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夢の前に

 重い。空がこんなにも重く感じられたのは生まれて初めてだ。いや、空だけじゃない。バラエティ番組の笑い声も、好きな筈の音楽も、当たり前にある空気すらも重い。どんな物も、何の意味も持たずにただそこにあるだけの存在見える。

 どうして、こんな事になったんだろう。

 色を失ってしまったのは、この世界なのだろうか。それとも、俺だけの世界だろうか。 少し前までは、周りの景色があんなにも鮮やかに見えていたのに。ただ笑っていられたのに。何が起こっても、大丈夫だと思えていたのに。


 どうして、こんな事になったんだろう。


 朝食を用意するも、全く手をつけずに片付けてしまった。そういえばここ最近、水以外は何も口にしていないな……。

 その所為か、体は怠くなるばかりだ。もういい。棄てよう。全て棄ててしまえばいい。そうすれば、少しは楽になるだろうか。

 でも、棄てたいものに限って棄てる事が出来ない。この気分も、想い出も、自分も。

 外はこれからが騒がしくなっていく。そんな雑音が鬱陶しく思えて俺は一人、世界から離れることにした。

 闇の奥深くへと堕ちていった俺は、また過去へと戻される。

 これからどうなるかが全て分かっているというのにどうすることも出来ない。

 そのことも理解している筈なのに、かすかな希望を持たずにはいられなかった。

夢なのだから、望む過去に変えてくれと……。

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