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呪い@???

遅れて申し訳ございません…

連続投稿できないどころか2週間も空きが…

それは10秒ほどの短い時間。

しかし、それは俺にとって永遠のようにも感じられた。

所詮俺の語彙じゃあこの程度にしか表せないが、とにかくヤバい。


ファーストキスが幼女。

俺の人生の中で間違いなくぶっちぎりの出来事だろう。


だがこれで喜んでいてはガチでただの変態認定されてしまう。

後ずさりし、急にされて驚いちゃいましたよアピールをしておく。

そして後は「なんでこんなことしたんだ!」的なことを言えば完璧。

表情は動揺したまま。心は最高にクールで。



「マジ柔らかかったっすありがとうございました結婚してください!」

(ちょっお前いきなり何してんだよ!)

「ぷっ…ははは・・・」



(あれ?なにが起こった…?なんで本音と建前が逆に…?)


自分でも謎すぎる行動に動揺していると、黒幼女がまさに抱腹絶倒といった様子で床を転げ回っていた。

白幼女は複雑そうな顔をしている。

しばらくして黒幼女が起き上がり、笑い過ぎて上気した顔をこちらに向けてきた。

まだまだ笑い足らなそうな顔をしており、現にまた頬がヒクついている。


上気した顔とかヒクついた頬が非常にいい感じだが俺は騙されない。

十中八九こうなった原因はさっきのキスだ。

すぐさま厳しい口調で問い詰める。



「なんでそんなに俺の性癖にマッチしてんだよ!答えろ!」

(さっき俺に何した!答えろ!)

「くっ、ははははははははは!」



ちがあああああああああああう!

そうじゃねーよ!

あってるけどそうじゃねーよ!

また笑われたし!

ああああああああああああああああああああ!


こうなったらおそらく口を開くだけでアウトだろう。

唇を固く結び、怒りを込めた視線を黒幼女に投げかける。


さんざん笑って満足したのか、表情は普通の笑顔となっていた。

腹立つのはそれでもやっぱり可愛いってところだろうか。

俺と目線を合わせ、とても柔らかな声で説明してきた。



「今、お前にかけたのは「呪い」の一種だよ。それもとびきり強力な…」

「呪い!?ヤンデレかよ!?」

(呪い!?マジかよ!?)



うん。もういいや…

まともに伝えるのはあきらめよう。

黙って口を閉じておく。



「流石にこれでは会話が成り立たん…が、まぁいいか」



あいかわらず楽しそうな顔でこっちを見てくる。

わざわざ口に出してんじゃねえと言いたい。言えないけど。



「話の続きをしよう。まず、お前もうすうす気づいてはいるだろうが、私は人間じゃない。」



だろーな。

普通の幼女はまず呪いなんて使わんし使えんしそもそもこんな大人びたしゃべり方はしない。

頷くことで理解を示す。



「私は俗にいう精霊というヤツでな。この空間は私ともう一人の精霊が作り上げた場所なんだよ。」



…まぁ想定の範囲内だ。

仮にもファンタジー世界なんだから、精霊の一体や二体ぐらい存在してもいいだろう。

動揺することなく続きを促す。



「予想通りの反応だな。しかし不思議なものだ。お前の反応は今までの誰とも違う…」



自分の性格を小悪党と表現されたことはあっても、狂人だなんて言われたことはない。

反応の違いってのは単に性格の違いの話なんだろうか?

それとも精霊らしく「ここには勇者にふさわしい性格のヤツしかこれないからな」とでもいうのか?



「いや、そんな不審な眼をするな。ただ…」


ただ?



「この空間に来ることができる人間は、皆精霊との親和率が異常に高く、まさに「勇者」の素質を秘めている奴らばかりだったんだよ。」



あーもう大体読めた。どーせ俺は親和率が低くてうんぬんだから反応が駄目とかそーゆーやつだろ。

どーりでなんか居心地悪いし立ってるだけで気分が悪くなるわけだよ。

一気に冷めた。もう知らね。



「まぁまぁそう拗ねるな。確かに親和率が低い相手に「加護」はつけてやれない。でも「呪い」ならかけることができる。だからさっきかけてやったじゃないか。」



俺のあからさまに不機嫌な態度を読み取ったのか、フォローするかのように言った。

呪いなんてマイナスなイメージしかない。

だが言い方からするに、何かしらのメリットが存在することが予想できる。


そう思うと、わずかにだが希望が沸いてきた。

期待に満ちた顔で幼女…いや、精霊様を見る。

「マジお願いしますよ精霊様!」と、無言で必死に訴えかける。



「そう。呪いといってもデメリットばかりじゃない。むしろこの場合はメリットばかりだぞ?」



俺の期待を裏付けるかのように、したり顔でこちらを見てくる精霊様。

大きくガッツポーズをする。



「それにデメリットも、私に対して少々素直になるというだけで、他のヤツと話してもこうはならんから安心しろ。」



まとめよう。

俺は精霊様に従順になる代わりに、強力な力を手に入れられた。

しかもその従順さも、本人以外の前じゃ発揮されないと来た。

なんだ。「呪い」ってか「寵愛」って感じじゃねえか。


小躍りして喜んでいると、むこうから白い精霊様がこっちに向かって飛んできた。

…晄牙を引きずりながら。


「ちょっと!何勝手なことしてるんですか!もうっ!」

「いいじゃないか。勇者に偽勇者。おもしろそうだろ?」

「よくないですよっ!」


何やら偽勇者だのと物騒な言葉が聞こえてきたが、別に追求しようとは思わなかった。

なにせ気分がいいからな。

どんな感じで力のことを自慢しようかと考えていると、また床が光りだした。


どうやら今度こそ城に戻されるらしい。


だんだん強まっていく光の中。

妖しく笑う顔が見えた。






優斗「これだよこれ!やっぱ異世界っつったらこーゆーのが必要だよなぁ!?」

晄牙「」ビクンビクン

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