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008 魔法薬について

こういうのって考えるのは楽しいよねってやつ。

【概要】

 魔性植物や瘴魔、魔鉱石、魔晶石を素材とした薬品・薬剤全般を指す。

 魔道師や魔道医が魔力を込めて、もしくは一定以上のマナ(魔力)を含んだ素材を元とすることで調合する薬品でもある。なお、魔法薬はその性質から魔力がある程度ある=魔道を学んでいる者しか調合できない上、投与できない。


 主に魔道を学んでいない平民が使う、普通の動植物の素材を使った薬は魔法薬とは呼ばれない。魔力を扱えない(引き出す魔力がないもの)者に魔法薬や魔力が強いものを与えると、効能を発揮するための魔力が引き出せないため暴走し、廃人化及び死亡する可能性がある。


 調合するのには資格免許がいらないが、処方するには魔道医の丙級資格以上が必要となる。つまり、作った魔法薬を無免許で他人に渡して使用されると、その時点で刑罰に処される。

 なお、薬と毒は紙一重を地で行くため、副作用のない魔法薬は基本的にない。むしろ、副作用が出ていれば主作用も及んでいるため効いている証拠となる。


 魔道具に必要な素材は『精製する』

 魔法薬を作るときは『調合する』

 と、動詞の使い方が一応決まっている。


 使用者の魔力を引き出すことで効果を発揮する。つまり、使えば魔力の量はジリジリ減るが、使われた分の魔力を回復しようと魔力が成長しようとする。

 これらを応用した魔力を底上げする魔法薬もあるが、魔力症を悪化させる恐れもあるため利用や投与は慎重に行われなければならない。

 元々の魔力がない者は引き出す魔力がないため使用できず、魔力がない者に投与するとアナフィラキシーショックのような拒否反応を起こし、死ぬ恐れがある。


 魔力症の緩和や魔力疲労の緩和でも投与されるが、魔力症が悪化する場合もあるため、魔法薬は基本的に常用するものではない。

 重篤な魔力症の者は常用することもある。が、基本的には定期的に投与するか一回こっきりの使用となる。


 魔力症は基本的に魔法薬で悪化するのを防いだり、緩和させたりするが、一時的なその場しのぎにしかならない。加えて、魔力は使用することで伸びるものであり、服用者の魔力を使用することで効力を発揮する魔法薬はどのみち根本的な完治の方法にはならない。


 魔力を多く消費させる薬を使っても、どのみち少しずつ魔力は回復してしまう。 『痒み止めを処方されたのに、薬に副作用・痒みがあるぞ。ほんま効くんかこれ』みたいなあれ。

 そのため、魔法薬は現実世界のエナドリ以上に『健康の前借り』をする薬『命の前借り』とも言われる。怪我・疲労回復系の魔法薬を使えば、当然自然治癒力も落ちる。


 ヴォルセナでは魔法薬に使われる魔性植物は質の良いドージュ(ダオシュ)産のものが多い。

 しかし、双子王子の争いによる内乱やクーデターにより、ドージュと王家の仲は悪化。圧力やら政治的な絡みや利権もあって、簡単には手に入らなくなってしまう。

 ヴォルセナでは国益を上げるための国家事業の一つに『魔法薬の研究・調合』が加えられているが、今のところまともな支援もないため研究者や魔道医は不満を募らせている。



【魔法薬なんじゃろな】

 治癒の力を持つ魔法薬などももちろんあるが、その性質から作中では特異な効果を持つ魔法薬ばかりが取り上げられる傾向にある。なお、回復魔法と同じく怪我や肉体疲労の回復を魔法薬任せにしていると、自然治癒力が落ちてしまい自分の体力だけで怪我や病気を治すことが難しくなっていく。


『姿を変える魔法薬と神経毒の一種』

 ↪︎どちらも同じ魔性植物から調合される。前者は赤い烏瓜のような実から、後者は緑の葉から精製される。どちらもドージュ(ダオシュ)に自生・生息する魔性植物である。

 調合するときには刻んだ実を茹でるより、そのまま蒸したものを刻んだほうが効力が高くなる。


 前者は使うと声色から外見まで変わる。骨格や声、容姿すらも大きく変える。

 変化した髪色や瞳の色には、使用者が執着している人物の容姿や強く望んでいる容姿が反映される。


 しかし、魔法薬自体は劇薬であるため身体を徐々に蝕まれる。加えて、変わった外見や声、魔力は二度と戻らない不可逆性の強い薬品である。

 また、魔力が変調するためこれまで使えた魔法を使うことができなくなる。今まで使っていた魔法薬も体質に合わなくなる。つまり、自分が持っていた適性の属性すらも変わってしまうことが多い。



『認識阻害の魔法薬』

 上述の植物とは違うものからできている魔法薬。飲んだ人間を第三者が見ると脳の認識がバグり、事実とは違うように第三者の目に映るようになる。ただし、魔法や特殊な術式・魔法陣を使った魔道具を使用すると見破ることができる。

 姿や声を変えたい者は余程のことがない限りこちらを使う。それでも姿を変える魔法薬を使うやつは、とんでもない大悪人かマッドサイエンティストである。



『筋肉弛緩剤』

 ガーゼに染み込ませて吸引させるタイプの魔法薬。手動の噴霧器使って投与することもある。量を間違えると呼吸が乱れて不整脈を引き起こし、最悪の場合死ぬ恐れがあるため投与には細心の注意が必要。


『麻酔薬』

 こちらもガーゼに染み込ませて吸引させるか、噴霧器で投与する。


『砕けた骨を治す魔法薬』『視力を戻す魔法薬』

 アーシェがフォスから魔法薬の精製・調合について教えてもらったときに、見せてもらった魔法薬。



『アーシェに投与されてた魔法薬』

 ドージュ(ダオシュ)にいた頃に、アーシェがキョウカから投与されていた魔法薬。

 血の近い者を被検対象に設定して開発研究された魔法薬で、魔力を増幅させたり、痛覚を無くしたりする効果がある。ただし、副作用も大きく身体がボロボロになる。アーシェが痛みに鈍かったり、体温調節を不得手としてるのはこのため。

 また、彼女の右腕の肘窩に変色した皮膚があるのは、この魔法薬を投与されていたため。



『人の能力を最大限まで引き伸ばす魔法薬』

 クーデターから始まったドージュ(ダオシュ)の内乱の終盤には、投入された殆どの兵士にこのような魔法薬が投与されていた。

 要は麻薬+興奮剤のようなもので、寿命を縮める代わりに能力のリミッターを外せる。



『精製すると結晶化する魔法薬』

 砕いて使う。薬品を砕いて内部が外気に触れると氷のように冷える。アイシング治療のために患部に使われる。


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