002 世界情勢と歴史について
【概要】
『狭間』では『神々の戦い』の影響で獣人たちの国である六大陸は沈んだと言われており、中心に位置するあまり発展していない大陸だけが残った。
それでも獣人たちの大陸の影響を受けたアシュラ地方には、獣人たちの文明が見られるところもある。
そのため『狭間』の世界は一つの大陸であり、そこに数国が建国されて今の時代に繋がっている。
世界が分かれた影響で世界全体が持つ知識のうち、八割が『箱庭』の世界。二割が『狭間』の世界へ。ただ『箱庭』では人間(ヒト族)が虐殺されたので六割くらいに知識が減っている。
また、どちらの世界も崩壊によって歴史的な文書も散逸してしまっている状態。
共通歴という世界各国にて共通で使われている暦がある。が、ヴォルセナでは建国の年を一年目とする王国歴が使われていることも多い。現実世界の西暦と元号のようなものである。再び文明(というか人類)が崩壊することがないよう、公衆衛生や教育制度も発達しており、言語もクレオール語のような混ざった言語が使われている。
そのため国々や地方で変化した言葉は方言のような扱いとなっている。『神々の戦い』以前に使われた各国独自の言語である『古き言葉』は、『狭間』における時代では魔道(魔法・魔道具・魔法薬)関連で使われる言語となっている。
『まだ、神々の戦いの頃までは獣人たちの大陸があった。その頃は獣人たちの大陸にも『人間』が住んでいた。内海を越えた先にある今の『人間』の世界はほとんど未開拓の大陸だった。ルーフルスは影も形もなく、アシュラ地方でも一部の地域がクニを形成するだけだった。
しかし、獣人たちの大陸は神々の戦いの頃に、津波と地震により滅んだ。そうして、命からがら逃れた人々が内海の大陸に入植し、大陸を発展させたという』
ここまでが、アーシェたち『狭間』の者が知っている神々の戦い(世界崩壊)前後の流れである。
世界にはマナという力が満ちているが、アーシェたちが暮らす『狭間』の世界ではマナの量は獣人たちの世界に比べてとても少ない。そのため、魔晶石の質も良いとは言えず、世界崩壊後に文明復興が滞った要因の一つとされている。
【数扉世界と鏡面世界】
作中には、数扉世界と鏡面世界という関係性がある。
数扉世界は色んな次元にいくつもある世界観の異なる世界。鏡面世界はパラレルワールド(並行世界)のこと。同じ世界の違う未来。数扉世界は材質も大きさも違うスプーン。鏡面世界は色合いが違うだけで材質や大きさは同じスプーン。
『箱庭』と『狭間』の世界の関係は、数扉世界に該当する。
また『箱庭』の世界では、獣人たちはヒト族の世界のことを『ファスフロンテ』と呼んでおり、自分たちの世界を『デルニエール』と呼んでいる。
獣人たちも自分たちの役目を追う性質だけでなく、人間のように『なにものにもなった』り、考え出したりする力を自分たちで工夫しながら追い求めている。なお、殆どの獣人(野心ある者以外)は過去の歴史から、技術力があってもファスフロンテに侵攻しようとは思わないらしい。
【国々】(『狭間』に出てくる国家のみ)
全部で六カ国ある。『神々の戦い』が描かれた黄昏記からは『狭間』の時点で五〇〇年が経っている。ルーフルス帝国が一番の国力を誇っており、ルーフルスを中心とした国際秩序が形成されている。
ルーフルス帝国……五〇〇年経つか経たないか。三人の皇子を儲けた女皇が治めている。現実のトルコと同じくらいの国土がある極寒の北国。
イノサニア……ルーフルスと同じくらいの年数を持つ宗教国家。『原初』で共に旅をした伝道者・マルコが生き残りを率いて、仲間達と未来の者たちのために一連の神様たちのカバーストーリーを広めるために作った。国土はチェコくらい。山がちなので下手をすればルーフルスより冷え込む。
七年に一度、この国の聖地(マルコが没した地)で世界会議が開かれる。
キョウワ国……六五〇年ほど。群島国家でもある。双子とかマキナの祖父母の出身地でもある。
ミンズイ国……一八〇年程度。ミンズイは何度も王朝が変わっているため、短い。ソンリョは国と銘打ってはいるものの、ミンズイの属国となっている。ミンズイは半島と大陸少し、ソンリョは半島ちょびっと。ミンズイは山を挟んでヴォルセナと隣り合う。
ソンリョは国として認められていないため、世界会議には参加できない。
ヴォルセナ王国……アーシェたちの祖国。『狭間』における基本舞台。建国して二〇〇年くらい経ってる。元は三〇〇年前に再び世界崩壊・文明崩壊の危機に瀕したルーフルスが南の蛮夷征討のために七英雄を遣わしたのが始まり。勇者は初代国王となり、仲間である聖女と結婚して現在のヴォルセナ王国の土地を拝領した。北アイルランドを抜いたイギリスとほぼ同程度の国土規模を誇る。国民は二五〇万人くらい。
ジャハトーラ……南にある砂漠で覆われた国。山脈で分断されているが、ミンズイとは隣り合う。ヴォルセナの隣国でもある。貧富の差が激しく、治安は必ずしもいいとは言えない。三〇〇年経ったくらいの建国年数。スペインと同じくらいの国土。交易で国益を生み出している。他の国の奴隷制は無くなって久しいが、この国は奴隷制や少年兵の問題が未だに残っている国でもある。そのため、ドージュ(ダオシュ)の人攫いにも関与した疑いがある。
【紋章】
国によって紋章は異なる。大体はその土地に縁のある道具と動物。
ルーフルス→鷹と杖
イノサニア→猫と本
キョウワ→鶴と刀
ミンズイ→亀と杯
ヴォルセナ→馬と弓矢
ジャハトーラ→駱駝と金貨
【土地の属性】
元々、無属性の大陸ではあったが、それぞれの国は『原初』の時代に近くにあった国々(大陸)の恩恵を受けて属性が決まっている。
土地の属性によって秀でる産業なども異なり、ジャハトーラは地熱発電が盛んなほか、ヴォルセナは風と土に恵まれた肥沃な穀倉地帯を利用した農業が盛んである。
ルーフルス→氷と浄化
イノサニア→光と毒
キョウワ→水と植物
ミンズイ→雷と炎
ヴォルセナ→風と土
ジャハトーラ→熱と闇
【世界崩壊】
作中のおよそ五〇〇年前に『神々の戦い』が起こり、獣人が世界を分けたことによる余波で世界文明が崩壊したこと。
後に道具を作るための素材の枯渇やマナの急激な現象も相まって、残った二割の文明も一割程度にまで減少した。残った大陸(『狭間』の世界)以外の大陸は、地震と津波により海の底に沈んだとされているが、実際は何度も言っている通り世界そのもので別々に分かれている。
【文明復興】
世界崩壊後に数百年に及ぶ歳月をかけて、『狭間』側のヒト族が文明を復興させた働きのこと。
世界崩壊後に緩やかに失われた知識もあったため、現在ではロストテクノロジーとなっている知識もある。
【人間狩り】
獣人たちが世界を分けたのちに、自分たちの世界にやって来た脅威となり得る人間(ヒト族)を皆殺しにしたこと。このせいで流れ込んできた八割の文明や文化も六割程度にまで減っている。『箱庭』側の世界における出来事。
このせいで人間に近い姿を持つ種族も殺される被害に遭っており、力の強い魔晶石を命の源とする瑶玲族もまた、獣人たちに虐殺された。
このため瑶玲族は人間だけでなく獣人も嫌う、孤高の一族として知られている。




