表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/20

12




熱は一日で下がった。

翌日も大事を取ってからバイトに復帰した。

週末に掛かったせいで学校にはしばらく行ってないけれど、どうせ明日は月曜だ。



「ありがとうございましたぁー」



馴染みだったCDショップでバイトを始めてから大分経つ。

渡されたポップを棚に飾りながらお客さんを見送った。



「いらっしゃいま、せ………ハジメさん…」


「よっ!今日は買い物に来たんだ。あんま気にすんな」


「そう、ですか。じゃ、私は仕事中なんで」


「おう」



ため息を飲み込んでカウンターに戻ればそこには店長しかいない。



「ユキー。アイツ、この前来た奴だろ?他の奴らが騒いでた」


「あー、まぁ。皆さんの思うような関係じゃありませんけど」


「ふーん……そりゃ、別に良いけどよ。アイツ、ずっとこっち見てんよ」


「は…?」



棚を隔てた向こうにいるハジメさんと目が合った。

が、すぐに逸らされた。



「……私には、何とも。それより、仕事無いんですか?」


「あったらくっちゃべってねーのよ。どーすっかなぁ、しりとりでもしてる?」


「……今日って日曜なのに、他にお客さんいないんですもんね。しりとりとか、どんだけ暇だよ」


「あー、しりとりじゃ絶対ユキには勝てねーもんな。あ、ゴミ捨て忘れてた」


「そんくらい私が行きますよ」


「お前は店番してて。ゴミ捨てのが楽だし、ついでに一服してくるわ」


「……いつか潰れますね、この店」



悪態をついて棚を見れば、ハジメさんはこちらに背を向けて商品を物色している。

かと思えばキョロキョロしてみたり。



「ユキ」


「あ、はい」



ぶっちゃけ暇な私は、ハジメさんに呼ばれてカウンターの椅子から立ち上がった。



「なんですか?」


「ユキってさぁー、普段何聞いてんの?」


「えー………気分でなんでも聞きますよ」


「前に歌ってたのは?」


「本物と比べるなんて、嫌がらせ以外のなんでもないですね」


「ははっ、なぁユキ、今日は何時だ?」


「6時ですけど……出掛けませんよ。一応病み上がりです」


「ダメか。じゃ、とりあえずコレな」


「はい」



ハジメさんは一枚、私が前に歌ったことのある曲を買っていった。




(無視を続けるラブソング)




ニヤニヤと笑う店長も無視だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ