち着いたところでドロップしたのよ」

「え?」


 トレントがいっぱいいて倒されていたときはドロップしなかったのに、トレントが少なくなって倒される数が減ったときはドロップした?

 トレントの数が減ったから本能的に子孫を増やそうと種を出すようになったのか?

 いや、魔物って瘴気から生まれるわけだから違うよな。


「もしかして、栄養でしょうか?」


 アヤメが考えるように呟いた。


「栄養?」

「はい。普段は多くのトレントで分け合っている栄養が、トレントの数が減って一本のトレントに集まるようになり、種を作れるようになった――とか」

「なるほど……」


 その可能性はあるかもしれない。

 そうしたら、俺もトレントをいっぱい狩って――いや、これだけ狩ってもエンペラートレントは次々に現れている。

 まだ数が減る気配はない。


 だったら、植物の栄養剤を作るとか?


「そうなったら私の出番のようね!」


 ミルクが自信満々に言う。


「なんでミルクの出番なんだ?」

「栄養剤と言ったら薬でしょ? 私にはあるじゃない! 薬魔法が!」


 薬……魔法?


 あっ! そういえば、薬魔法って薬を作る魔法だったな。


 なんか最近ミルクの薬魔法は火薬しか作っていないからすっかり忘れていた。

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