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転移@???

週一ペースが早速くずれてしまった。

自分の意志の弱さに草

「こんなに謝ってんだから許せよ」と、

責める多数の視線が俺に突き刺さっている。

わざわざ反応しようとも思わない。仮に何か言っても握りつぶされるだろう。

本当に集団てのは楽なもんだ。


頭の中で一人愚痴る。

いつまでも頭を下げ続けるローブたちを無表情で眺めていると、求夢が俺にアイコンタクトをしてきた。


(いや意味わかんねぇし)


ちょっとこれはマジでわからない。

今まで求夢にアイコンタクトされたことなんてなかったし、そもそもそんな場面がない。

あいつのことだ。

俺がアイコンタクトの意味を理解できないのを知っててやっているんだろう。


口はふさがれ、返事もできないのでとりあえず半目で睨み付けておく。

するとあいつは、口パクで「かくにんしたからな」と伝えてきた。


「ン゛!?(は!?)」


ふざけんなと続けようとするが、口を塞がれているせいでまともな言葉にならない。

何を確認したんだろうか。ただ睨み付けただけで、他に何もしていないというのに。


…すごく嫌な予感がする。

暴れる俺をよそに、求夢はローブ達に声をかけ始めた。


「あなたたちの気持ちは十分伝わりました。……私達も力を貸します。」

「……本当に、良いのか?」


おいちょっとまて。

私たちってなんだ私たちって。


「ここまで言わちゃあ…手伝うっきゃねーだろ!なぁみんな!」


嫌な予感が当たった。

ハイパー主人公的オーラを持つ晄牙はクラスの中心的存在でもある。

そんな奴が呼びかけなんてしたら…


「自分にできることなら…やらない理由はありません。」

「そうだね…ボクもやるよ」

「しかたないのう…」

「まっ、まぁ晄牙が言うならいいけど…」


ほーらこのザマだ。

今まで静観を決め込んでいた奴や、単に反応できていなかった奴。

さっきの一言でほぼ全員が魔王討伐に賛成した。

同意を示していないのは俺の他クラスでもボッチ枠の複数人ぐらいだ。


俺は今口を塞がれ意見を言えず、他の奴らは自己主張が致命的に下手糞だ。

つまりは反対意見が出るはずもなく、方針は勝手に決定されてしまったも同然だ。


「おお…!感謝する。本当にありがとう。」

「貴様らにはもう少し説明がある。城に転送されるまで魔法陣から出るな。」


大げさな赤ローブと180°態度が違う青ローブ。

どうやら俺たちは城に転送されるらしい。

何やらローブたちが全員でブツブツ言いだすと、足元の魔法陣とローブたちが淡く光りだした。


ここに召喚されるときに見た光と似ているが、これが転送、もしくは転移の際に起きる現象なんだろう。

魔法陣から出るなと言われていたが、仮に出たらどうなるんだろうか?

まぁ今の状態じゃそもそも動けないが。


岩動は離れていったが、晄牙はいまだ俺をおさえ続けている。

今更何を心配しているのかは不明だが、まぁさすがに城につけば離すだろうからほうっておく。


「では行くぞ。…多少の違和感はあるだろうが慣れろ。どうせこれから何度も体験することだ」


(最初で慣れろとかハードすぎだろ)


思ったが口には出さない。つかだせない。ふさがれてるからな。


黙って床を見つめていると、地面から弱い風がふきつけてきた。

同時に淡い光は一気に明るさを増し、召喚の時ほどではないがかなりの光量となった。

とっさに目を閉じ、軽く舌打ちをする。

これから何度もこんな思いをしなければならないと思うと、うっとおしく思えてくる。


風が止んだかと思うと、次は地面が消えた。

一瞬の浮遊感の後、そのあと足が着く感覚がした。

足で地面があることを、しっかりと確かめてから目を開ける。



「「あれ?」」



目の前に広がっていたのは、俺が想像した石造りの壁とかそういったものではなかった。

天井は真っ白、床は真っ黒、壁は灰色。

作ったやつのセンスを疑うような不思議な…神殿?

その中に俺はいた。


驚きのあまり手を離した晄牙とともに。








優斗「クラスメイトとは別行動という定番」

晄牙「別行動ってか俺たちの意志関係なくね…?」

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