007 魔力症について
【概要】
別名『魔道師の職業病』
魔力が増えることで肉体の成長が遅れがちになったり、体調を崩しやすくなったりする。
魔道師が小柄なのはそのため。魔力症になると『魔力系が壊れている』と表現する。
また、マナの多い場所に行くと具合が悪くなる(ただし、これは魔力症でなくとも許容量を超えた者全員に当てはまる)。
この病ゆえに、魔道師の多くは虚弱で小柄というステレオタイプが出来上がっている。実際、どれだけ食べて寝ても太ることはなく、魔力の維持にエネルギーを取られてしまうため、贅肉どころか鍛えたとしても筋肉すらつかない。脂肪も筋肉もない鶏ガラ状態。
そんなこともザラである。
魔力が増えると維持するために常人よりも多く食べたり、多く睡眠が必要になったりする。また、魔力が多ければ多いほど、体格は小さいのに維持するためにご飯を食べるという「痩せの大食い」に似た現象を起こす。
その量は本当に尋常ではないため、大抵は抑え込むのに魔法薬が使われる。
しかし、魔法薬は魔力を使って効果を発現させる薬であり、魔力を減らすとそれに応じて魔力が増え続けるため根本的な治療となっていないのが現状である。
魔力を使えば魔力が伸びていくが、年齢によって差があり成長期が一番伸びやすい。しかし、身体的な成長を考えるならば成長期は一番魔法の使用を控えなければならない時期でもある。
【魔力症の程度】
上の上から下の下まで、九段階の区分けとなっている。
魔力症は程度により整えなければいけないものが違い、呼吸>睡眠>食事>の順番で整えなければならない。魔力の多いアーシェは睡眠を整えるのが最優先になり、アーシェより少ないが常人より魔力の多いフォスは食事を整える必要がある。
魔道師は個人の魔力量にもよるが、大体常人の倍ぐらい食べないといけないと言われている。作中でフォスはそれ以上食べている描写があり、アーシェは休日になるとほとんど寝ている(+身体が限界を訴えて平日でも熱を出して寝込む)ということから、魔力の維持は相当な負担であることがわかる。
呼吸を整えなきゃいけない重篤な魔力症の患者は呼吸器のような魔道具を付けて半強制的に生きるしか生きる道がなくなる。半年間、回復の兆しが見えなければ安楽死処置を施される。
【魔力ってそもそもなに】
人間(ヒト族)が持つ『正の力』を魔力、世界に満ちているのがマナ、瘴魔などが持ってる『負の力』を瘴力と呼ぶ。つまり、マナ=魔力や瘴気でもある。
昔(『原初』の時代)は一括りでマナと呼ばれた。
『狭間』の世界では『瘴力』と『魔力』で、それぞれ呼ばれる。区分分けとしては理性がある生き物が持っているかどうか。マナが豊かな土地であればあるほど、魔法の威力も高くなるが、土地や動植物の修復力も高い。
【先天性魔力症】
魔力症の親を持つ子供が生まれながらに魔力症になっていること。仮に正産期で産まれたとしても、産まれた時点で未熟児であることが多く、生後半年になって首が据わらないとほぼ確定する。
確定には、検査が必要。
生まれた子供が魔力症の場合は、たとえ貴族でも自分の手で育てるのが基本。魔法薬は子供の体に投与すると副作用のほうが強くなるため推奨されない。そのため、母乳など母親を介した投与が推奨される(ただこれ生物濃縮にならんのか)。
赤ん坊と同性の親が子供の魔力を定期的に吸い取ることで身体の成長を促したり、感情任せに魔力が暴発するのを防ぐ。
魔道を学んだ者を乳母として雇うことでもある程度対処は可能。ただし、やはり前述のこともあって自分の手で育てる者が多い。
【魔力疲労】
魔力を使いすぎるとなる。今まで体にあった魔力が殆どなくなっている状態のため、目眩や吐き気、頭痛、発熱といった症状が出る。また、魔力を大量に使って空っぽにした場合、体が危険信号を受容して大量に魔力を生み出すようになるため、いきなり魔力症が悪化する原因にもなる。
魔力疲労により魔力症を悪化させないようにするには、魔力を少しずつ回復させて、体にちゃんと魔力があることを知らせれば良い。そうすれば、魔力がいきなり大量に作られることもなくなる。
魔力疲労も広義で言えば魔力症の一つである。
なお、『魔力症』≒『常時顕在化してる魔力疲労』と思われがちだが、そうではない。
【魔力中毒】
急性魔力中毒がよく知られる。自分が許容できる魔力の量を超えて、魔力を吸収してしまうこと。また、魔力を消費して常より魔力の量が低いときに魔力やマナの多い場所に行くと、いきなり周囲のマナや魔力を吸収するようになるため、その落差に体が追いつかず気分が悪くなる。
魔力の維持や扱いに慣れていない者は最悪死ぬ。魔道師でも油断していると死んだり、魔力症が悪化しやすくなる。
【魔力焼け】
魔力焼けには二種類ある。
一つは術者自身の魔法によって怪我をする自己焼け。魔道師にはなるものが多いため、魔法陣の入った手袋で軽減している者も多い。
もう一つは、魔力が低い者が魔力の高い何かに触れてしまうことで起きる他人焼け。これは魔道を学んでいない者が、知らず知らずのうちにかかることが多い。
魔力に触れた部位はしばらくすると二倍近く膨れ上がり、硬質化し鱗のようにぽろぽろと剥がれ落ちる。この現象のときには痒みがひどいが、掻いてしまうとさらに悪化する。魔力が強いものに触れるとこれを何度も繰り返すことになる。
【不育性魔力症】
稀に、魔力が成長しない者(極端に魔力が成長しにくい者)が生まれることがある。現実のアレルギーに近いもので、これを『不育性魔力症』と言う。大体一〇〇から五〇〇人に一人程度の割合で生まれる。
原因が親の体質にあった場合、兄弟や子孫に共通遺伝することが多い。
【自然治癒力】
肉体が持っている基本的な治癒力。これがあるために怪我をしても怪我が治るし、病気になっても病気が治る。
魔法薬や魔法による回復に頼り切りになると、自然治癒力自体が胡座をかくようになってしまいうまく働かなくなる。そのため、多少の怪我や病気では魔法薬や回復魔法を使うことは推奨されない。
【精霊飼い】
精霊の力をその身に宿す者のこと。魔力を精霊との契約で使っているため魔力をほぼ持たない。加えて、精霊の力の影響を受けるため同勢親の属性ではない者が多い。作中ではヘリオスが該当する。精霊の気まぐれで決まるため、世界中に何人もいる。
『精霊飼い』は不遜極まりない表現であり、精霊を敬うときや物事を中立的に見るときは『精霊の愛し子』と言う。
本来、属性は同性の親から引き継がれるものであるが精霊飼いになると同性の親の属性と違うことが多い。そのため、精霊飼いの男児が生まれると母親の不貞が疑われることは珍しくない。




