6:平和な日常
ゆっくり夢へと近づいていく
1週間後。
「なぁ....ところで夢の正体を追うって言ってたけど、手がかりでもあるのか?」
白りんと乖たんと学校から帰っている最中、白りんからそう聞かれた。
「うーん...今の所はないかなぁ...一応学校の皆に聞き回ってるんだけどね...何か情報はないかー!って」
「あ、でもそういえば...」
「ん?」
「何か...気になることでもあったのか?」
「いや...気になる程でもなかったんだけど...」
「聞き回ってた時にね...」
「変な夢って見たことない?」
「変な夢...?」
「うん!俺からー離れろー!って夢」
「いやぁ...そういう夢は見た事ないかも...」
「あ、でも不思議な体験はしたかな。」
「不思議な体験...?どんなの?」
「えっと...夢の中で怪我した所が現実でも怪我したことかな...」
「どこかにぶつけたとか...?」
「私も最初そうだと思ったんだけど...でも」
「でも?」
「怪我の仕方が不自然で切り傷だったんだよね...」
「どこかで切ったとか?」
「私の家ベッドだけど、木製じゃないからそうならないんだよね...」
「...確かに不思議だ...ありがとう!もしかすると僕の夢と同じかもしれない!」
「って話が...」
「なるほど....」
「んまぁ...ほぼ確実になっちゃんが見た夢と同じだろうな。」
「だよね...」
「本当に謎だな...夢に辿り着く方法がない。」
「生徒会皆に聞いてみるか?」
「それも考えたけど、理の件があるでしょ?だから無理には聞けないかなぁって」
「俺達も併走出来てるからあいつらもできるよ。」
「...迷惑じゃないかな?」
「大丈夫だって....迷惑だなんて思わないさ。あいつらお人好しだからな」
「お前もな、白神」
「うるせ、お前の方がだろ」
「んふっ」
「...?」
「....何かおかしかったか?」
「いや、やっぱり2人と一緒にいると楽しいなって!」
「....俺もだよ」
「もちろん俺もだ!」
「2人ともだーいすきっ!!」
「うぉぁっ!?」
「うぉっ....ふっ」
「今日は我は気分が良いぞ!!」
「....はいはい、乖十も俺ん家に来い。」
「おう!!」
「相変わらず広いな〜」
「ほんとにそれは思う」
「今日は妹いないから上がってくれ」
「お邪魔〜」
「お邪魔しまーす...」
「家に来るなら言ってくれればいいのに」
「っ...!?」
「ひっ...」
「びっくりした...」
「誰かと思ったら白神のお父さんかよ...」
「父上、あんまり人を驚かすな」
「そーんなこと言ったってぇ...普通に?出てきただけですし?」
「お前は1回痛い目を見ないと分からんようだな....」
「ごめん。それはやめてくれ」
「問答無用だオラ」
「とりあえず行こ?乖たん...」
「おう!」
「まぁとりあえず白神君の部屋で良いよね...」
「お邪魔します...」
「相変わらず広いなー」
「やっぱり乖たんは来たことあるんだ」
「ん、まぁな!」
「ただいま」
「おかえり白りん」
「今日はどうするんだ?」
「いや、家でお前らと遊びてぇなって思っただけだよ」
「そうか!」
「いいね!!」
「なら俺泊まる!」
「えっ」
「良いだろ?権治さん!」
「あぁいいぞ!」
「じゃあ僕も泊まろうかな」
「乖十ちんのお父さんに連絡入れとくな!」
「ありがとう!!権治さん!」
「....何でお前らが泊まることになってんだよ」
「別にいいじゃねぇか!な!なっちゃん!」
「ダメ...かな...」
「....はぁ....別にいいけどさ」
「よし!今日は寝ないぞー!」
「寝ろよ明日まだ学校あるだろ」
「あ、そうだった」
謎の能力、"夢"へと近づいていく凪津。その前に白神と乖十とお泊まり会。