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第1章 パート2

《中央時計》

 

 それはこの世界に生きている限り絶対に逃れることが出来ない一つの真実。東京都中心にそれはあり、世界の中心は機械でもない、人間でもない、この時計であった。縦横一キロメートルの敷地が設計され、その場所には囲うように城壁がそびえている。高さはそれほどないが、侵入することは絶対に出来ない鉄壁の壁である。それもそのはずだ。壁より上はドーム状にバリアが張られ、触れたものを一瞬で焼き尽くす仕組みとなっている。過去に侵入を試みた雑誌記者がいた。それはテレビで放送され、全国で放送された。しかし、結果は残酷なものだった。バリアに触れや瞬間、記者の身体は焼き尽くされ肉のかたまりとしてその場で息を引き取った。それによって全国民が恐怖し、興味本位で近づくことはなくなった。


 なぜ侵入なのか?


 こういう城壁には門があり、ここにも唯一南に城門がある。しかし、開くところは誰も見たことがない。開けようにも鍵がかかっており開かない。上空から覗こうとも試みたがバリアが働いているせいか、中は何も見えない。


 そんな科学の結晶ともいえるものの真ん中に中央時計はある。――否、あるとされている。はっきりと分からない理由は侵入できないことによる情報不足、そして誰によって、どんな目的によって作られた、などの記録やデータが一切ないこと。これだけ大きなものが何の記録もデータも無いと言うのは不可解ではあるが……。


 そして、最も大きな問題はその能力にあった。


 この時計は人を……消す。いや、消すというのは少し語弊(ごへい)があるかもしれない。この世に害のある者と判断された者の記憶を吸い取る。害と言っても広くあるが、ここではいじめから犯罪などが対象となる。記憶と言っても害のある部分だけであり、そういった部分だけをハサミで切り取るかのようにすっぱりなくなり、ノリでつけるかのように前後を合わせる。


 それだけだから生活はできる。しかし、なぜか記憶を失った者はその後生気を失い、十日以内に消息不明となってしまう。原因は分からない、それは失った者にしか……


 害ある行動をすると対象となる。そうわかったところでこの世界には対象者がまだまだいるし、増加傾向にある。


 そんな世界の味方であり、災厄(さいやく)である中央時計は十数年前に設立され、現在ではこうして学校でも習うようになった。とはいえ、まだ原因不明であったり推測であったり、確たる証拠をつかんでの内容はあまりされていない。


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