13
特に変わりの無い毎日。
そんな中、私は店長に怒られた。
『アイツ、ホントにお前のこと好きみたいだな』
『そうみたいですね』
『ばっ、おまっ…わかってんの?』
『カムアウトされてますから』
『で、それでもその態度な。………ユキお前、失恋したんだろ?』
『………はい』
『アイツはダメ?』
『ダメっていうか……、そういうんじゃないですよ』
『お前さ、恋愛とかそういうの不器用なのは見てりゃわかるわ。自分が傷つくのを選ぶのも止めねえよ。でもな、それ以外の奴を傷つけんな。本人が望んでても、それを叶えんのは優しさじゃねーよ。……わかる?』
私にどうしろっていうの。
相変わらずハジメさんからの連絡は途絶えない。
当たり障りのない返事を返して済ませるのは、すでに癖だ。
「ねぇ、ナオ」
「なんだ?」
「最近、よくハジメさんからメール来るんだけどさ」
「ハジメはユキのこと好きだからな。嫌か?」
「嫌ではないよ。たださ、私もともとあんまりメールしないから」
「まぁ、気にすんなよっ」
「ん、ありがとう」
やっぱり似た者兄弟だ。
ナオのことは嫌いじゃないし、ハジメさんのことだって別に嫌いな訳じゃない。
「ユキ」
「あ!!赤石!!!」
「おう、ルフィ。…ユキ、ちょっと良いか?」
「はい、大丈夫です」
赤石さんに呼ばれて食堂の隅に座った。
あれから何度か赤石さんとも話をしたけれど、お互い案外普通だ。
あの日のことが話題になったのは最初だけで、体調はどうだとかそういう話をしたくらいだった。
「悪いな。突然呼んだりして」
「いえ、何かありましたか?」
「……それが、ハジメのことだ」
「ハジメさん、ですか」
(耳を塞いだラブソング)
心がみしりと音を立てた。




