0:僕の始まり
この物語は僕だけの物語。
僕は、生まれながらに何も無い。個性もない。目立たない。才能もない。凡人の中の凡人が僕。そんな僕と友達になってくれたのが、乖たんこと乖十と白りんこと裁兎。こんな何も無い僕と友達が出来たことがとても嬉しかった。
この話は、僕と乖たんと白りんの出会った後の話だ。
「ねぇ!お母さん!遊びに行っていい?」
「えぇ...行ってらっしゃい」
当時、僕らはまだ4歳だった。そしてお母さんは病弱で、ずっと病院に篭もりっきりだった。お父さんは仕事が忙しく、中々会えることは少ないけど、お母さんがいてくれたから大丈夫だった。
「お!来たな!なっちゃん!」
「....こいつの付き合いに無理してこなくてもいいのに」
「ううん!無理してきてないよ!2人と遊ぶの楽しいから来てる!」
「だってよ!裁兎!」
「....そうか」
「なんだよその顔!!」
「本当にその能力すっごいなぁ!いつか僕も使ってみたい!!」
「良いけど、もしゲット出来てもいい人に使ったらダメだぞ!なっちゃん!!」
「ぇ...?」
「...そうだよなっちゃん。そうしたら悪い人になっちゃう。」
そうだよね...悪い人になりたくないし...
「悪い人になら使っても良いけど、何もしてない人に使うと悪い人になるぞ!もし悪い人になったら裁兎が倒しに行っちゃうからな!!ハハハ!!」
「先にお前を倒そうかな」
「なんだと!?」
この2人と一緒に遊んでいると時間が過ぎるのが早く感じた。本当に楽しいんだ。この2人との遊びは。戦いごっこをしたり。隠れんぼをしたり。鬼ごっこをしたり。2人はこの時には能力に目覚めてて、戦いなんて見てるだけでも楽しかった。ワクワクした。自分がこういう風に戦えたらなぁと何度も思った。
でも...
「凪津君。君はね、健康児だからそういう...能力は使えないんだ...。」
「...そんな」
当時の僕はショックすぎた。2人とは違うんだと。僕は普通なんだと。僕は凡人なのだと。
「お母さん...僕...乖たんと白りんとは違うんだって...」
「...凪津、おいで?」
「うん...」
「あのね凪津。諦めちゃダメ。例え違うくても他の事で2人に並べばいいじゃない。たくさん努力してそれでも無理だったら諦めても良い。でも何もしないで諦めたら何も始まらないのよ。」
「努力...」
「分かった...!お母さん!僕たくさん努力する!」
「うん...その意気───」
「よし...!頑張る...ぞ」
「お母さん...?お母さん!!お母さん!!!!」
お母さんが亡くなった。努力しようと頑張ろうとした時に...
「うぁ...ひっ...お母さん...っ...おかぁ...さっ...」
お父さんがすぐに帰ってきた。お母さんのお葬式の為に。
「ねぇ...お父さん...」
「...なんだ」
「お母さん...最期にね言ってくれたんだ。」
「...」
「頑張って努力してって。」
「...そうか」
「友達の2人みたいになりたいん」
「やめろ!」
「え...」
「あの2人にはなるな...あれは...異常なんだ...」
「い...じょう...?」
「当分あの子達とは遊ばないようにな」
「え...?なん...」
「あの子達はこの世界では異常と呼ばれる人種にある。」
「世の中から気味悪がられてるんだ。そして無論お父さんもああいう奴らは気味が悪いと思ってる。だからお前が無事に産まれてきて良かったと思ってる。」
「え...」
「だからな...凪津。あいつらには憧れるな。お前には今のままでいてくれ...」
「そんな...乖たんと白りんは優しいよ!遊んでていつも楽しいし!何より!!カッコイイんだ!!」
「なんで...なんでその2人と遊んじゃダメなの...?」
「何ででもだ...凪津...。」
「...そん...な...」
そうして僕は、乖たんと白りんと一切会わなくなってから2年が経ち、小学校に上がった。でもお母さんと約束した通り努力をした。勉強を努力し、運動も努力した。だけど...
「努力しても100点取れてないじゃないか!!」
「うぅっ...」
「お...お父さん...」
「100点取れるまで勉強と運動を叩き込んでやる」
「痛っ...お、お父さん!!」
小学校中学年の時までは暴力的な虐待はして来なかったが...高学年になると。
「何度言えばわかるんだ凪津!!」
「ご...ごめんなさい...」
「どうしてテストの100点取れないんだ!」
「で...でも、努力はしてる...よ?」
「もっと死ぬ気で努力しなさい!!」
「...はい...」
この時から薄々気づいてはいた。もしかしたら僕は努力しても何も成長しないのでは無いか...と。勉強も全て平均点ちょい上くらいまで、運動もちょっと出来るくらいで...
「凪津...大丈夫か?」
「あ、いや...ちょっと寝不足で...大丈夫です。先生。」
「...そっか...なんかあったら言えよな」
「はい...」
そんな生活が中2まで続いた。
「1位を取れと言ってるだろ!!」
「あがっ...」
「昔からずっと言ってるのに何で出来ない!!」
「ごめんなっ...ごっ...さい...ぁっ」
「お前はっ!!約立たずのッ!!ゴミだ!!」
「...風がつめてぇ...」
中学3年生の夏その時思った。僕なんで生きているのだろうと。どうして僕は生きているのか...誰も死ぬことを否定してる訳でもない。そして俺が死んだって悲しむ人らがいる訳でもない。一刻も早くこんな地獄から抜け出したい。そんな幻想が叶えば良いのに...
「叶えたい願いがあるのか?人間。」
「え...?何この声...」
「叶えたい願いがあるのか?と聞いてるのだ人間よ。」
「え...?」
「...もう3度言わんぞ」
「...僕は叶えたい願いがあるんだ...」
「その願いを言ってみろ。」
「今の環境から...抜け出したい...っ」
「今の頑張らなきゃ行けないと言う人生から...抜け出したいんだ...っ...」
僕は...10年振りに大泣きした。名も知らぬ姿も見えぬ謎の奴の前で。
「ならその願い、叶えてやろう。」
「...え?」
「その代わりにお前の体を借りるぞ」
「えっ」
その後の記憶はない。ただ気づいた時にはお父さんは家から出ていっていた。
「な、何が...」
「夢じゃない...?」
その日を境に不思議なことがずっと起きた。喧嘩をふっかけて来た奴が倒れてたり、変な男に絡まれたりしてた人を見て助けたいけど...って思ったら男がボコボコにされていたり...。と、思ったことが全て叶う。金銭関係や女性関係は願ったことは無いから分からないけど。
「な、なんで...?」
正直、怖くはなっていた。何故か思ったように全てが動くから...と自分に怯えていたら。急に校長先生から呼び出された。
「な...何ですか校長先生...」
「この方から話があるそうです。神無崎さん」
「え...この人は?」
「この人は神夜乃高校の理事長。白神権治さんです。」
え、白神...って...
「どうも神無崎凪津さん。白神権治です。」
さて、異常から生まれた能力でいたキャラクター、神無崎凪津の話です。このキャラクターは今まで情報が少なすぎましたからね...。だから書き始めました!!よろしくお願いします!