小さな大人
自分が周りと違う。自分が大人だと思い込んでいた
あの無視された日から、何があったのかあまりよく覚えいない。
いつの間にか時が過ぎて、太陽が昇って沈んで一日一日が過ぎていった。
そして私は年長組になって妹が幼稚園へ入ってきた。
私は妹に依存していた。
だからよく、年少組の妹のクラスに行っていた。
妹はおねぇちゃんおねぇちゃん、って懐いていた。
私がしっかりしなきゃ。妹を守らなきゃ。そんなことばかり。
実際、妹は私がいなくても十分生きていける状態だった。
別に母に嫌われてもいないし。
懐いてくる妹が大好きで、一つの光で、でも大嫌いな存在でもあった。
母親に良い顔して、可愛がられようとしているのが私には見え見えで、内心イラついてしょうがなかった。
ちょっとした事ですぐ泣く。
抱っこしてあやして。
でもそれが妹の計算で、それがムカついた。
妹ばかりかわいがって。
私にはそれができない。頭が悪すぎて計算なんかできない。
でも妹にはできたんだ。
たぶん私の姿を見てるからだと思うけど。
イラついてしょうがなくて、母の前で妹を一番上の階段から背中を押して突き落としたり
妹を仰向けにした後、お腹の上を足で踏んづけたり。
そんな子供になった。
母は私を怒鳴りつけ妹をかばった。妹はわんわん泣いていた。
たくさん泣けばいい。たくさん泣けばいい。泣いて泣いてお母さんにしがみついてればいい。
私はいなくなればいい子だから。
私は幼いながら歪んでいった。
妹のクラスから自分のクラスへと戻る。
「由利は私の!」
「違うよ!私のだよ!」
戻るとそんな私の取り合いが女の子の友達同士でなぜかよくあった。
正直どっちでもいい。
ただみんなで仲良くすれば?
「皆で仲良くしようよ」
そんな事言っても
「やだ!由利ちゃんと二人で遊びたい!」
二人ともクラスで一人でいる子だけど。
私にはどうでもよかった。
ただ気に入られたけど面倒だなって。
もっと普通の子と仲良くしたい。
自分のクラスにいるのが疲れる。自分で自分の首絞めてるようなものだけど。