トンデモ本「人類は鳥類だった!」付録童話 「第二回 進化に関する神さまと鳥たちの会議」
その昔、神様が鳥達の祖先を集めて言われました。
「あー前回の会議では、ワシの提案を快く受けてくれて
本当に嬉しく思っておる。
諸君の益々の発展は約束されたと言っても過言ではない。
まったくもってご同慶の至りである。
でー、諸君にも報告しておかなければいけないんだが、
同じ提案を哺乳類にしたところ
きゃつらは会議にオスばかり出て来おって
しかもオスの負担が増えると言ったら、イヤだと言ったのだ。
オスの役割は縄張り争いに特化してきているのに
いまさら子育てなんて、とぬかしおったのじゃ。
自分で創っておいて言うのも何だが、
近頃あいつらは素直じゃなくて、ちっとも何だか…、
まぁそんな事は良いが、本日の議題である…、」
と神様は鳥の祖先(面倒なので、以下「鳥」。)達を見回して、
「何だ、またニンゲンは来ていないのか。」
と言われると、ある鳥が神様に告げ口した。
「そうなんですよ神様、ニンゲンは近頃カッタルイとかって、
飛ぶのがめんどくさいって言うんです。それで…。」
神様は、
「何だ、まだそんな事を言ってるのか。
前にも、飛ばないでいると飛べなくなるぞ、
とあれほど注意してやったのに、まだ歩いてばかりいるのか。」
さっきの鳥が、
「そうなんです。それで、今日も一緒ぐらいに出てきたんですけど、
歩いて来るので、間に合わないんです。
きっと会議が終わるまで来ないと思いますよ。」
と言うと、神様は、
「フン、あいつの事だ、多分会議に行くとか言って
他所のメスの所へでも行っているんだろう。」
その鳥はビックリして、
「アレレ、神様ご存じでしたか。」
神様は、
「ご存じでしたかもないもんだ。
ワシを誰だと思っておるのだ。
そんな事ぐらいお見通しだわ。」
と仰った。すると、事情通の別の鳥が申し上げた。
「その件なのですが、神様。
一夫一婦は鳥類のオキテ、多少の例外はあったにしても
皆、波風を立てないでやっております。
ですが、ニンゲンのやる事はみんなの目に余っておりまして、
鳥類の面汚しだと、非難の的になっております。
ニンゲンは不倫ばかりしていて、非常に評判が悪いのものですから
とうとう、次回の鳥類連盟の総会に、
除名処分の決議案が出されておりまして、
しかも十中八九、可決の見通しになっておるのでございます。」
神様はビックリされ、
「な、なんと。そんな話し初めて聞いたぞ。
そんな事とは知らなんだ。
ニンゲンが鳥類でなくなったら、どうすれば良いのじゃ。
ニンゲン類、なんてのを作れって話しなのか?!
そんな面倒なものはイヤだと言ったら、
ニンゲン滅亡?!」
鳥の代表は、目をキラッと輝かせ、神様に申し上げた。
「先程の神様のお言葉では、
哺乳類は引き続き子を産むことになったと。
ニンゲンも子を産むままですから、
この際、ニンゲンを哺乳類に…。」
神様はお慌てになった。
「待った待った、ちょっまって。
鳥類から哺乳類に移籍させようなんて、なんという大胆なご発言。
鳥類連盟の脱退と哺乳類連盟の加入申請を同時に通すなんて、
アンタそんな荒技、ワシにもできんぞ。」
鳥の代表は言った。
「お任せ下さい。議会対策のプロは大勢いますので
哺乳類連盟に根回しして会議の結果を左右することなど、
ヒナの羽を捻るようなものです。」
神様は、
「おっおー、そんなもんが居るのか。
それは頼もしい。
そういう話しならば乗らんでもないな。
で、ニンゲン本人の同意はどうするのだ?」
鳥の代表は言った。
「ニンゲンはその辺の事はさっぱり分かっておりません。
気にする必要は、まったく無いかと。」
決断力に富む神様はキッパリと仰った。
「よし、分かった。
今の話しは聞かなかった事にする。
お前達でしっかりやるように。」
そのお言葉を頂いて、鳥の代表達はカシラを下げた。
すると、他の鳥が口を挟んだ。
「かみさまぁ、こう言っては何ですが、
神様がニンゲンに甘いので
こういった事になったんじゃないですか?」
神様は威厳に満ちた態度で仰った。
「ワシはワシの責任を認めることに吝かではない。
だがなぁ、ほれ、馬鹿な子ほどかわいい、と言うではないか。
お前らも良き父、良き母であるから、
その辺のワシの気持ちも察してもらいたい。」
さっきの鳥が申し上げた。
「勿論それは分かりますよ。
なればこそ、ニンゲンの絶滅を避けるためにも
もっと厳しくされたほうが良いのではないですか。」
神様は、
「うーむ、それは厳しいご意見だが、
もっともな話なので承っておく。
それじゃま、本日の議題に入りたいと…。」
すると鳥達が、
「神様、もう時間です。」
「子ども達のお迎えの時間になってしまいます。」
と口々に言い始めると、神様は
「もうこんな時間か、仕方がない。
本日の会議はこれまで。解散!」
と宣言された。
こうして、神様の覚えがめでたい鳥類は、現在に至るまで益々繁栄し、人類も滅亡を逃れ(本人は知らない)、そのうえナゼか繁栄することとなったのでした。 おわり




