10:いきなり変わる人生
霧域絃夢と白神権治は出会ってしまった。
「え、あ、え...」
ななななななななんで僕!?ま、まさか...昨日の能力がバレた...!?誰にも言ってないはずなのに...!!ちゃんと人がいないところだったし...
「な、何の用なのでしょうか...」
「ふむ...なるほど...これは...」
ちちちち近い...たださえ人と話したことないのに...それに加算されてイケメンだから近いと...うぅ...緊張するぅうぅ...
「面白い!!まさか本当に後天性が存在するとは!!」
と目の前の人が大声で言った途端。周りはざわついた。
「え゛っ!?」
こ、後天性?!ど、どういう事...?
「君には俺に着いてきてもらう。」
「えっ...?」
なななななんで...
「あ、一応言っとくと親御さんには急遽転入してもらうと報告したと同時に、君には引っ越してもらうと言ったよ。」
「え゛ぇ゛!?」
僕の知らないところでそんなことが!?ってかなんでお父さんとお母さんは了承してるの!?
こ、この人...無茶苦茶だ...
「この子の友達がもしいるのなら、今なら別れの言葉言う時間あるが...」
と白髪の人が言うと、シーンとした。まぁそりゃそうだよ。僕に友達、ましてやまともに話してくれる人もいない学校だからね。
「...やはりそうか」
とボソッと小声で言った。するとその人はまた顔を近づけて耳元でこう囁いた
「君、虐められてるんだね。先生にも放置され親にも虐待をされ続けている。そうだね?」
「えっ...」
「さっき、君の両親と会って話してきた。と言っただろう?」
「あ、はい。」
「その時に違和感に気づいたんだ。まぁ確かに家族は、血が繋がってるとはいえ他人ではある。だが自身の子供の話だ、常人なら親身に聞いてくれるはずなんだが...」
「って話なんですが...」
「あの子が...?まぁそうですね...確かにテストの点数も下から数えた方が早いですし、成績も悪いですからね...どこか変で異常な子なんだろうなと思ってはいましたが...まさか本当に異常だなんて...」
「生まれた時に検査しても異常はなかったんですけどね...」
「はぁ...通りで...」
と、母親はため息ついでにボソっと言った。
他人の事情だから首を突っ込むのはよそう。と自分を抑え込んだ時に君のお母さんは言った。
「別にいいですよ、あの子、私からしてもイラつく要素でしかなかったですし。なんならこの世に生まれて来なかった方が良かったです。」
「なっ、おい...それは流石に...」
その発言をして、俺は抑えきれなかった。
「子供はあなたの道具では無い!!!」
「っ!!」
「...なんですか?」
「だから!!子供はお前らの道具じゃねぇっつってんだよ!!!」
「なっ...!」
「確かに、子供は何考えてるか分からないし、自分のやって欲しいと思ってる事と全然違うことをしてしまう...。だからと言って!自分の思い通りに動くように暴力や暴言で強制的に子供を動かすのは間違ってる!!!」
「...なんですか、あなた!!他の人の家の事情に勝手に突っ込んで!」
と母親も怒号を上げたが、俺は続けて
「良いですか!私も3人の子供がいます!!確かに私の子供も自由奔放で色々やんちゃをしてしまいます。ですが!!それが子供なんです!!子供とは自分の想像もつかないようなことをし、奇想天外な行動をするものなのです!!」
「わ、私には私の育て方があるんです!!!いい加減にしてください!!」
「いい加減にするのはそっちの方です!!子供はあなたのおもちゃではないし道具でもない!!それに絃夢ちゃんは100%あなたのものではない!!!」
「っ...」
「こんな両親がいただなんて...軽蔑しました。帰らせていただきます。」
「...私も貴方のような人なんて二度と見たくありません。」
「あと、あなたにはあなたの育て方があると言いましたね」
「...そうですが」
「子供に虐待をし道具のように扱うのがあなたの育て方なら、あなたは1回最悪の苦しみを味わった方が良い。」
「なっ...」
「それを無視していたお父様。貴方も共犯ですからね。」
「...分かっています。」
「では、失礼致します。」
「と、まぁ...君の両親と軽く言い合いになってしまって...」
軽くじゃないでしょそれもう...
「その後すぐに、捕まったんだけどね。虐待の容疑でね。あとは君の証言があれば逮捕出来るけど...君はどうする?」
「え、えと...」
そりゃ、虐待されたのは本当に辛かったし、死のうかな...なんて毎日のように思ってたけど...
「何だかんだ言って僕をここまで育ててきてくれた人なので...まぁでも虐待は許されないと思うので、執行猶予くらいで許してもらって欲しいですかね...」
「なっ...」
なんて優しい子なんだこの子は...今まで見た事がない。
「よし...話も終わったし、今から学校に行こう。」
「えっ!?」
「君は今から転校するんだから。」
「あ、そっか...」
「ちゃんと俺に捕まって」
「えっ...?」
「それじゃ...レッツラ...ゴー!!!!」
「うぁああああああああ!??!?!!?!」
「うぇ...!?」
えっ!?えええええええええええええ!??!?!!?!?!
「そそそそそそそそ空を飛んでる!?!?!」
「どうだい?これが空を飛ぶ感覚だよ!」
「うわぁあああああ!!!」
す、凄い感覚...これが夢にまで見た空を飛ぶ感覚...
「お、見えた。あそこが俺の高校。国立神夜乃高校」
「でっっか!」
「はははっそうだろ?」
「あっ...」
思わず口に出てしまった...
「よっと...まだ朝のホームルーム終わってないから今なら行ける。ちなみに君はE組だな。」
「え、あ、はい...」
「えっと...1年E組...か...」
とあの白髪の人...多分理事長さん?に貰ったマップを頼りに進んでいく。
「あ、着いた...」
先生も僕が着いたことに気づいたようで
「入ってきて良いよ」
と言ってくれた。
「し、失礼します...」
と緊張と久しぶりに人前で話すので上手く喋れるか不安の中ドアを開ける。
「...あれ...」
一見ごく普通のクラス。異常学校って見た目は普通なのか...と思いながら真ん中の方へと進む。
「え、えと...き、今日からこの高校に...て、転入しました。霧域絃夢と...言います。よろしく...お、お願いします...。」
よ、よし普通に挨拶できた...
「と、言うことでみんなには絃夢と仲良くなってもらうために質問をしていこうかなと」
え゛っ!?ししししし質問...!?う、嘘でしょ?
「はい!」
「はい、癒姫。」
「能力を教えて欲しい!!」
の、能力...!?そ、そんなの...僕にも分からない...
「絃夢の能力を知りたいって。」
「え、あ、あの...ま、まだ分からないです...能力に目覚めたばかりなので...」
「...っ」
「えっ...」
「「えぇえええ!!?!?」」
「うぇぁ!?」
「う、嘘!?後天性能力者!?」
「超超超激レアじゃん!!!」
「やば!!!」
「マジかよ...」
と、口々にクラスの皆は言う。
「え、そ、その後天性能力者...?って言うのはどれほどレアなの...?」
「今後生まれるか怪しいレベルの確率だよ!」
「え゛っ...」
ど、どうして僕がいきなりそんな超激レアな人になっちゃったの...僕はただ普通に過ごしたいだけなのに...。な、なんか僕の人生がこの一日で大きく変わったような気がする...
後天性異常能力者となった霧域絃夢。ただこの学校には癖が強い奴らが多くて...




