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ダンジョン学園(その4)


「さて、本日ご紹介する魔道具はこれ! 魔石融合機! 使い方は簡単。同じ種類の魔石を10個セットするだけ。スイッチを入れると黒い魔石が白い魔石に早変わり! 面倒な方は持っている魔石を全部入れてしまえば、機械が勝手に判別してくれます」


 と閑さんはなんかノリノリで説明をした。

 研究者、ド〇えもんときて、通販番組って、落差が大きすぎる。


「閑さん。なんで通販番組風なんですか?」

「わからないのかい、ベータくん。世の中で通販番組ほど商品の説明がわかりやすい番組はないのだぞ? なお、これは昨日よりダンジョン局で販売予約を開始している商品で一台の価格は800万円」


〔高っ!? 俺のアパートの家賃2000ヵ月分だ〕

〔でも、両替機ですら20万、30万円くらいするから、機械って高いものじゃない?〕

〔需要の低いニッチな便利機械ってだいたい高い〕

〔魔道具はそもそもレシピと魔道具作製スキルを持ってる人しか作れないから高い〕

〔家賃4000円のアパートが気になる〕


 リスナーも驚いてるな。

 普通に車が買える値段だし。

 とはいえ、これでもかなり値段を抑えていると聞いた。


「なお、年内製造予定の500台は既に予約でいっぱいだから、いますぐ予約注文しても届くのは来年になるそうだぞ」


 あれ、水野さんが取り急ぎ作るように言われていたのは100台だったはずだが、数がいつの間にか5倍になってる。

 この配信をきっかけにさらに注文が増えるのではないだろうか?

 素材の金属溶解液の値段が結構高いので会社としての利益は少なそうだが、EPO法人としての貢献値と水野さんの給料はうなぎのぼりだな。

 あと、地味に年内ノルマ500台ってのも凄いな。えっと、1台作るのに30分だから……うん、250時間。

 1日2時間ほど作業をすれば終わるペースだ……捕獲玉の製造と学校もあるけど、水野さん、コンビニのバイトも無事に円満退社できたみたいだし、きっと大丈夫だろう。

 魔石融合と休憩も終わり、移動再開。

 20階層を目指す


〔チーム救世主、日下遊園地ダンジョンの時は12階層くらいで手一杯って感じだったのに〕

〔いまのレベルどのくらい?〕


 質問が来た。


「四人揃ってレベル100に到達したわ」


 隠す必要もないので、姫があっけらかんとした口調で言うと、リスナーたちは驚いていた。

 と20階層のボス部屋に到着。


「じゃあ、一応影獣化使っとくか」


 と影獣化を使用。


〔あれ? ベータさんの鎧の形変わってね?〕

〔前よりカッコよくなってる。野性味が増した感じでいい。影の鎧って形が変えられるのか?〕

〔魔法はイメージだ。イメージを強く持てば魔法は応えてくれる〕

〔なろう主がよく言うアレな。イメージだけで強くなれる優しい世界〕

〔あの鎧って魔法なの?〕


 俺の鎧のデザインが変わったことに驚いているが、変わったのは形だけじゃない。

 ステータスも大きく跳ね上がってる。

 20階層のボス部屋に入った。

 現れたのは巨大な黒いスライムだった。

 これまでは犬神とか猿神とか牛神とかと戦っていたからそういう系統が来るのかと思ったら、思ったよりダンジョンの魔物だったな。


「ダークスライムキングだ。ベータくんの鎧は闇の力だろう? 解除したほうがいいんじゃないか?」


 と閑さんは言うけれど、俺たちは苦笑する。

 

「あの――」

「うん。アヤメが倒しなよ」

「そうだね。別に戦いを楽しむ必要はないでしょ」


〔闇属性相手なら、デルタちゃんの聖水の方がいいんじゃない?〕

〔よく間違えられるが闇属性は聖水が弱点ってわけじゃない。効果はあるけれど、他の魔物と変わらない。聖水が弱点なのは不死生物と悪魔系の魔物〕

〔不死生物と悪魔系以外に闇属性の魔物っているのか?〕

〔効果があるなら全員で戦う方が――〕


 とリスナーが話し合ってる中――


「スライムデス」


 アヤメがダークスライムキングに即死魔法を放った。

 ダークスライムキングが弾けとんだ。


〔ええぇぇぇぇぇぇぇぇえっ!?〕

〔スライム弾けた〕

〔スライムデス……魔法名鑑にも記録がない……またユニークスキルか〕

〔魔法名鑑に記録がなくても効果はわかる〕

 

 落ちていたダークスライムキングのコアを収納した。

 魔石は落ちなかったな。


 そして、21階層に移動。

 転移陣を発見。

 1階層に移動できる転移陣、やっぱりこのダンジョンにもあるんだな。

 利用するのはあとでいいだろう。


「さて、21階層に行くか。どんな場所だろうな?」


 工場、砂漠、草原といろいろあるが、21階層からはダンジョンの雰囲気が大きく異なる。


「ん? 夜?」


 天井部分には薄っすらと星と月のようなものが輝いている。

 赤土らしき地面がむき出しになっているが、遠くを見れば草や木が生えている。

 いたって普通の平原って感じかな?


「ねぇ、泰良――あれ――」


 姫が左の方を指差す。

 何か見つけたのか? そう思って彼女が指さした方角を見る。

 そちらに見えたのは、石造りの城壁だった。

 それだけならまだいい。

 ダンジョンの中に工場があるくらいだ。

 石造りの城壁があっても、ましてや高層ビルがあっても俺は受け入れる。

 あり得ないと思った原因は城壁の向こうに、普通に生活をしている人の姿が見えたからだ。


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― 新着の感想 ―
家賃4000円のアパートが気になる
[一言] 家賃4,000円/月! どこそこおしえてすぐいくから!!
[一言] やはり、ここでは自前で購入したと言う感じにしたか。 魔石融合機の値段は800万、これって材料費込みの場合の値段か? 法人として貢献度、と言う意味では、正直チーム救世主はダントツのトップでは…
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