4:白い双子
なんだか周りが騒がしく...?
「────────騒ぐなよ」
「はーい───」
...ん?女の子の声...?
「あ!!兄様!!ちょっと動いた!」
「うんうん!動いたよ!!お兄ちゃん!」
...兄...?
「....だからあんまり騒ぐなって、起きちまうだろうが」
「はーい」
「はーい」
「んん...ぅ...」
「兄様!!起きた!」
「お兄ちゃん!!起きた!」
「....起きたか」
「え?し...白りん...?」
「元気か?なっちゃん」
「う...うん...」
「....すまないな、妹がうるさくて」
「だって気になるんだもん!」
「そうそう!綺麗な人だし!」
「ここは...」
「....ここは俺ん家だ。ゆっくりしてくれ」
「ここが白りんの家の中...」
部屋ひっろ〜...部屋1個で住めるくらい広い...
「って、この子達が白りんの妹?」
「ああ、そうだ」
「こっちが海蕾」
「こんにちは!!お兄ちゃんの友達さん!」
「んで、こっちが叶恋」
「こんにちは!兄様のお友達さん!」
「こんにちは2人とも!」
超可愛い、この双子ちゃん。白りんと一緒の白髪なのか〜!髪の毛もサラサラで...
「へへ」
「〜♪」
気づいたら撫でてしまっていた。
「あ、ごめん!嫌だった?」
「ううん!嫌じゃない!もっと撫でて!」
「うん!撫でて!」
なんだこの可愛い生物は。
「あ!そうだ!このお友達さん名前なんて言うの?」
「確かに!!友達さん!お名前教えて!」
「僕は神無崎凪津、気軽に凪津って呼んでね〜」
「なつ...お姉ちゃん?」
「なつ...お兄ちゃん?」
よくある問題に直面した。
「あ〜...」
と、言葉に詰まっていると、白りんが
「えっとな....叶恋、海蕾、凪津は一応男ではあるけど、本人としてはどっちでもあるんだ。だから好きに呼んだらいいよ」
「ん〜...なら、かこはお姉ちゃん!」
「みらいはお兄ちゃん!」
「そかそか!よしよししてあげよう!!」
「よしよしよしよし!!」
「〜!!」
「わ〜!!」
と、めっちゃ嬉しそうな声と顔をしてくれた。
「今から、お兄ちゃん達大事な話するから2人は別のもので遊んでていいよ」
「ん〜...私はなつお兄ちゃんになでられとく!」
「私も!!なでて!!なつお姉ちゃん!!」
「いいよ〜!!わしゃわしゃ〜!!」
「にゃ〜!!」
「わ〜!!!」
ダメだ...この子達かわいすぎる...!!!
「んで、ところで、なんで倒れてたんだ?」
「...僕、この変な能力をゲットしてから変な夢を見るんだ。」
「夢....?」
「一体どんな夢なんだ?」
「俺から離れろ!近づくな!!...って言われるだけの夢なんだけど...」
「....それは確かに変だな」
「声の主の姿とかは分かるのか?」
「それが全然...」
「夢の主は分からないが離れろと訴えかけてくる....」
「可能性としてあるのは....能力だな。」
「やっぱりそうなの...?」
「ただ、夢を持つ能力者なんて聞いたことがない...」
「うぉぁ!?り、理事長さん!?」
「....いきなり現れんなよビビるだろ」
「おどかせようとするのうざーい」
「ありきたりすぎ」
「うぐっ」
理事長さんは落ち込んだ。
「夢を持つ能力者なんて、今まで聞いたことがない。」
「父上でも聞いたことないのか?」
「生まれる可能性はある、ただそういう概念のような能力は生まれる可能性がとてつもなく低い。」
「それって宝くじ当たるかくりつよりひくいの?」
「宝くじの確率が0.00001%だから...それより低いな。」
「ぅえー!すごー!」
「もし、夢の能力者がいるのなら本当に厄介だぞ...。」
「それ以前に倒すべき相手がいるのに....」
「え?倒すべき相手...?」
「あぁ...理と言う最悪の存在がな」
「こ、理....」
その際、白りんと理事長さんは全てを話してくれた。理が今まで行ってきた悪事を、そしてこれから起きようとしている災厄を。
「だから...夢に関しては情報しか渡せない...理の方が重要だからな...」
「いえ、大丈夫です!僕一人で何とか解決してみせます!」
「....すまないな、なっちゃん」
「大丈夫!夢に関しての情報を渡してもらうのなら、もし時間が合えば僕も理との戦いに参加するよ!」
「....大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。」
「....んまぁ父上が言うならいいんだが」
良かった...この夢に関する情報を誰かに話せて、そしてそれが白りん達で良かった...
「あ、そうだ僕をここまで連れてきてくれた人って誰なの?」
「あー、そっか...あの時意識なかったんだったもんな」
「あの時送ったの、霧木だよ。」
「霧木...」
「官房長官の」
「え、」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!!??!?」
夢に関する情報を白神親子に話した凪津。参加は出来ないが、情報は渡せると権治は言った。果たしてこの変な夢を解決できるのか。