スキル検証
他のダンジョンにエネルギーを奪われている?
それってどういうことだ?
ダンジョンとダンジョンの管理者は連動している。
ダンジョンが崩壊したらその管理をしているダンポンやダンプルは死んでしまう。
俺はこれまで、お宝ダンジョンと生駒山上遊園地ダンジョンでそれを経験してきた。
だから、ダンジョンのエネルギーを奪われたら、ダンプルに影響が出るっていうのは理解できるのだが――
「生駒山上遊園地のダンジョンができたとき、近くにダンジョンを作ってそのエネルギーを奪おうって話をしていたよな? つまり、ダンジョン学園の近くの他のダンジョン、梅田ダンジョンとかてんしばダンジョンがダンジョン学園のダンジョンからエネルギーを奪って弱体化させてるってことか?」
「僕たちはそんなことしないのです! ダンプルは敵なのですが、でもダンジョン学園のダンジョンは安全に考慮されてダンプルにしてはいいアイデアだったと思うので、不干渉と決めていたのですよ。そもそも、普通の状態ではダンプルをここまで抑え込むようなエネルギーの搾取はできないのです」
「ダンポンじゃないってことはダンプル? でもダンプルのダンジョンって、国内だと富士山と東京のダンジョン学園の二箇所くらいだろ?」
「だから、どこからエネルギーが奪われているか調べている途中だって言っているのです。ただ、普通にエネルギーを奪うだけでダンプルの意識を奪うようなことはできないはずなのですよ」
そうだよな。
エネルギーを奪うだけでダンプルの動きを完全に封じることができるのなら、生駒山上遊園地ダンジョンであんな苦労はしなかった。
リアルタイムだと一日にも満たない、だが実際は何ヵ月もPDの中に潜らないで済んだわけだし、三人のパーティメンバーと愛を確かめ合って結婚する必要はなかった――と言ったら彼女たちとの結婚が苦労話みたいなので訂正する必要があるだろうが。
つまり、普通にダンジョンのエネルギーを奪うだけではダンプルの動きを封じるのは不可能ということだ。
これだけでも、ダンポン側に犯人がいる確率は大きく減る。
だが、ダンプル側はどうなる?
ダンポンは言った。
他のダンジョンからエネルギーを奪うには、その近くにダンジョンを設置する必要がある。
近く――というには、大阪から富士山は遠い。東京はもっと遠い。
ヘリでも一時間はかかる。
むしろ東京と富士山の方が遥かに近い。
あべのハルカスから富士山は見えないが、スカイツリーからは富士山が見えるときがあるくらいだ。
だから、富士山のダンジョンの影響で休眠になるとしたら東京のダンジョン学園にいるダンプルの方だろう。
だが、ここに来る前に、なんならダンプルが行方不明になる前に俺は東京のダンジョン学園のダンプルの安否を確認した。
結果、その姿は目撃された。
あいつ、東京のダンジョン学園の生徒たちと一緒に写真を撮っていた。
なんか人気者のマスコットみたいな扱いをされていた。
マスコット的な見た目はしているが、お前は元々世界の敵として現れたとんでも生物だろ?
なんで誰より学園ライフを満喫しているんだよ。
ともかく、ダンプルがどのダンジョンからエネルギーを奪われているのかはわからないままってことか。
ダンポンに任せるしかないのだろうな。
「壱野さん、せっかくですし、ここで新しく覚えたスキルの検証をしていきませんか?」
「私も賛成よ。分身でアイテムボックスを共有できるか気になるし」
「じゃあ私も念動力の練習をしたいかな?」
あぁ、スキルの検証ね。
大切なことだものな。
そして、色々と検証した結果。
姫は分身を使ってオートマッピングによる地図の共有、アイテムボックスの共有が可能であることがわかった。
そして、アヤメの時空魔法――現在使えるのは『感覚速度上昇』。
これを使うと、周囲の流れが遅く感じる。
だが、決して自分が速く動けるわけではない。
むしろ、自分の動きが遅くなったように感じるレベルだ。
これは慣れるのに時間がかかる。
ただ、慣れたら相手の攻撃を躱したり、自分の次の攻撃の手を考えるための時間を増やしたりできるのはいいな。
臨機応変な対応に幅ができる。
アヤメも攻撃を躱しやすくなるだろう。
そして、微魔法はアヤメが言っていた通り様々な魔法が使える。
霧を生み出したり、静電気を発生させたり、攻撃としては微妙でも多岐にわたる魔法が使えるようになった。
特に暖気の服という魔法と冷気の服という魔法はいい。
温かい風や冷たい風を身に纏い、寒い場所や熱い場所での活動が可能になる。
これがあれば、ダンジョン学園の21階層以降の雪原での探索にスパイスドリンクの必要がなくなる。
ミルクの並列思考もいい。
銃の発射速度が遥かに上がった。
射石飲羽で銃の威力も遥かに上がっている。
念動力を使ってアイテムバッグの中から勝手に状態異常の銃弾が装填されているのにも驚いた。
なんでもう使いこなしているんだよ。
さて俺も。
影獣化を使い、基礎格闘術を使う。
「正拳突き! まわし蹴り!」
殴って蹴る。
なんとも原始的な戦い方だが、威力が遥かに上昇しているな。
今の熟練度だとこのくらいの攻撃しかできないが、使い続けたらもっと高度な攻撃ができるようになるだろう。
影獣化を解除して、二刀流で戦ってみる。
二本の剣を扱うのと、二刀流では全然違うな。
片手だけでピアノを弾くのと両手を使ってピアノを弾くときの難易度が全然違うように、二本同時に剣を使うには独特のセンスが必要になる。
スキルを持っていないときも試そうとして失敗したのだが、二刀流のスキルを得てみたらそれがうまいこといくようになった。
これは単純に攻撃力が二倍になるようなスキルじゃないな。
格闘術以上に攻撃の幅が広がる。
満足のいく検証結果だった。
その後姫は急に仕事が入ったため、アヤメとミルクの三人で帰宅。
もう夜も遅いので、カラオケは今度二人で行く約束をして、アヤメを送り届けた後、ミルクと二人、サー〇ィワンに行ってアイスを食べて健全な公園散歩をして帰宅した。
ミルクを家に送ったとき「またね」とさようならのキスをしようとしたんだけど、牛蔵さんが出てきたため、挨拶をして何もせずに帰宅をすることになった。
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新作始めました。
『世界の半分が欲しいって誰が言った!? 最強勇者の王国経営~せっかちな魔神の力で膨大な国土を手に入れたので国民を守るため残り半分の世界と戦います~』
チート勇者の王国経営物です。
もしよかったら読んでみてください。
一章終わるまで毎日更新予定です。
本作品の更新頻度に影響が出ないように適度に頑張ります。




