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何も用事の無い休日。

基本的には出掛けないで、掃除とか洗濯とかそういうことをして過ごす。

そうでなければ昼まで寝て、DVD観たり。


ブーッ、ブーッ…


昼前。

コーヒーを飲みながらのんびり今日の予定を考えていたら、携帯が震えた。

今日は部屋の片付けと、夕方から映画でも観に行こうか。

考えながら携帯を開くとメールが一件。




『From:ハジメさん


いきなり悪い。

今日暇か?』



「暇……といえば、確かにねぇ」



ここで断るのは悪い気もするけれど、正直ハジメさんについて出かける気にはなれない。

気持ちに応える気が無いのだし、変にこういう話に乗るのは気が重い。

正直に、今日は一人でのんびりしたいと返信を打っていると再び携帯が震えた。

今度はナオからの電話。

なんなんだ、兄弟二人して。



「……もしもし」


『あ、ユキ!おれだっ!!』


「ナオ。なに?」



ナオに「詐欺お断り」だとか冗談は通じない。



『ハジメたちとおれたちで出掛けんだ。ユキも来いよ』


「行かない。今日は一人でしたいことあるから。皆にも伝えといて」


『なんでだよ!』


「だから、一人でやりたいことがあるの」



二度も三度も同じことを説明するのは面倒だ。

ナオや海たちとは遊びたいけど、ハジメさんがいるなら話は別。



「片付けとかいろいろあるから、今日は…」


『ユキ』


「…海?」



ナオから電話を奪ったらしく、後ろからナオの文句が聞こえる。



『赤石さんも来るわよ』


「っ、なら、尚更行けない」


『いつまで逃げる気?』


「それは…」



海はいつも痛い所を突いてくる。



『1時に改札前。お昼は食べちゃうけど、夕飯は一緒に食べるわよ』


「何を勝手に、」


『逃げたら、承知しないから』



切れた電話に呆然としてしまう。




(紡げないラブソング)




逃げ出すことは罪だなんて、誰が言ったの。



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