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第三二話【いろいろな結末】

「ええ、あの時は驚きました。確かに私たちオークは大昔、人間の軍勢と戦っていたこともありました。まあ、お伽噺の世界ですよね。しかし、その転生者を自称する方はいきなり斬りかかってきましてね、危うく胴体と首が離れ離れになるところでした。妻たちが咄嗟に彼の首を斬り落としたり身体を斬り刻んだりしなかったら、大変なことになっていたと思います。ええ、ちゃんと騎士団本部まで出頭して正当防衛と認められました。妻たちと一緒だったのがよかったのかもしれません。はい? 妻は現在六人です。オークの男性全員が精力絶倫というのは都市伝説ですが、何故か求婚されることが多いので困っています。上手くお断りする方法があったら教えていただけませんか?」


「あー、あの勇者を自称していた奴? なんかその辺りでゴブリンを斬り刻んで喜んだり古い銀貨を見つけて興奮したりしていたなあ。えっ? あんな奴に仲間なんか出来る訳ないだろ? なに言ってんの、あんた。あんまりたちのよくない傭兵を集めて北へ向かったけど、翌々日には傭兵だけ帰ってきたなあ。ん? 知らんよ。その後はとんと噂を聞かないねえ。」


「えっと、あのチートがどうとかスキルがどうとかハーレムがどうとか言っていたお兄ちゃんのこと? 廃鉱山は盗賊とか野盗とかゴブリンとかいるから行くのはやめといた方がいいよって止めたんだけど、独りで突撃しちゃったんだ。えっと、最近は見ていないよ。」


「はあ? 転生者? 勇者? おう、おめえら、そんな奴の噂を聞いたことはあるか? ねえようだな。申し訳ねえが、姉さん、俺たちじゃ役に立てねえな。コルスの口添えがあったから話したが、あんた、なにもんだ? 王室調査員じゃねえだろうな? まあ、違うだろうな。おう、姉さんのお帰りだ。粗相のねえようにしな。」


「えっ? あたしのお馴染みさん? さあ、ここのところ見かけないわねえ。こんなあたしでも気に入ってくれててさあ。ちょっとよがったら大喜びしてくれたのさ。こちとらも気が入って、ずいぶん興奮したもんだよ。あたしも女ってことを再確認出来てよかったさね。で、なに? 娼婦を蔑みに来たんなら帰っとくれ。……ふうん? そういうことなら、ま、少しくらいは話をしようか。流れ流れてハミルの街まで来たけど、銀貨二〇枚なんてそうそうお目にかかれないからねえ。で、最初から話せばいいのかい? そうさね、あの人を初めて森の中で見かけた時は丸裸だったよ。茸狩りに行って別の茸を見つけちまったのには驚いたさ。あはは。知り合いがいないし、行くところもないってんで、ここで一緒に暮らしていたんだよ。半年ほどだったかねえ。年増の売れない娼婦に身元不明の中年男ってのは、個人的に気に入っていたんだよ。所帯を持つのも悪かないと考え始めた矢先だったのさ。で、あの人はちょっと稼いでくるって言って、ちっとも帰ってきやしない。これで話は終わり。つまんないだろ? ん? はは、気を使わなくていいよ。でさ、もし、あの人がどうなったかわかったら教えて欲しいんだ。礼はする。……あたしのように蓮っ葉な女だって、人を好きになることはあるのさ。頼んだよ。」




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