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冬、ユキが誕生日を迎えた。
当日は学校の友人が祝ってくれるとかで、最初から休みの希望が出ていた。
「昨日は楽しんだか?」
「はい。無理言ってすいませんでした」
「クリスマスは?」
「朝出勤で良いですか?」
「彼氏もいねーのにか。生意気なヤツ」
「うわ、店長セクハラー。観たい映画が公開なんですー」
夏前。
春からなんだか恋愛沙汰でゴタゴタしていたユキが突然すっきりした顔で現れた。
好きだった奴も言い寄って来た奴も両方フッて、結局は一人でいることを選んだらしい。
ユキは、そういう奴だ。
「ユキ」
「どーもいらっしゃい」
あの、店まで乗り込んで来た男はしょっちゅう店に来るようになった。
その度に苦笑するユキがあまりにも「らしくて」笑ってしまう。
「……ばっかだよなぁ」
「店長、独り言言ってないで接客してよ。あと、裏に奥さんから電話ですよ」
「お、悪いなぁ」
「奥さんにあることないこと吹き込むの止めて下さいね。さっき事実確認されましたよ」
いつまでそうやって、一人で背筋を伸ばして立ってるんだろうか?
「さ、電話電話!」
「シカトかよ」
(心機一転ミュージック)
おれには何も出来ないけれど。




