33:魔皇再臨
アザトースの目覚め、この目覚めは世界にどう影響されるのか。
な...何この圧...
僕はあまりに異質すぎる威圧にただ立ち尽くすしか出来ない。
(まずい...絶対にまずい!!!あの姿はっ!!なんで裁兎の中にこいつがいるんだ...っ!!早めに戻さなければ...っ!!!)
(なんで裁兎にあいつがいるのっ...!すぐさま消さないと...っ!!)
すぐに権治さんは白りんだった人の前に移動した。更に誅絽さんも白りんだった人の後ろに回った。
「消失権!」
「始まりの空間」
「なっ!?」
「なんだ...?」
そうだ...!!乖たん!!
「逃げて!!乖たん!!!」
「えっ?」
「いやはや....久方ぶりの現世だな....」
「...嘘だろ...効いてない...?」
「そんな...」
「汝らは何者ぞ」
と"その者"は問いかけてきた。
すると2人が小声で乖たんに話している様子が見えた。
「...とりあえず俺らが合図したら本気の姿で逃げろ」
「な、なんで...?」
「今のままじゃ全員死ぬの」
「でも裁兎はどうすんだよ」
「っ...それは」
「おい」
とてつもない威圧をその者は出した。
「もしや汝は彼方の者か」
と誅絽さんを見ながらその者は言う。
「...彼方の...者だと?」
「なるほどな....」
「ふむ....」
今だ行けとサインを送る。すると乖たんはすぐに逃げようとした瞬間
「何処へ行く」
またもや先程と同等の威圧が来る。
「2人とも構わず逃げろ!!ここは俺らが食い止める!!」
「起動」
〝これよりこの宇宙の全権所有者を一時的に復活させます〟
「始空」
に、逃げないと...っ!!
「何故に余から逃げる」
ま、またあの圧がっ...!!
「構うな!!振り向くな!!全力で逃げろ!!今の最善手は唯福を呼ぶことだ!!」
「....逃げるのであれば....混沌なる砕餓」
「アガ...ッ」
「グァッ...」
な、なぜ目覚めてしまったんだ...神々の始祖、アザトースが...
すると俺の目の前にアザトースは現れた。
「余が目覚めた理由を知りたいか」
「あ...あぁ...そ、その通り...だ...」
「強いて言えば、余と似た顔をしたあの上でふんぞり返っていたあやつとの戦いだ」
理との戦いで目覚めたのか...
「ただ余はもうこの世界に興味は無い。が、破壊する気もない」
えっ...?
「この体の持ち主....白神裁兎という人間に余は興味を持っている。」
「つ...つまり...どういう事だ」
「....つまりだな余がこの場で戦っても、何も得も無いのだ」
「それに汝は彼方の者とどうやら契りを結んでいるみたいだからな」
彼方の者...?まさか虚空って...
「あぁ、彼方の者。ヨグ=ソトースだ」
嘘だろ...
「ぐっ...ぅ」
「....余の前から逃走しようとした事に怒り心頭になってしまい、誤って汝らに攻撃をしてしまったことを謝罪しよう。」
「余が生まれ何億年以上も経つが、初めて人に興味を持った。だから余は現状は人類滅亡等はせん。ただ此奴が死ぬ可能性があれば余はその者を殺すであろう。」
「...あぁ、分かった...」
「....早い目に人間をこの場から逃がして正解だ。余の種族は人間が見れば狂気になるからな。治癒等は各自してくれ。久方ぶりの現世で興奮してしまったのを許して欲しい。」
と言いアザトースは裁兎の中に戻った。
「...はぁ...」
「裁兎の中に魔皇がいるなんて...」
「...でも待て、確か彼方の者は性別では男だよな...」
「じゃあなんで虚空は女なんだ...?」
「分からない...ただ私の中に何かがいるって言うのは分かるの...何かとてもヤバい物が...」
「ただ、全てに合点がいった」
「何故、裁兎はちゃんと作ったのに目が見えなかったのか、何故裁判という能力なのに時間停止関係なく移動できるのか、何故、神相当の強さの相手にただの裁判で倒せるのか...」
「俺らが作っておいてなんだけど矛盾が多すぎた...」
「白痴の魔王って呼ばれてるけど、本人は意外と賢いんだね...」
「確かにそれは思ったわ...」
「ん...んぅ...」
「お、起きたか」
「唯福君連れてきました!!権治さん!!...ってあれ?」
「おかえりなさい、もう終わったよ」
「えっ?」
「どうやら危害を加えるつもりはなかったらしい」
「...じゃあ俺はなんで呼ばれたんだよ...」
「俺らの早とちりだったな...すまん」
「いや...まぁ白りんが無事なら良いけど...」
何とか白りんを戻すことに成功した。そして、僕がいなかった時のことを権治さんは話してくれた。超驚いてしまったが、不思議に思うところは無かった。
「じゃあ裁兎の能力は裁判じゃなくて混沌って事か?」
「...んまぁそういうことになるな...」
「じゃあ俺が話してた相手ってアザトースだったのか...」
「なるほどな...」
「生まれてからずっと裁判だと思ってたからなんか不思議だわ...」
「だろうね...」
「ちなみにその名前と、彼方の者の名前は宿っている本人以外が口にすると、侵食されるっぽいぞ」
「えっ...」
「マジかよ...」
「...まぁとりあえず、何とかなって良かったな」
「あぁ...そうだな...」
白りんの能力が裁判ではなく魔皇の力だと思いもしなかったけど、特に何も無くて助かった...。
「...この感じ...」
「どうした?循環」
「...嘘だろ...最高じゃねぇか...!!」
「どうしたんだ」
「目覚めやがった。」
「何がだ」
「最凶最悪の邪神。そして万物の王。」
「魔皇が」
裁兎の能力は裁判ではなくアザトースそのものの力だった。今まではその片鱗を使っていたが、この目覚めでその全貌が使えるようになった今、どのように物語が進むのか。




