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日常

作者: 雪つむじ
掲載日:2020/04/22

なんかさ。

そう、お風呂。

お風呂のね、お湯の出るところ。給湯口?

そこにね、指を入れてさ。

お湯が出てくるのを、邪魔してやるの。

それでさ。

ぐぐって、お湯の方が力が強くなって、結局、出てくるじゃない。

そうすると、ああ、負けたなって。

私の努力って、なんだったんだろうって。

毎日、感じるんだ。

日常って、その繰り返し。



とか。

とか。

とかとか。

いっつもおんなじ。

インクの切れた万年筆みたいに、紙をがりがり、引っ掻いている感じ。

インクの切れた万年筆みたいに、紙にがりがり、引きずっている感じ。

車の窓の向こう側に見える景色。

関心のない信号。

興味のないバス停。

散歩している犬。

転がっていく自転車。

喚く人。

ガラスを震わせて入ってくる、音。

耳を塞ぐように上げるボリューム。

かえって大きくなるだけで意味をなさないノイズ。



明日は晴れ?

それとも雨?

どっちだっていい。

だって一日の大半は屋根の下。

一瞬のために買い直した雨傘は満足に使う前に壊れて。

重くなったカバンの底で、身動きの取れないままにぺしゃんこになる。

カピカピに乾いたサンドウィッチ。

いつ封を切ったか覚えていないペットボトルと一緒。

重いだけ。

重いだけ。

役に立つのはモバイルバッテリーくらいの荷物。

震えないスマホ。

テザリングでつながるPC。

誰と。

どこと。



ああ。

お湯があふれてきた。

今日も負けだ。

ありがとうございました。

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