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生命反応を見つけてせっかく来てみた俺だが、ほら穴で生き残ってた奴らはほぼ死にかけの状態だった。
生命反応事態はまだ残っているが、かろうじて生きていると言った感じだろう。死ぬのも時間の問題だと思われた。
そうかー、核弾頭って爆破の威力だけじゃなくてちょっとでも放射能を浴びたりしたら後遺症が残るんだっけ。空気汚染によるもかどうかなど詳しいところは専門家じゃないから知らないが、ともかくそういうことなのはほぼ間違いないだろう。というか俺だってつい昨日猛烈に体調を壊したばっかりじゃないか。ああ、アホだな、考えなくともわかることだったかも。
「これじゃあ他に世界中に生き残ってる連中も時間の経過とともに死ぬのかもな。ちょっと待ってみるもいいのかもしれないな」
確かめにいったとしてもこの男らのようにほぼ死にかけとかだったら無駄足になってしまう。
効果が浸透するまで待機するのも一興だろう。
「じゃあゆっくり休憩でもしますか。そういえば腹減ってきたな、この世界に来てからまだ何も食べてないし……って、あ」
俺は最悪の事態に気がついた。
しょ、食料どうするんだ? 核弾頭で全部吹き飛ばちゃったからろくに食えるもんないじゃないか。ああ、最悪、もういっそのことさっきの男らでも食らうか? いや、流石に人肉はアウトだよな、真っ当な人間としてはそんなことに手を染めるわけにはいかない。
「どうしよ……このまま餓死してしまうのだろうか……」
いや、そんなことになるわけにはいかない。そんなダサい死に方あってたまるか。考えろ、考えるんだ。
「……俺が作れたりしないか……?」
ピンと閃いた。
そうだ、俺は核弾頭を作った男たぞ。食材の一つや二つ生み出せても不思議じゃないだろ。
そう思った俺はとりあえず思いつくままにじゃがいもを創造してみた。
ぽんっと、目の前に地球でよく見たじゃがいもが出てきた。
き、きたー! すごい、やっぱり俺天才だなマジで。超完璧人間だな。マジで大興奮ものだろこれ。よーし、お次は人参に! キャベツに! お肉もいっちゃうかお肉お肉。ぽん! きたきたきたー! 何肉かは分からないが、とにかくお肉きったきた。
「じゃあ早速調理をって! 調理はめんどすぎるわ! なんでわざわざ食材を召喚してるんだ俺は。カレーでも作りまっせ、ってか? 冗談じゃない、そんなことならもう出来上がった料理を生み出すわ」
俺はカレーを創造してみた。
地面の上に白い皿に乗ったカレーライスが出現した。中盛くらいだ。
「きたー、マジできたぜー! これがガチで完璧な要因の一つだわ。やっぱり俺は完璧すぎて怖いわ。よーしじゃあ早速たべよう」
俺は瞬時に生成した銀のスプーンでカレーを掬って食べてみる。うーん、悪くない。いや、うまい! なんだろ、特に特筆するべきような味ではないけど、普通においしく食べれちゃうみたいな味だ。カレーと想像して大抵真っ先思いつくような味だなまぁ。流石に最強に美味しいカレーとか無理なのかな。まぁ俺の想像外のものは生み出せないってことなんですかね。まぁこれでも全然いいけどな。
「いいねぇ、お腹いっぱいだ。となると寝るところが具体的にほしいよなぁ」
適当なところで雑魚寝することも可能ではあるが、長期間休むとなればやはりしっかりとした宿がほしい。
「いけ! でっかいお城!」
俺はひらめきのままにその場に城を造り上げた。
凄い速度でにょきって感じで出来上がった。
これはでかい、やばいな、結構かっこいい感じだ。白亜の城を個人的には意識したからな。マジで城は色色ロマンがあっていい。あんまりお城の知識はないけどな。
「おじゃましまーす、この部屋でいいか」
俺は最初にたどり着いた部屋を寝室と決めた。
部屋というかロビーだ。廊下みたいな感じだな、もうダルいからここ俺の部屋決定な!
「じゃあ布団を召喚して、あとはまぁなにかいるかな。ぶっちゃけ布団があればあとは暇つぶしは無限にできるからな。考え事すればいいだけだしな」
そういうわけで俺は人間どもが減っていくのを辛抱強く待つことにした。
基本ぼーっとしていて、お腹が空けば食べ物を生成し、ランチタイム、ディナータイムを楽しむ。おっともちろんモーニングタイムも忘れちゃいけないぜ。とにかく有意義な時間を俺は過ごした。
そしてそうしている時間ただ待つというのもあれなので、ゆっくりしながらも例のごとく核弾頭を大量に生成し全世界にバラまき続けた。もうダメ押しだな。これで万が一、生き残ってたやつがいたとしても確実に全滅だろう。ああ、楽しみだなぁ。
俺は衣食住に苦労しない日々を過ごした。
そうしているうちに一ヶ月ほどが経過した。
「ふぅ。よーし、流石にこのくらいまでくればいい感じ減っただろう。様子を見てみようかな」
俺はとりあえず大量に発射していた核弾頭を中止。
約一ヶ月我慢していた探知魔法を発動させた。俺は味見は好きじゃないからな。ここまで確認するのを我慢していたんだ。味見をするやつはマジで滅んだらいいと思うわ。味見なんてマジで意味ないから。
果たして、その結果は――
「あ、あれ」
反応があった。思ったよりもたくさんあった。
確かにこの前発動させたときよりは大分減っていた。でもかなりの数残っているのには変わりなかった。おーい! どうなってんだー!




