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 男の人達に教えてもらった方向へ飛んでいると、たしかに前方に街らしきものが見えてきた。

 上から見下ろすからこそわかる、建物が密集してる感。

 ほほぉ、どうやら嘘は付いてなかったようだな。


 俺は門の前に堂々と着地した。


 ふぅ、空の旅も気持ちいいものだな。地球とは違う、異世界の空、風。

 うーん、こうしてみると異世界というのも案外悪くないのかもな。


「な、なんだ!」


「ひ、人が……」


 周りを見てみると、何人かが俺の方を見て驚いた表情をしていた。

 なんだ、なんで俺はこんなに注目を浴びてるんだろう。

 まぁ俺の輝きが素晴らしすぎるからだろうな。冗談、空を飛んできたからびっくりしたのだろう。


「そう驚くこともないんだがな、死ね」


 俺はほぼノータイムで眼力を飛ばした。

 今しがた言葉を発した男と女は、目を見開いたかと思えば、大量の血を吐血し地面に倒れた。

 すまんな、すごい刺激を与えて目の奥を破壊させてもらったぜ。


「きゃー!」


「お、おい! 人が倒れてるぞ」


 俺のした行動によってにわかに騒ぎになりかけていた。

 あーあ、また目立っちゃうよ。あんまり適当にやりすぎるのも良くないかもな。やるなら徹底的にやらないと逆張りにならないからな。異世界を破壊する。それが俺の神への復讐だ。


「しねしねしねしねえええ!」


 俺は指で人を指さしまくった。

 距離があるにも関わらず、指された人は倒れていった。

 指からは指圧がでており、狙い違わず頭部を貫通しているのだ。


「お、おい、手を上げろ!」


 そんな中制服を着た男らが俺に長い槍のようなものを構えていた。

 なんだ、この世界の警察とかか。

 そうか、銃とかがまだ開発されてなかったりするのかな。なんとなく分かってはいたけど、地球より大分文明レベルは低いんだな。


「手をあげまーす!」


 俺は巨大な拳を出現させ、真上から制服の男たちを叩き潰した。

 手をのけると、ぐっちょりとした男たちが地面にめり込んでいた。きっしょー。望み通り手をあげてやったぜ。


「こうなればとまらなーい!」


 俺は走り出した。

 そのまま出くわす人を立て続けに出現させた日本刀で斬りつけた。すごい切れ味の日本刀、ガチでとどまるところを知らないな俺の力というのは。どういう原理なんだろうか。まぁどうだっていいけどな、こんな力があるんだ、一滴残らず使い尽くしまくって全てを破壊してやる! 俺にこんな力を与えたことを後悔するんだ!


「おらおらおらおら!!!」


 俺はその後軽く百人以上を斬りつけまくって殺傷したが、このままだときりが無いと思い始めた。

 そこで俺は一つのひらめきのもと、空を飛んだ。

 そして街の中心部分まで移動する。

 上空からは巨大な街が一望できた。


「ふふふ、どうなることやらな、これをガチで食らってみてほしいわ」


 俺は手元に核弾頭を生成した。

 生み出される過程などはその手の知識など全くない俺にわかるはずもなかったので、適当にイメージして作ってみただけだ。


「さーて、これがどうなるのかなー。本当にばごーんとなるのかなぁ」


 俺は興味本位で作ってみたそれを、ぽい、と地面に投下した。

 核弾頭はゆっくりと地面に落下していき、見えなくなる。

 あれ、失敗かな。

 そんな考えが頭をよぎった時だった。

 視界が閃光でくらんだ。



「ぐっ!」



 ものすごいエネルギーの奔流が俺を襲う。

 視界は眩しいどころではない光で覆い尽くされ、完全に目を奪われた。

 夜間車のライトが眩しいとなる瞬間を、数百倍に倍化させたような感覚だ。


 加えて音もすごく、もうどかーんという感じだった。

 正直眩しすぎてそれどころではなかった感じだが、音の方もものすごかったというふうには言っておこう。


「ぐあ、ぐああああ」


 俺は大量に襲ってくる熱と煙に、息もできなくなりたまらず高速で退避した。

 数キロは離れたであろう地点まで移動し、現場の方を見てみる。

 そこにはキレイなキノコ雲が立ち上がっていた。

 ああ、すごい、これは、あの風景。

 どこかの資料で見た、例の原爆そのものだ。本当に原爆ってあんなきのこになるんだ。それとも俺がイメージしたものだからああなって当然ってことなのかな……


「けほっ!」


 俺は咳き込むと同時にバランスを崩し、地面に落下する。

 ぼた。

 地面に倒れ込んだまま、俺は動けなくなった。

 なん、だ、何が起きている……?


 俺は咳込みを受けた手をおもむろに見てみる。

 真っ赤な血が付着していた。つまり俺は吐血したということになる。


「ま、まさか……原爆の、被害に……」


 俺はピンときた。

 そうだ、それくらいしかない。

 言ってしまえば原爆を間近で食らったのだ。

 ただで済むはずがなかった。ちょっと考えればわかるはずの話だ。


 けど熱に揉まれて火傷の一つしていないのは、とっさに体を特殊な力で防御したからなのかもしれない。自分でも自分の力がよく分かっていないため、明確な答えは出せなかった。


「く、そう……」


 ただやはりその爆弾の威力は凄まじかったということか、俺の力をも凌駕してきた。

 熱は防げても、放射能なんかは防御不能だったというわけか。


「ああ、死ぬのかな、俺……」


 痛みは感じない。

 けれど俺の頭は徐々にぼんやりとし始めていた。

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